クーリエ・ジャポンの読者から投資に関する質問を募集し、伝説の投資家ジム・ロジャーズに答えてもらいました。
私たちの生活を維持するためにも、このような業界にもっと投資を呼び込むしかないと思います。こういった、華やかさには欠けるけれども生活に本当に必要な分野に投資をもっと呼び込むためには、何が必要だと思いますか?
ジム・ロジャーズの答え
いい指摘です。確かに、そのような分野に投資をしてもらうために何か手を打たなくてはなりません。税金の優遇などのインセンティブを設けるという方法があります。たとえば農業分野に1万円投資したら、税金を1万円控除するなどといったように。
同じ1万円を投資に回すか、税金として取られるかどちらがいいかと言われたら、大半の人は投資を選ぶでしょう。このような施策は過去にいくつかの国でおこなわれていました。日本も、独自のインセンティブを考えるといいのではないでしょうか。
ですが、日本にはもっと大きな問題があります。人口が減り、働く人がいなくなっているのです。ロボットに任せられるようになるのかもしれませんが、それはまだまだ先の話です。農場や学校があっても、そこで働く人がいなければ私たちは生活できません。子供が生まれず、移民も入れないとなると、人口が減るのは明らかで、そのことによる負債はうなぎのぼりになります。
となると、もっと子供を生んでもらえるようなインセンティブを設けなければなりません。誰かが、何か斬新な政策を打ち出すべきです。私は日本人ではないので、何をすべきと具体的には言えませんが。
──日本人の多くは、お金がかかるので子供が作れないと言います。それは正しいと思いますか?
私自身も、育児にはお金がかかることは知っています。家族を養うのにはお金がかかる、これは事実です。
大切なのは、どのくらいお金があればよいのか、どのようなインセンティブが必要なのかを見極めることです。日本政府も対策を打ち出してはいますが、成功していないようですね。
そうでないと、50年後に日本はなくなっているでしょう。日本で私の大好きなウナギが食べられる場所もなくなってしまいます、恐ろしいことです!
■回答者プロフィール:ジム・ロジャーズ
1942年生まれ。「投資の神様」と言われるウォーレン・バフェット、「イングランド銀行を負かした男」として世界に名をとどろかせたジョージ・ソロスと合わせて、「世界三大投資家」と称される。イエール大学で歴史学、オックスフォード大学で哲学を修めた後、1970年代に投資ファンドを設立し大きな利益を上げた。バイクで世界一周旅行をおこない、自らを「冒険投資家」と名乗る。砂漠地帯や紛争地帯などを肌で感じながら世界六大陸を横断した経験から、グローバルな視野と現地の感覚、さらには歴史観を折り混ぜた独自の投資哲学を持つ。
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