使わなくなったパソコンはどのように処分すればよいのでしょうか。「All About」ノートパソコンガイドの上倉賢が解説していきます。
2024.02.10
「All About」ノートパソコンガイドの上倉賢が解説していきます。
(今回の質問)
古くなったパソコンはどのように処分すればよいですか? データが消えているか心配です。
(回答)
古いパソコンを手放す際に重要なのは、パソコン内のデータをしっかり削除する事と、廃棄する自治体のルールを守ることです。データの削除方法はいくつかあり、データが記録されているストレージに記録された個人情報などを二度と復元できないように削除することが重要です。
どういうことなのか、以下で詳しく解説します。
単純な削除操作をしても元のデータは消えません
パソコンにはさまざまなデータが保存されています。個人情報を扱っていないなど、一見気にしなくて良さそうな場合でも、ウェブブラウザに保存されたキャッシュなど、自分が思っている物より重要なデータがパソコン内に保存されていることもあるのです。ウェブブラウザのキャッシュは、ユーザーが作成する文書ファイルなどとは異なる場所に保存されており、自分で気付かないうちに重要なデータがパソコン内のどこかに保存されていたりします。一度でもパソコンで何らかのサービスやデータを利用した場合は、パソコン内にその関連データが保存されていると認識しておきましょう。
これらは、単純に削除操作をしただけでは、元のデータ自体は削除されません。通常の削除操作ではデータの目印となる目次が消えるだけで、実際のデータはそのまま残ってしまうのです。そのまま中古パソコンとして売ってしまった場合、そのパソコンを手に入れた人が目次を復元することで、データが復元されてしまう恐れがあります。そのため、復元できないような削除操作でデータを消すことが必要です。
データを完全に削除するには?
データの完全削除には、ドライブ自体のフォーマット操作を行いましょう。フォーマット操作にはいくつかの種類があります。最近のノートパソコンで主流のSSDとHDDでも最適な方法は異なるように、使用している機器によって最適な方法は異なります。確実に消去するには、ストレージをフォーマットした上で、OS自体の初期化などを行ってください。実際に何の操作をすると、どこまでデータが消えるか、そして復元がどこまで可能かは、使用しているストレージの構成などさまざまな状況によります。確実なデータの流出を防ぐ場合は、削除操作をした上で、ストレージ自体を物理的に廃棄するのが確実です。
データの消去については、NIST(米国国立標準技術研究所)のデータ消去に関するガイドラインの日本語版がIPA(独立行政法人情報処理推進機構)より公開されています。業務で使用している場合、金融関連情報を使っているパソコンの場合など、個人情報の流出で問題になる情報を扱っている場合は、しっかり確認して廃棄作業をしてください。
データの消去以外では、ノートパソコンにはバッテリーなど廃棄の際に特別に配慮しなければいけない部品が入っているので、自治体などの指示に従うことも重要になります。
PC(パソコン)のニュースサイトがほとんどなかった10数年以上も前から、個人でノートパソコンに関する情報をWebで発信し続けている。それをきっかけに、現在はノートパソコン専門ライターとして活躍。新聞や雑誌などでもノートパソコン選びの執筆を行っている。
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