木星とその衛星を目指す探査機「JUICE(ジュース)」が13日夜(日本時間)、南米フランス領ギアナのクールー宇宙基地からアリアン5ロケットで打ち上げられる。宇宙航空研究開発機構(JAXA)が6日、計画の概要を明らかにした。欧州宇宙機関(ESA)が主導する探査計画で、日本や米国、イスラエルが参加する。木星到着は8年後。液体の水の海があるとされる衛星などを探査し、地球以外にも生命を育む環境を持つ星が存在する可能性があるのかを探る。
探査機が木星軌道に到達するのは2031年7月。木星は大きさが地球の約11倍、質量は約320倍という巨大な天体で、どのように形成され移動したかを探ることは、太陽系の成り立ちを解明する鍵を握る。
ガリレオ衛星とも呼ばれる木星の代表的な4つの衛星のうちガニメデ、エウロパ、カリストが主要な観測対象だ。3つの衛星は内部に海が広がっていると考えられている。近くを何度も通りながら観測を繰り返し、液体の水に加え、生命のもととなる有機物やエネルギーが存在するかを調べる。
34年12月にガニメデの周回軌道に投入され、氷に覆われた表面や内部構造を探る。ガニメデは太陽系最大の衛星で、地球と同じような磁場を持つ天体だ。最終的にはガニメデに衝突して35年9月に探査は終了する。
プロジェクトに関わる関根康人・東京工業大教授は「日本がついに小惑星を超えて、太陽系の巨大ガス惑星の探査、そして(地球外の)生命の可能性に本格的に迫る第一歩となる記念すべきミッションだ」と話した。
探査機にはカメラや高度計、磁力計など10種の観測機器が搭載されており、そのうち6つの機器の開発などに日本が関わっている。探査機の重量は5トン超で、面積が85平方メートルに達する巨大な太陽電池を備える。
JAXAのプロジェクトを率いる齋藤義文⽂JAXA宇宙科学研究所教授は「ガニメデに到着するまで10年以上と長いミッションだ。観測装置の開発は終わったが、得られるデータからできる限りの成果を出せるよう今後は注力していきたい」と話した。
JUICEは木星氷衛星探査を意味する英語の「JUpiter ICy moons Explorer」の大文字部分を組み合わせた。
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