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Sunday, June 9, 2024

AIの覇権を握るのは誰? 来週開催のWWDCの裏でうごめく思惑 - GIZMODO JAPAN

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Google(グーグル)と争ってきた玉座を奪うのはOpenAI…なのか?

iPhoneのiOSにChatGPTを導入することで、Apple(アップル)がOpenAIと業務提携を結んだと、BloombergThe Informationが報じています。

ビッグニュースの正式な発表は、来週のWWDCになることが見越されます。

数ある提携話をまとめてきたOpenAIサム・アルトマンCEOにとってもAppleは別格で、喉から手が出るほどのメガ契約です。報道によれば、すべてのiPhoneにChat GPTが食い込んで中核機能になるのだそうでして、それが事実なら、OpenAIにとってもアルトマンCEOにとっても、Googleと差をつける千載一遇のチャンスになりそうです。

どんなことに使われるの?

AppleがOpenAIの技術をどこにどう使うのか、詳細はまだ不明ですが、とりあえず両社の間では、ChatGPTをSiriに使う構想や、アプリとして導入する構想が話し合われたとThe Informationは伝えています。

また、Bloombergによれば、AIは「使いたい人だけONにできるオプトイン方式」で提供するかもってもっぱらの評判。

なお、AppleはGoogleのGeminiをiPhoneに導入する方向でも話し合いを進めてきましたが、そちらはまだ契約成立には至っていない様子です。

提携についてAppleとOpenAIにコメントを求めましたが、まだ返答は来ていません。

検索で起こったことがAIでも起こる?

Appleといえば、2002年にも同様の提携契約がありました。Googleと結んだ「GoogleをSafariブラウザのデフォルト検索エンジンにする契約」です。

これがあったから、Googleは全Apple製品の検索エンジンとしての地位を不動にしたと言っても過言ではなく、20年経った今ごろになって、政府が「あの契約は独禁法上問題があったのではないか」と騒ぎ出して、両社を引きはがそうとしているのは周知の事実。

独禁法裁判の法廷では、提携契約の見返りに2022年だけで年間200億ドル(約3兆1231億円)もの大金がGoogleからAppleに支払われたことが明らかになっており(年間4兆円との観測もある)、iPhoneを味方につけることの重要性が伺えます。

OpenAIとの契約はそこまでの規模ではないものの、iPhoneデフォ争いの壮絶さは想像に難くありません。今ごろはGoogleは、地団駄踏んでいるのではないでしょうか。

Googleの焦り

なんでもAIに聞けば答えが出る世の中になったら、わざわざ検索エンジンを使う人なんていなくなる…ということで、AI開発の先駆者Googleも頑張ってはいるのですが、いかんせん、世に出すプロダクトでことごとくヘマをやり、焦りが裏目に出てしまってます。

イギリス国王、ナチス将校、米初代大統領の画像をGoogle AIのGeminiに生成させたら、肌の色が違ったり(サンダー・ピチャイCEOも「あってはならないミスだ」と、社内通達で激おこだった)。

その騒ぎが一段落着くと、今度はGoogle検索上部に表示されるAIまとめ生成機能「AI Overviews」が珍回答・誤回答の連続で対応に大わらわ。そんなライバルを尻目に、OpenAIは念願の大型契約を取り付けたことになります。

Appleの焦りはひとまず解消か?

AIでは後塵を拝したAppleですが、OpenAIとタッグを組んだことで、今一番ホットなAIテクノロジーを駆使して待望のAI機能を提供可能になります。GoogleにもOpenAIにも追いつけないなら、ここは手を組むが得策との判断が働いたと報じられていますが、確かに現実的選択かと。

まぁ、でもまったくAIをあきらめたわけではないし、現に来週の開発者カンファレンスWWDCで発表されるiOS 18はAI強化が柱。

自社開発のAI機能もどっちゃりリリースされそうですよ(音声文字起こし(ライブ字幕)、オンデバイス処理の自動返信など)。

極秘で2種類のAIロボットの開発を進めてるって噂もあります。1つはiPad風ディスプレイ付きの卓上ロボットアームで、もう1つは人について回って雑用をこなす侍従ロボット。

さらにAirpodsにAI機能とカメラがそのうち搭載されるって噂もあるので、そちらも楽しみですね。

CEOを更迭して辞めた役員がCEO批判

AppleがGoogle、OpenAIと提携交渉を進めてきたここ数カ月、AIを取り巻く状況は刻々と様変わりしています。CEO更迭が失敗してOpenAIを辞めた元幹部がやっと口を開いて、同社の安全後回しな社風やアルトマンCEOの秘密主義を問題視したりもしていますが、Appleは一連の批判に目をつぶった格好です。

Appleに必要なのは、これからのAI時代を一緒に乗り切れる最強のパートナーです。アルトマンCEOがここまで来れたのは、「迅速に動いて破壊する」スタイルを忠実に体現したからにほかならず、Appleとの提携ではむしろその行動力が肯定されたとみることができそうです。

キングメーカーAppleが白羽の矢を立てたとなれば、OpenAIとサム・アルトマンの国際的名声は増すばかりでしょう。来週のWWDCは目が離せませんね。

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