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Wednesday, May 15, 2024

盗難・悪用防止を強化するAndroid 垂直統合で変化するエコシステム - Impress Watch

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GoogleでAndroidおよびGoogle Playのバイスプレジデントを務めるサマール・サミット氏(5月14日の基調講演で撮影)

Googleは5月15日(米国時間)、開発者会議「Google I/O 2024」にて、Androidの新しい施策について発表した。

大規模な組織変更にあわせて、Androidにおいてスマートフォンとクルマ、テレビなどの連携強化が志向されているほか、盗難時のセキュリティ強化や、XR強化の方向性なども示された。その一部については、GoogleでAndroidおよびGoogle Playのバイスプレジデントを務めるサマール・サミット氏からコメントも得られた。その内容を紹介する。

組織変更で垂直統合性強化 AR/XR機器は「別の機会に発表」

Googleでは先日、Androidを使うデバイスやサービスに関する部門の組織変更を行なった。

従来は「モバイル」「自動車」「テレビ」「XR」などのデバイスごとに分かれていたが、現在はそれらのチームが一体になり、「Android Ecosystem Team」として活動するようになったという。理由は、エコシステム全体の垂直統合性を高めるためだ。1つのチームの中で、各機器向けのAndroidも進化を続ける。

アプリストアであるGoogle Play Storeも、それぞれの機器に合わせたコンテンツを開発し、提供しやすいように構成されている。

自動車内ではゲームなどのスマホでお馴染みのアプリが遊べるようになり、スマホの画面を「キャスト」する機能も、テレビだけでなく多くの機器に搭載されるようになってきた。

特に自動車内での「キャスト」機能の利用は、今回のGoogle I/Oで初めて披露される要素となる。アメリカのEVメーカーであるRivianのGoogle Built-in車種がAndroidやiPhoneなどからの「キャスト」に対応、スマホで見ていた動画や聞いていた音楽を簡単に車内でも楽しめるようになる。

Android Auto搭載、もしくはGoogle built-inの自動車内ではゲームアプリなども動作

RivianのEVで「キャスト」機能を使ってスマホの動画を視聴

スマホと並ぶ大きなプラットフォームに成長してきたのが、テレビやプロジェクター、映像配信デバイス向けの「Android TV OS」だ、Googleは「300社以上から出荷され、2億2,000万台以上のアクティブデバイスがある」と主張。製品数は2023年に47%増加した。そのため同社は「世界最大のTV OSである」と主張する。

OSのコアはTizenになっておりAndroidではないものの、Googleが推進するスマートウォッチ用OS「WearOS」も同じチームに属する。Google I/O 2024では最新版の「バージョン5」が公開される。バージョン5の最大の特徴は消費電力低減だ。Googleによれば、マラソンのようなワークアウトでの計測時には、OSのアップデートだけで消費電力が20%も削減されるという。

そして現在、Android Ecosystem Teamが精力的に取り組んでいるのが、サムスン・クアルコムとともに開発中の「AR・XRデバイス」だ。

「AR・XRデバイスについては、このGoogle I/Oでの発表はない」とサマット氏は言う。

しかし近い将来、関係するパートナーを集めたイベントの開催を予定しており、「コンシューマやデベロッパーに向けて、はるかに深掘りした情報を提供する」という。

前述のように、Google Play Storeもデバイスごとにストアの見え方は異なる。

サマット氏は「AR/XRデバイスではGoogle Play Storeについて、これまでとは違う、ユニークなLook & Feelにする必要があり、ゲームであれメディアアプリであれ、適切に見つけられるようにしなければならない。AR/XRでは没入感のある形で作り上げる必要があるが、そうした部分の情報についても、後日さらに詳しく伝える」としている。

スマホを奪われた時の対策も強化

スマートフォン向けAndroid 15の機能面で重要なのが「セキュリティとプライバシーの向上」だ。

特にセキュリティ面では「盗難防止」機能が大きい。

昨今のスマホ盗難では、手に持っているスマホをそのまま奪う行為が増えている。スマホのロックが解除された状態であることが多く、盗難後に利用しやすいからだ。

Android 15では、スマホが手から奪われ、持ち去られる際の急激な挙動を感知し、ロックを自動的にかける。

手元からスマホを強奪された際、その特徴的な動きを捉えて画面にロックをかける

同時に導入されるのが「プライベートスペース」という機能。

これはインストールされたアプリを「プライベートな空間」に閉じ込めるもの。生体認証を使ってロックを外さない限り、プライベートスペース内にインストールされたアプリは見ることも通知を出すこともできない。スマホの中を2分割してしまうような機能であり、スマホが盗まれた場合だけでなく、家族や友人などの「誰かに知られたくないアプリや情報」がある場合にも有効だ。

生体認証後に指示することで、プライベートスペース内の情報を全て消去する機能も用意されている。

重要でプライバシーも必要なアプリを「プライベートスペース」に切り分け、持ち主の生体認証なしでは呼び出せないようにする

アプリの挙動についても管理機能が搭載される。

これまでもアプリの不審な挙動を警告する機能はあったが、オンデバイスAIの力により、クラウドに情報をアップロードすることなく、素早くアプリの不審な挙動を検知できるようになるという。

Googleによればこれらの機能は特に高度なハードウェアを必要とするものではなく、OSのアップデートに伴い、多くのスマートフォンで利用可能になるという。

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