正直、奄美が窮屈になる時もあります。そういう時は東京に行く。東京には見たいものや食べたいものがあふれていて、出会いもある。刺激をもらうにはすごくいい。時々行って拠点は奄美という今の生活は、バランスが取れていいです。
かつて私は、東京に憧れ、夢を叶えるために上京しましたが、今はこう思うんです。東京は夢を探すにはいい場所。でも、何かを見つけたら、地方に戻って叶えるほうが、きっと可能性がある。東京はなんでもあるし、いろんな人がいる飽和状態。地方に帰ってくると、これもないし、あれもない。でも、逆に何かができる余地がある。
先ほど、奄美にはここにしかないものがある、と言いました。それを生かす取り組み、例えば黒糖焼酎を守り育てる施策を成功させれば、日本の他の地方のお手本になれるのではと思っています。日本の地方が抱える課題は、高齢化にせよ、過疎化にせよ、共通です。
克服しようと各地で「地域おこし」が行われていますが、課題はそれぞれ。奄美もこの島だからこそできる、この規模のコミュニティーだからできる、そういう「地域おこし」があるはずです。
同年代や若い人たちと飲みにいくと、男も女も、奄美を、黒糖焼酎を守るためにこうしたいという話を本気で、時に喧嘩しながらでもする。結構、熱いんですよ。
――奄美の政治や行政はそうした熱気を受け止めていますか。
現状にあぐらをかいている面はあるかもしれない。人口減や高齢化は他の地方同様、深刻ですが、出生率は全国平均より高く、世界遺産登録の影響もあって観光客も増えている。最悪ではないので、わざわざ変えなくてもいいという空気を感じます。でも、そのうち手遅れになります。私は奄美市の向こう10年の計画を立てるプロジェクトに加わっているのですが、それとは別に考えていることがあります。
昨年10月に奄美市議会の選挙があったのですが、22人の議員中、女性は2人だけ、20代、30代がそれぞれ1人というのは、多様性を求める時代にふさわしいとは思えない。いろんな分野で頑張ってる友人と話してるのは、どこかのタイミングでやる気のある人たちで市議選に出ようということ。
私が出るか出ないかはともかく、こう言い続けていたら、若者が選挙にでる空気が生まれる。政治の場が若返ったり、より多くの世代が政治に興味を持ったりしたら、社会も変わる。そう思って熱い人たちにお薦めしているのですが……。
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