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Monday, November 30, 2020

これからの時代に必要な「AI基礎教育」 ――NEEオンラインセミナー - 新公民連携最前線

 2020年11月20日と21日の2日間、学校教職員や教育関係者に向けて「第25回 New Education Expo」(以下NEE、主催:New Education Expo実行委員会)が開催された。10月に続いて2回目の開催になる。

 NEEは1996年の初開催以来、東京・大阪での展示会とセミナー、全国のサテライト会場への配信などを組み合わせた代表的な教育イベントだった。2020年は25周年の節目だが新型コロナウイルス感染症の影響でオンラインセミナーだけ実施した。

 政府が大学・高等専門学校で全ての学生を対象に「AI教育」を導入する方針であることを受けて、11月20日には「これからの時代に必要な『AI基礎教育』」と題したセミナーを開催した。日経BPコンシューマーメディア局の中野淳局長補佐がコーディネーターを務め、文部科学省高等教育局専門教育課の服部正企画官、関西学院大学学長補佐の巳波弘佳教授、宮城教育大学の安藤明伸教授の3人がAI教育の最新事情や実践事例、導入方法を解説した。

「これからの時代に必要な『AI基礎教育』」をテーマに、AI教育の最新事情や実践事例、導入方法を解説した

 まず日経BPの中野局長補佐が、社会でのAI(人工知能)活用が広がっていることを背景に、政府が「AI人材の育成」を強力に推進している状況を説明した。政府は、大学や高等専門学校で、文系・理系を問わずAIリテラシー教育を全卒業生50万人に展開する目標を掲げている。中野局長補佐は、人材やノウハウが不足する中で、AI教育のカリキュラムをどのように整備するかが教育機関の大きな課題になっていると指摘した。

日経BPの中野局長補佐は、AI人材を育成する教育の重要性について語った

出所:講演資料

AI人材育成を強力に推進

 文部科学省の服部正企画官は、政府が進める「数理・データサイエンス・AI教育プログラムの推進」について解説した。人類の歴史が狩猟社会、農耕社会、工業社会、情報社会、そして現在迎えようとしているSociety 5.0へと変わっていく中で、社会が変化する速度が指数関数的に速まっていることを挙げ、その要因に技術と教育があるとした。情報社会以降はデジタルデータが基盤となって時代を加速させていて、現代はデータが価値を創造する時代になったという。

 米国のGAFA(グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾン)やマイクロソフトの例を見ても、IT企業が大きな企業価値を持つようになり、データがあらゆる産業に変革をもたらしつつある。服部企画官は、意思決定にデータを生かすなどの、データ活用能力を持つ子供たちを育てることの重要性を指摘。かつては「読み・書き・そろばん」が教育の重要な要素だったが、そこに「データ」が加わってデータ活用が子供たちの教育の重要なポイントになると話した。

文部科学省の服部氏は、政府が進める「AI戦略2019」について説明した

出所:講演資料

 2019年6月に政府がまとめたAI戦略では「人間尊重」「多様性」「持続可能」の3つの理念を掲げ、Society 5.0を実現してSDGsに貢献していくために4つの戦略目標として「人材」「産業競争力」「技術体系」「国際」を設定した。特に重要なのが「人材」で、AI時代に対応した人材を育成したり、海外から受け入れたりできる国になることを持続的に実現する仕組みを構築するとしている。

 デジタル社会の「読み・書き・そろばん」とも言える「数理・データサイエンス・AI」の基礎などの必要な力を全国民が育み、あらゆる社会分野で人材が活躍するために、政府は2025年を目標に大学・高専卒業者50万人が初級レベルの能力を取得できるようにする。さらに、大学・高専卒業生の半分に当たる25万人は、自らの専門分野への応用基礎力を身に付けられるようにする。

政府は2025年を目標に大学・高専卒業者50万人が初級レベルの能力を取得できるようにする目標を掲げている

出所:講演資料

 このために、全国の大学が参加する「数理・データサイエンス教育強化拠点コンソーシアム」を発足。拠点校6大学(北海道大学、東京大学、滋賀大学、大阪大学、京都大学、九州大学)を選定して、全学的な数理・データサイエンス・AI教育を先行実施し、モデルとなるカリキュラムを踏まえた教材開発や教育に利用できるデータの収集・整備などを推進している。コンソーシアムでは、協力校・特定分野協力校30大学が全国の大学への普及・展開、教員養成のためのワークショップなどの取り組みも進めている。

 このほか、全ての大学・高専の正規課程のうち優れた教育プログラムを政府が認定する「数理・データサイエンス・AI教育プログラム認定制度」も策定する。全学で開講するAI授業プログラムを対象に、2021年1月頃に公募を開始して7月ごろに初回の認定・選定を実施する予定だ。

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December 01, 2020 at 09:17AM
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