そこで今回の記事では、改めて確認したい「茹でこぼし」の意味やそのメリット、茹でこぼしが必要な食材とその方法などについてご紹介します。
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■茹でこぼしの意味
・材料の下処理方法のひとつ「茹でこぼし」とは、料理に使う食材の下処理方法のひとつ。材料を鍋に入れて沸騰させて煮立たせたのち、その茹で汁を捨てるという下処理のことを、茹でこぼしといいます。
こぼすという言葉から、鍋から沸騰したお湯が溢れ出すような場面を想像するかもしれませんが、決して鍋からお湯をこぼすということではないんですね。
材料を湯がいた後に、その茹で汁を捨てる様子を、こぼすと表現した言葉なんです。
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・『茹でこぼし』と『吹きこぼす』との違い
茹でこぼしとに似た言葉として、「吹きこぼす」があります。この吹きこぼすは、沸騰した液体が吹き上がってこぼれる、溢れるという意味合いがあります。
やかんでお湯を沸かしたときに、やかんの口からお湯が溢れたり、鍋で煮ていたお味噌汁が鍋から溢れてしまった様子などを表す言葉です。
このように比較してみると、茹でこぼしと吹きこぼしは似ている言葉ではありますが、意味合いは全く異なる言葉なんですね。
■茹でこぼしをするメリット
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・料理の味をさっぱりとさせる
茹でこぼしのメリットのひとつ目は、茹でこぼしをすることで材料に含まれているヌメリやアク、臭みなどを適度に取り除けることです。この処理によって、アクが強い食材であっても、うまく他の食材と合わせやすくなり、料理全体の味が上品でさっぱりとします。
特に煮物によく使われるごぼう・里芋・こんにゃくなどは、茹でこぼしてから調理すると、食材同士の味が主張しすぎることなく、うまく調和して、さっぱりとした煮物をつくることができます。
また茹でこぼしには、おだしなどの調味料の味が食材に染み込みやすくなるというメリットもあります。
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・カリウムの摂取量を調節できる
そのほか、茹でこぼしには食材に入っているカリウムの量を調整できるというメリットもあります。
このカリウムは、私たちの身体に必要な栄養素のひとつ。積極的に減量する必要があるものではありませんが、腎臓に病気がある方のなかには、カリウムの摂取量を調整するようにかかりつけの医者から言われている方もいらっしゃいます。
茹でこぼしをすると、食材から一部のカリウムがお湯へと流れ出るため、料理に含まれるカリウムの量を減らすこともできるんです。
■基本的な茹でこぼしの手順
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それでは、基本的な茹でこぼしの手順についてご紹介します。
・沸騰したら材料を入れる
大きめの鍋を用意し、水をたっぷりと入れて沸騰させます。沸騰させたら材料を加えます。
このタイミングでお塩やお酢などを加える場合もありますよ。
また食材によっては、沸騰前の水に食材をいれててしまい、水と一緒に煮立たせることもあります。一般的には、ごぼうや大根などの根菜類は水から、ほうれん草などの葉物野菜は、沸騰後に鍋に入れます。
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・2~3分茹でザルに材料をあげる
茹で時間は材料によって異なりますが、2~3分程度茹でたら、ザルに材料をあげます。
余分なアクや臭みを取り除き、料理の味をさっぱりとさせてくれる茹でこぼしですが、長期間茹でてしまうと、材料に含まれる栄養素が失われてしまう可能性があります。
とくにほうれん草やにんじんなどの緑黄色野菜の場合には、栄養素が失われやすいのでその茹で時間には気をつけたいですね。
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・ヌメリをしっかり落とすために水洗いする
その後、ヌメリやアクを落とすためにしっかりと水洗いをします。
お肉の油抜きのために茹でこぼしを行う場合には、この手順を全部で3回程度繰り返して、しっかりと油を抜くこともあります。
■茹でこぼしが必要な食材と方法
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ここからは、茹でこぼしが必要とされている主な食材とその方法についてご紹介します。
・ごぼう・たけのこ・ほうれん草のアク取り
アクが強い食材である、ごぼう・たけのこ・ほうれん草はアクを取り除くために茹でこぼしの処理が必要です。ここからは、それぞれの食材について、茹でこぼしの方法をご紹介します。
《ごぼう》
ごぼうは、一度茹でこぼすとその後の料理に使ったときに、調味料の味の染み込みがよりよくなります。また少しお酢を加えると、ごぼうの色が鮮やかになって見た目もよくなりますよ。
- ごぼうを水洗いし、適当な大きさに切ります。
- 鍋にたっぷりの水、ごぼう、小さじ1杯程度のお塩、お酢大さじ1杯を入れて火にかけます。
- 水が沸騰したら、中火で2分程度茹でます。
- ザルにごぼうをあげて、水気をきります。
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《たけのこ》
一本丸々のたけのこを手に入れたら、新鮮なうちにアク抜きをすることをおすすめします。収穫直後から、たけのこの中のアクが増していきますので、なるべく早くにアクを抜いてから保存しましょう。
- たけのこの穂先と根元の部分を切り落とします。
- さらに、縦に深さ2~3cmの切れ目をいれます。
- 鍋にたけのこを入れ、たけのこ全体がかぶるくらいまで水を入れます。
- その後、一握りの米ぬか・赤唐辛子1本を入れて強火にかけます。
- 沸騰したら落とし蓋をし、弱火で40~60分茹でます。
- 火を止めて、鍋が冷めるまでおいたら完成です。
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《ほうれん草》
ほうれん草をはじめ葉野菜には、シュウ酸という成分が含まれており、これがアクとなって独特の苦味が生じてしまいます。とりわけほうれん草には、このシュウ酸が多く含まれているため、茹でこぼしをして取り除く必要があります。
- 鍋にお湯を沸騰させ、小さじ半分程度のお塩を加えます。
- ほうれん草の根元をまず鍋に入れ、10秒程度茹でます。
- その後ほうれん草の全体をお湯に入れて、30秒程度茹でます。
- 茹で汁を捨て、冷水でしっかりと洗い、水気を絞ったら完成です。
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おうちでおしるこを作るときなどに使う小豆。小豆は渋みとアクが強いので、茹でこぼしが必要な食材のひとつです。
- ザルに小豆を入れ、軽く洗います。
- 鍋に小豆を入れ、約3倍の水を加えて、強火で沸騰させます。
- 沸騰したらすぐに火を止め、小豆をザルにあげたら、完成。
・里芋のヌメリ取り
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煮物にするとおいしい里芋ですが、そのヌメリを取るために茹でこぼしが必要な食材のひとつです。
- 鍋に水を入れて、皮を剥いた里芋を加えます。
- 煮立ったら、里芋をザルにあげます。
- ヌメリをとるために水で洗います。
- この手順をさらに2回程度繰り返します。
・こんにゃく・肉類の臭み取り
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こんにゃく・肉類も、味を染み込みやすくするため、またその臭みを取るためにも茹でこぼしが必要です。茹でこぼしによって、すっきりとした味になり、食材と調味料が上品にマッチしておいしくなります。
《こんにゃく》
最近では下茹で不要のこんにゃくも販売されていますが、それ以外のこんにゃくの場合には、茹でこぼしの処理をするようにしましょう。
- こんにゃくを適当な大きさにカットします。
- 鍋に水とこんにゃくを入れ、沸騰させます。
- 鍋のふたをあけたまま、1~2分程度煮立たせます。
- こんにゃくをザルにあげて、水洗いします。
また肉類は臭みをとるためや、余分な脂分を抜くためにも、茹でこぼしをすることがあります。たとえば角煮などに使われる豚バラ肉などを使うときには、よく茹でこぼしの下処理を行います。
- お肉を適当な大きさにカットする
- 鍋にお肉を入れ、水を加えて、強火にかける
- 沸騰したら、ザルにあげてお湯を捨てる
- 2・3をもう2回繰り返す
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・モツの油抜き
モツ煮込みなどの料理に使われるおいしいモツ。臭みを抜く目的と、油分を抜くために茹でこぼしをします。
- モツに塩をふりかけ、塩もみをします。
- 鍋にお湯を沸かし、モツを入れて、10~15分程度茹でます。
- ザルにモツを出し、お湯を捨てます。
- 流水でモツをもみ洗いしたら、完成です。
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煮込みにするとおいしい牛すじも、その独特のクセを取り除くために、茹でこぼしをするといい食材です。
- 鍋に水を入れ、牛すじを加えます。
- 鍋を強火にかけ、沸騰したら3分程度茹でます。
- その後お湯を切り、余分な脂を流水で洗い流します。
- ふたたび牛すじを鍋に戻し、ひたひたのお水と生姜やねぎを入れて、お酒と一緒に1時間程度茹でます。
- でてきたアクをこまめにすくって取り除きます。
- 荒熱をとったら冷蔵庫で冷やして、その上澄みにかたまった脂を取り除きます。
■茹でこぼしでカリウムを調整する
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・カリウムを摂りすぎてはいけない人
カリウムは、筋肉の収縮に関わったり、正常に細胞を保つ働きがあり、私たちの身体に必須の栄養素です。
しかし腎臓に疾患がある方の場合には、カリウムの排出が正常に行われず身体に蓄積してしまうことがあり、摂取量を控える必要があります。
かかりつけの医者などから、カリウムの摂取量を控えるようにアドバイスされている場合には、食材に含まれるカリウムをなるべく少なくする食事を意識する必要があります。
・茹でこぼしでカリウム量を減らす
これまでに紹介してきた、材料の下処理である「茹でこぼし」は、食材中のカリウム量を減らすという効果もあります。
茹でることで、カリウムがお湯の中に流れ出るため、そのまま食べるよりも、カリウムを減らすことができるんです。
■食材を茹でこぼして、おいしい料理を作ろう
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以上、レシピサイトや料理本でときどき見かける料理用語「茹でこぼし」について、ご紹介しました。
ちょっと手間ではありますが、アクや臭みが強い食材やヌメリをとる必要がある材料を料理に使う場合には、茹でこぼしをしておいしい料理を作りたいですね。
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August 30, 2020 at 09:00AM
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茹でこぼしってどんな意味?必要な理由と食材別に方法を徹底解説! - ウーマンエキサイト
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