米航空宇宙局(NASA)は、地球から約240億キロ・メートル離れた宇宙空間を飛行中の無人探査機「ボイジャー1号」から、約半年ぶりに科学観測データを受信することに成功したと発表した。1977年に打ち上げられたボイジャー1号はたびたびトラブルに見舞われてきたが、NASAはできる限り運用を続けたい考えだ。
ボイジャー1号は木星や土星、それらの衛星の観測で成果を出し、2012年には、太陽から半径約180億キロ・メートル内の「太陽圏」を抜けた最初の人工物となった。1号と同じ年に打ち上げられた2号と同様、NASAが運用する中で最も古く、米メディアから「レジェンド探査機」と呼ばれている。
しかし、昨年11月、正常なデータが送られなくなった。コンピューターの部品が故障したとみられ、運用チームは、この部品を使わずにデータを送信できるよう、システムを修正した。
地球と探査機でデータをやりとりするには片道22時間半かかるが、5月中旬、データ送信の命令を送った2日後に、計4種類の観測機器のうち2種類から正しいデータが地球に届いたことを確認した。残る2種類も復旧を試みている。
NASAの担当者は取材に対し、「完全復旧できるはずだ。2027年に運用50周年を迎えられるようにしたい」と話した。(ワシントン支局 冨山優介)
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