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Thursday, February 15, 2024

隠しメッセージや幸運のコインも。火星探査車のことをもっと知ろう - GIZMODO JAPAN

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人類の宇宙探査、個人的には火星がツボです。

Amazon Prime Videoオリジナルの『おやすみ オポチュニティ』 を見て以来、火星を探索しているロボットたちに興味が涌きました。無骨な見た目なのに、なんだかかわいいんです。バディ感あるローバーとヘリの存在も、グッときました。

人類が初めて火星に探査機を送り込んだのは1974年。ソ連が打ち上げたマルス3号でした。本格的な探査が始まり、着陸からサンプル採取まで初めて成功したのは1997年、火星着陸の自走ロボットソジャーナ。火星の地表を走るローバー、火星の周回軌道を飛ぶ観測衛星、そして火星の宇宙を飛ぶロボットヘリ。火星にはいろいろな探査機が送り込まれています。その中から地表を走る探査車、ローバーの雑学を以下にまとめてみました。

秘密のコード

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Image: NASA / JPL-Caltech

NASAのマーズ2020ミッションの一環として、ジェゼロクレーターを調査するため、2021年2月18日に火星に着陸したパーサヴィアランス。装着していたパラシュートには、バイナリコードに暗号化された2つのメッセージが…。

パラシュート内側のメッセージは「DARE MIGHTY THINGS(あえて困難に立ち向かえ!)」。これはNASAジェット推進研究所のモットーです。外側にはジェット推進研究所のGPSコードが書かれていました。当時、暗号解読にネットは大いに盛り上がりしました。

根性で走った?!

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Illustration: NASA/JPL-Caltech

2006年3月13日、探査車スピリットの前輪が故障。原因はモーター断線にあり、エンジニアがこれ以上の移動を断念したそのとき、スピリットは故障した右前輪を引きずりながら、残った5輪で後ろ向きに走り始めました。

さらに、故障した前輪はたぶんスピリットにとってラッキーホイール。

2007年、前輪が白い砂を蹴り上げました。これが濃縮されたシリカの堆積土であることが判明。後に(2011年)、スピリットとオポチュニティの研究主任であるSteve Squyres氏はこう語っています。

「温泉か蒸気の噴出口がスピリットが探査していたエリアにあったということを示しており、微生物生命体にとっては好ましい環境だった可能性があります」

走るスピードはゆっくり

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Photo: NASA / JPL-Caltech / ASU / MSSS

火星地表を走るローバー。探査「車」といいますが、地球の車とは違います。想像しているより、走行スピードはかなりゆっくり。

キュリオシティとパーサヴィアランスのスピードは、NASAいわく時速152m。1秒に4.2cm進む程度。ちなみに人の歩く速度は時速4,828m、1秒で134cm。地球で歩く人のほうがよっぽど速いのです。

探査車は、火星時間で1日100m進むよう設計されています。が、実際の移動は地球の司令部と連絡を取りつつなので、もっとゆっくり。地球と火星間のメッセージの送受信にかかる時間は20分。

幸運のコイン

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Photo: NASA / JPL-Caltech / MSSS

2012年8月火星着陸のキュリオシティ。実は、リンカーン・セント(現在アメリカで使用されている1セント硬貨のこと)が鋳造された最初の年、1909年製造のVDB 1セント硬貨が、キュリオシティには乗っています。

これ、アンティークコインとして価値のあるコインで、幸運のコイン。遊びで搭載されたわけではなく、キュリオシティの顕微鏡カメラMars Hand Lens Imager (MAHLI) のキャリブレーションのためです。

みんなの名前を載せて

パーサヴィアランス打ち上げ前にNASAが主催したあなたの名前を火星に送ろうキャンペーン。世界中から1100万近い応募があり、爪ほどの大きさのチップに電子ビームで名前を入れ、そのチップを小さなプレートに付け、パーサヴィアランスに取り付けてあります。

モールス信号の軌跡

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Photo: NASA / JPL-Caltech

火星上でキュリオシティが行くところには、特別なメッセージが…。キュリオシティのジグザグ車輪跡は、NASAジェット推進研究所(Jet Propulsion Laboratory:JPL)のモールス信号になっていたのです!

火星メモリアル

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Photo: NASA / JPL-Caltech / Cornell University

スピリットオポチュニティは、2001年9月11日、アメリカ同時多発テロ事件のメモリアル的存在でもあります。世界貿易センタービルから回収されたアルミニウムが、ローバーのケーブルシールド用のカフスとして加工され再利用されています。

最後の言葉?

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Photo: NASA / JPL-Caltech

2018年6月10日、オポチュニティの応答が途絶えました。このニュースを受け、サイエンス系レポーターのJacob Margolis氏は、オポチュニティの最後の言葉を「バッテリー残量が少ない。暗くなってきた」と当時のTwitterでジョークとして紹介。が、これが拡散され、中には真に受けてしまった人も。

火星から見た彗星

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Image: NASA / JPL / Cornell / ASU / TAMU.

2014年10月19日、サイディング・スプリング彗星(C/2013 A1)が火星に接近。オポチュニティは、火星からこの彗星を観測し画像に収めました。

実は彗星が火星に衝突する可能性もあったものの、13万9500km離れてセーフ。

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