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Monday, November 27, 2023

【Hothotレビュー】 M3 MaxのMacBook ProをM2/M1 Maxと比較。世代を重ねて性能はどれだけ上がったのか? - PC Watch

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Apple「MacBook Pro(16インチ, Nov 2023)」39万8,800円~109万2,800円

 Appleは「M3」チップファミリーを搭載したプロフェッショナル向けノートブック「MacBook Pro」シリーズを10月30日に発表し、11月7日に発売した。

 M3は、個人向けPC用としては初となる3nmプロセスで製造されたプロセッサ。今回はM3、M3 Pro、M3 Maxの3グレードを搭載したモデルを初めて一度に投入。M3搭載の14インチMacBook Pro、M3 ProまたはM3 Max搭載の14インチ/16インチMacBook Pro、そしてM3搭載のiMacがラインナップされている。

 今回Appleより、M3 Maxを採用し、メモリ、ストレージを最大容量搭載した16インチMacBook Proを借用したので、実機レビューをお届けしよう。

カラーは今回借用した新色のスペースブラックのほかに、おなじみのシルバーも用意

【“モンスタースペック”MacBook Pro 16【M3 Max/メモリ128GB/SSD8TB】の実力を試す。孤高の性能と美しさを確認せよ【実機動作あり】】

個人向けPC用として初めて3nmプロセス製造のM3を採用

 今回の「MacBook Pro(16インチ, Nov 2023)」の進化、変更点は下記の通りだ。

  • 初期OS : macOS Ventura → macOS Sonoma
  • プロセッサ : M2 Pro/M2 Max → M3 Pro/M3 Max
  • メモリ : 16GB/32GB/64GB/96GB → 18GB/36GB/48GB/64GB/96GB/128GB
  • ディスプレイ : SDR輝度500cd/平方m → SDR輝度600cd/平方m
  • 重量 : 約2.15kg(M2 Pro) → 約2.14kg(M3 Pro)
  • カラー : シルバー、スペースグレイ → シルバー、スペースブラック

 上記以外のスペックについては変更なし。ご存じの通り、Apple Siliconは「ユニファイドメモリアーキテクチャ」を採用しており、パッケージ内にメモリも収められている。基板自体になんらかの変更が加えられている可能性はあるが、2021年10月26日発売「MacBook Pro(16インチ, 2021)」、2023年2月3日発売「MacBook Pro(16インチ, 2023)」から、主にSoCを載せ換えることで進化してきたわけだ。

Apple Siliconは「ユニファイドメモリアーキテクチャ」を採用。パッケージ内に高帯域幅を持つ低レイテンシのメモリが収められている

 このほかの細かなスペックについては下記の表を参照してほしい。

【表1】新旧16インチMacBook Proのスペック比較
MacBook Pro(16インチ, Nov 2023) MacBook Pro(16インチ, 2023)
OS macOS Sonoma バージョン14 macOS Ventura バージョン13
プロセッサ M3 Pro(12コアCPU、18コアGPU)
M3 Max(14コアCPU、30コアGPU)
M3 Max(16コアCPU、40コアGPU)
※NeuralEngineはすべて16コア
M2 Pro(12コアCPU、19コアGPU)
M2 Max(12コアCPU、30コアGPU)
M2 Max(12コアCPU、38コアGPU)
※NeuralEngineはすべて16コア
メモリ M3 Pro:18GB/36GB
M3 Max(30コアGPU):36GB/96GB
M3 Max(40コアGPU):48GB/64GB/128GB
※ユニファイドメモリ(LPDDR5)
M2 Pro:16GB/32GB
M2 Max(30コアGPU):32GB/64GB
M2 Max(38コアGPU):32GB/64GB/96GB
※ユニファイドメモリ(LPDDR5)
ストレージ 512GB/1TB/2TB/4TB/8TB SSD
(8TBはM3 Maxのみ)
512GB/1TB/2TB/4TB/8TB SSD
ディスプレイ 16.2型(3,456×2,234ドット、光沢、SDR輝度600cd/平方m、最大120HzのProMotion、ミニLEDバックライト) 16.2型(3,456×2,234ドット、光沢、SDR輝度500cd/平方m、最大120HzのProMotion、ミニLEDバックライト)
通信 Wi-Fi 6E、Bluetooth 5.3
インターフェイス Thunderbolt 4×3、HDMI、SDXCメモリーカードスロット、3.5mmヘッドフォンジャック、MagSafe 3ポート
外部ディスプレイ Pro:最大2台、Max:最大4台
カメラ Webカメラ(1080p)
バッテリ容量 100Wh
バッテリ駆動時間 最大15時間のワイヤレスインターネット
最大22時間のApple TVアプリのムービー再生
本体サイズ 355.7×248.1×16.8mm
重量 M3 Pro:約2.14kg
M3 Max:約2.16kg
M2 Pro:約2.15kg
M2 Max:約2.16kg
セキュリティ Touch ID(指紋認証センサー一体型電源ボタン)
同梱品 140W USB-C電源アダプタ、USB-C - MagSafe 3ケーブル(2m)
カラー シルバー、スペースブラック シルバー、スペースグレイ

 M3チップファミリー最大のトピックは、個人向けPC用としては初めて3nmプロセスで製造されていること。また新世代のGPUが採用されており、リアルタイムにローカルメモリの使用量を割り当てる「Dynamic Caching」、光の反射を正確に計算・描画する「ハードウェアアクセラレーテッドレイトレーシング」、ジオメトリ処理を効率化する「ハードウェアアクセラレーテッドメッシュシェーディング」などの機能が追加されている。次世代GPUに対応したゲームでは、リアルな照明、陰影、反射などが表現可能となるわけだ。

次世代GPUに対応したゲームでは、リアルな照明、陰影、反射などを表現可能となる

 M3 Maxのパフォーマンスの目安は、今回のプレスリリースや製品公式サイトからは読み取りにくい。というのもM3世代がM2世代ではなく、M1世代と比較されているからだ。M3 MaxとM2 Maxの性能差についてはベンチマークで確認してみよう。

【表2】Apple Siliconのスペック(無印)
プロセッサ M3 M2 M1
製造プロセス 3nm 第2世代5nm 5nm
トランジスタ数 250億 200億 160億
高性能CPUコア 4コア 4コア 4コア
高効率CPUコア 4コア 4コア 4コア
GPUコア 8または10コア 8または10コア 7または8コア
最大メモリ 24GB 24GB 16GB
【表3】Apple Siliconのスペック(Pro)
プロセッサ M3 Pro M2 Pro M1 Pro
製造プロセス 3nm 第2世代5nm 5nm
トランジスタ数 370億 400億 337億
高性能CPUコア 6コア 6または8コア 6または8コア
高効率CPUコア 6コア 4コア 2コア
GPUコア 18コア 16または19コア 14または16コア
最大メモリ 36GB 32GB 32GB
【表4】Apple Siliconのスペック(Max)
プロセッサ M3 Max M2 Max M1 Max
製造プロセス 3nm 第2世代5nm 5nm
トランジスタ数 920億 670億 570億
高性能CPUコア 12コア 8コア 8コア
高効率CPUコア 4コア 4コア 2コア
GPUコア 30または40コア 30または38コア 24または32コア
最大メモリ 128GB 96GB 64GB

 なお価格については円安の影響を受けており、「MacBook Pro(16インチ, 2023)」のM2 Max搭載モデルは50万円をぎりぎり切っていたが、「MacBook Pro(16インチ, Nov 2023)」のM3 Max搭載モデルは下位が55万4,800円、上位で64万4,800円となった。またメモリ128GB、ストレージ8TBを搭載した最大容量構成では109万2,800円と大台を大きく超えている。

【表5】MacBook Pro(16インチ, Nov 2023)の標準構成モデルの価格
SoC M3 Pro M3 Max
CPU 12コア 14コア 16コア
GPU 18コア 30コア 40コア
メモリ 18GB 36GB 36GB 48GB
ストレージ 512GB 1TB
価格 39万8,800円 45万4,800円 55万4,800円 64万4,800円
【表6】MacBook Pro(16インチ, 2023)の標準構成モデルの価格
SoC M2 Pro M2 Max
CPU 12コア
GPU 19コア 38コア
メモリ 16GB 32GB
ストレージ 512GB 1TB
価格 34万8,800円 37万6,800円 49万8,800円
本体前面と本体背面
右側面にはSDXCメモリーカードスロット、Thunderbolt 4、HDMI、左側面にはMagSafe 3ポート、Thunderbolt 4×2、3.5mmヘッドフォンジャックを用意

適切な構成を選べば一般ユーザーにとっても魅力的なハイエンドモデル

 今回のM3 Maxを搭載した「MacBook Pro(16インチ, Nov 2023)」はAppleのノートブックの最上位モデル。ベンチマークではM3 MaxがCPU、GPU性能を着実に向上していることを確認できた。また最大搭載メモリ容量が増やされたことも、3D CADを日常的に扱うプロフェッショナルユーザーから歓迎されていることだろう。

 メモリ128GB、ストレージ8TBを搭載した最大容量構成は109万2,800円と大台を大きく超えており、高価であることは確かだ。しかし、最大容量はプロフェッショナルユーザーをターゲットにした構成だ。それが誰でも購入できる場所で売っているにすぎない。

 さすがに最小構成の512GB SSDでは辛いという場合もあろうが、M3 Pro/18GBメモリ/1TB SSDで42万6,800円という構成であれば、ほかのスペックや品質を考えると納得感はある。適切な構成を選べば、一般ユーザーにとっても魅力的な製品になると言えよう。

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