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Monday, November 27, 2023

Apple M3シリーズのCPUコアはM1からどう変わったのか? - GIGAZINE(ギガジン)

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AppleがArmベースで独自開発するSoC「Appleシリコン」は、記事作成時点で3世代目であるM3シリーズまでリリースされており、世代が上がるごとにAppleシリコンの性能も上がっているとAppleはアピールしています。M3はM1と比較して具体的にどれくらい性能が変化しているのかについて、Mac関連の情報を扱うブログ・The Eclectic Light CompanyがCPUコアに注目して検証しています。

What has changed in CPU cores in M3 chips? – The Eclectic Light Company
https://eclecticlight.co/2023/11/22/what-has-changed-in-cpu-cores-in-m3-chips/

AppleシリコンのCPUには、Pコア(高性能コア)とEコア(高効率コア)の2種類が搭載されています。


M1・M2のCPUコアとM3のCPUコアで最も大きな違いはコアクラスタのサイズだとのこと、M1・M2シリーズではCPUコアが2つまたは4つずつでまとめられ、その中でL2キャッシュを共有し、同じ周波数で動作します。しかし、M3ではCPUコアは4つずつ、M3 ProとM3 Maxでは6つずつでクラスタが構成されます。


macOSはより高い優先度で実行されるスレッドを、可能な限りPコアに割り当てようとします。Pコアによる処理は消費電力が高くなるものの、実行中のアプリが最高のパフォーマンスを発揮できるように設計されています。ただし、Pコアでの処理が埋まっているときはEコアで実行することがあります。この場合、スレッドの実行速度は遅くなる可能性があります。

Eコアの最大周波数は、M1だと2064MHzですが、M3チップの場合は2748MHzに達します。しかし、優先度の低いスレッドを処理する場合、M1 ProのEコアの周波数は972MHzに設定されますが、M3 Proの場合は744MHzに設定されます。つまり、バックグラウンドスレッドの実行速度は、M3の方がM1よりもわずかに遅くなるというわけです。

以下のグラフはM1(赤)とM3(黒)のEコアで、The Eclectic Light Companyのベンチマークツール「AsmAttic」を使って処理優先度の低いスレッドを実行した時の時間を計測したもの。縦軸が処理にかかった時間、横軸がスレッド数です。このグラフから、M3の方が処理に時間がかかってしまっていることがわかります。


また、PコアについてもM1とM3で大きな違いがあります。M1のPコアは最大周波数が3228MHzであるのに対し、M3のPコアは最大4056MHzです。整数演算性能と浮動小数点演算性能、ベクトル演算性能でもM3のPコアの方がおよそ30%高く、この結果はAppleの公称値と一致しています。The Eclectic Light CompanyはAppleがM3でPコアの設計を改善したのだろうと推測しています。


以下のグラフは、M1(赤)とM3(黒)でPコアでAsmAtticを使い、浮動小数点演算2億回にかかる時間を計測した結果で、縦軸が累計時間、横軸がスレッド数とを示しています。PコアだとM3の方がM1よりも処理速度が早いことがわかります。


クラスタサイズの変更はMacのパフォーマンスに大きな影響を与えると同時に、電力消費にも影響を与えます。フル稼働した場合、M3 ProのPコアクラスタは約5.5Wを消費するのに対し、M1 ProのPコアクラスタは約5.8Wを消費します。

The Eclectic Light Companyは、「もしあなたがすでにAppleシリコン搭載Macを持っていて、M3搭載モデルにアップグレードするかどうかを迷っているのであれば、今使っているMacで通常作業時に使うアプリを動作し、アクティビティモニターのCPU履歴ウィンドウでその使用状況を見てください。Pコアに十分な空き容量があるのであれば、Pコアの多いM3搭載モデルにアップグレードしても得られる恩恵は少ないでしょう」と述べています。

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