ボイジャー2号は搭載メモリが少ないため、通常はリアルタイムでデータを送信している。もしNASAがデータにアクセスできなくなれば、46年間のミッションは終了することになる。
「ミッションの目的は科学であり、科学を得られなければミッションを継続することはできない」とジェット推進研究所の担当者は話している。
今後数週間のうちに、NASAはオーストラリアのキャンベラにあるディープ・スペース・ネットワーク(Deep Space Network)のアンテナを使って正しいコマンドをボイジャー2号周辺の宇宙空間に送信する予定だ。
このネットワークは、探査機からの信号を受信することができ、「探査機の健康状態は良好」であることをNASAに知らせてきたと、NASAのSun&Spaceは2023年7月31日にツイートしている。
探査機が地球からの信号を受信し、通常通り運用を再開することを期待しているとオーストラリアのABCニュース(ABC News)は報じている。
キャンベラ深宇宙通信施設(Canberra Deep Space Communication Complex)のグレン・ネーグル(Glen Nagle)は、「これは一筋縄ではいかない」とABCに語った。
もしうまくいかなかった場合、NASAは探査機が自動的にアンテナの方向を調整するよう設定されている2023年10月15日に交信が回復することを目指している。NASAによると、その間にボイジャー2号は所定の経路をたどるはずだという。
1977年頃に描かれた、NASAのボイジャー1号と2号が木星と土星を探査する軌道のイラスト。
Space Frontiers/Archive Photos/Getty Images
ボイジャー2号は、NASAの最も長期にわたるミッションであり、ほぼ半世紀にわたって宇宙を旅してきた。その過程で太陽系惑星のとても象徴的な写真も撮影している。
打ち上げから4年以内に力尽きてしまうと予想されていたが、ボイジャー1号と2号はその寿命をはるかに超えている。
南カリフォルニアにあるNASAジェット推進研究所(Jet Propulsion Laboratory)のボイジャープロジェクトサイエンティスト、リンダ・スピルカー(Linda Spilker)は、「ボイジャーが太陽から遠く離れるほど、送られてくる科学データは価値が高まる」と2023年4月のプレスリリースで述べている。
「我々はできるだけ長く、できるだけ多くの科学機器を作動させ続けたいと考えている」
科学者たちはボイジャー2号の寿命を延ばすため、機器の電源を戦略的に切るという賢い方法を発見したものの、探査機の科学的使命は終わりに近づいている。
しかし、最後の機器の電源が切れた後も、探査機の長期ミッションは続く。ボイジャーには、地球の生命体や文化の存在を伝える音や画像情報などが含まれたゴールデンレコード(Golden Record)が搭載されている。もし地球外知的生命体が存在するならば、地球外生物がその情報を使い、人類に接触できると科学者たちは話している。
探査機ボイジャー2号には最後の手段としての安全装置も備わっていて、地球との交信が一定時間途絶えると地球を探し始める。「その装置も2023年12月に時間切れになる」とジェット推進研究所の担当者は話している。
NASAは、ボイジャー2号との交信が回復したと発表した。8月4日に再び交信ができるようになり、ボイジャー2号が現在も正常な軌道を飛行していることが確認できたという。
からの記事と詳細 ( ほぼ半世紀宇宙を旅してきたボイジャー2号との交信が一時途絶える - Business Insider Japan )
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