国立天文台など世界の65機関による国際研究チームは27日、ブラックホールを取り巻く「降着円盤」と呼ばれるガスを撮影できたと、科学誌ネイチャーに発表した。複数の電波望遠鏡による観測データを精密に統合する「VLBI」という手法で、地球から月面にある野球ボールを見分けられる「視力150万」の解像度で撮影したという。
ブラックホールは、光も脱出できないほど強い重力をもつ天体。周囲には、吸い込まれていくガスが渦を巻いた降着円盤があると考えられているが、撮影された例はなかった。
チームは2018年4月、おとめ座の方向に約5500万光年離れた銀河「M87」の中心部にある巨大ブラックホール(直径約400億キロ・メートル)を、欧米など16か所の電波望遠鏡で同時に観測。データを統合して解析した結果、直径約1500億キロ・メートルの輝くリングが浮かび上がり、降着円盤と結論づけた。
ブラックホール付近からガスが外側へ噴き出していく「ジェット」も写っているという。
岡朋治・慶応大教授(電波天文学)の話 「リングとジェットを同時に捉え、データの質の高さがうかがえる。ただ、このリングが降着円盤の形そのものかどうかは、異論が出るかもしれない。円盤の回転運動の検出などをさらに期待したい」
からの記事と詳細 ( 「視力150万」の解像度で…ブラックホールを取り巻く「降着円盤」の撮影成功 - 読売新聞オンライン )
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