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Thursday, March 24, 2022

「もったいない」子どものモノを断捨離するコツ ルールを胸に刻む - 朝日新聞デジタル

 散らかりやすく、増えやすい「子どものモノ」。時には断捨離も必要です。でも、漫然と取り組もうとして挫折した経験はありませんか? 挫折しないコツを、臨床心理士の中島美鈴さんがご紹介します。

 前回は、子どものモノの配置について、出しやすく、戻しやすい仕組み作りの重要性をご紹介してきました。しかし、「その置き場を作れるほど家が広くない!」という切実なお悩みもあるかと思います。

 今回は、子どものモノの断捨離がテーマです。

作業の前に「ルール」を確認する

 まず、整理整頓にはルールが必要です。

 何を当然のこと言ってるんだと思われそうですが、ADHDなどの発達障害の傾向のある方にはぜひともお勧めしたいのです。というのも、「ルール=捨てる基準」を明確に設定して作業をスタートさせなければ、結局

 「あー、やっぱりこれも捨てられない。もう少し捨てずに様子見ようか」

 と作業する割に結果が出ないのです。

 結果が出ないと、

 「あーあ、面白くない。やっても一緒じゃん」

 と中断して、別のもっと面白いことをやり始めてしまうのです。

 そしてその後も整理整頓への苦手意識を増幅させてしまうのです。

 こうならないために、明確な捨てる、捨てないのマイルールを胸に刻むのです。

 そんなルール決めをする暇があるなら、さっさと作業を開始したくなるのがADHDタイプの方の特徴ですが、こうした計画立ての時間を持つことが、無駄のない効率のよい作業をする道標になるのです。

困ったらママ友に相談してみる

 さて、今回のイラストを見てください。

 いつになく細部まで描き込んでみました。

 子どものモノってこうして見ると、たくさんありますね。

 このイラストのうち、ピンクで囲んだものがリョウさんが取っておくと決めたモノです。

 リョウさんは、これまで子どものモノを捨てられずに困っていましたが、さすがに部屋に入りきれなくなって、ママ友に捨てる基準を相談しました。こういうのは世代や地域などにも関係するので、身近な同じ立場の人に聞いてみるのが1番なのです。リョウさんの母に相談したらきっとなんでも取っておきなさいというに違いないのです。

 そうするとママ友たちの一致した見解は、教科書は1番にとっておく。また、子どもの時ならではの絵や習字はできれば取っておく、スペースがなければ写真に残す、いっそ額に入れて部屋に飾るなどのアイデアが出ました。また、年賀状や手紙の類はあまりスペースを取るモノではないのでそのまま残すことにしました。

 リョウさんはどうしても「これは高価だったし」「これはいただきものだし」という理由でとっておくモノが多かったのですが、ママ友のこの一言で決心がつきました。

 「また必要になった時に買えるモノをとっておく必要はない」

 リョウさんは、ママ友と比べて、自分はたくさんの「もったいない」を抱えていることに気づきました。たくさんの物を抱えて幸せなのではなく、高価なものを自分よりも大事にしていつのまにかそのモノのためにくつろぐスペースを譲って、自分はいつもイライラしながらくつろげず、探しものに追われながら自己犠牲の生活を送っていたのです。

 この世で一番大切な自分が、どうして数千円から数万円ほどのたかだかモノの犠牲にならないといけないのでしょう。

 こんなふうに、自分が納得する捨てる基準や、思い出として省スペースでとっておく方法さえ最初に定めてしまえば、あとはスピーディーに断捨離できそうです。

 私たちは「いつも目にしているもの」は背景になりやすく、慣れてしまいます。「いつもしている行動」は当然のこととして、合理的でなくても疑問すら持ちません。

 ため込んだモノに対しても、ストレスを感じながらも、そこにあることに慣れてしまい、もったいないからとっておく行動を続けてしまうのです。友達とわざわざ「私、もったいないからちょっとくすんだガラスの花瓶が捨てられないの」「いただきものの高価なお皿で、でも趣味の合わないものの処理に困っているのよね」なんて話はなかなかしませんよね。

 それをあえてするんです。

 そうして、捨てる基準を明確にしていくのです。

 きっと複数人ですることで、後押しがもらえます。だいたい他人の保管しているものは、自分の捨てられないものに比べると、どうでもいいガラクタに見えますから、友達は容赦なく「捨てていい」と言ってくれるでしょう。

 「(なーんとなくルールを決めずに漠然と)さあ!断捨離だ!」と意気込むよりは、はるかに効果が得られます。

 お試し下さい。

     ◇

 『マンガでわかる 精神論はもういいので怒らなくても子育てがラクになる「しくみ」教えてください』(中島、主婦の友社)でも育児について書いています。https://www.amazon.co.jp/dp/4074507668/別ウインドウで開きます(中島美鈴)

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