星野典久
岸田文雄首相は19日、首相官邸で朝日新聞などとのグループインタビューに応じ、新たな借金に頼らずに政策経費をまかなえるようにする「基礎的財政収支(プライマリーバランス=PB)の黒字化」を2025年度に達成する目標について、「必要な検証を行っていく」と述べた。検証の結果次第で、目標の達成時期を先送りする可能性もある。
この日、政府は事業規模で78・9兆円、財政支出が55・7兆円と過去最大規模となる経済対策を決定。おもな財源として「国の借金」である赤字国債が想定されていることから、インタビューでは財政規律に関する質問が相次いだ。
首相は「本年度内にコロナの経済財政への影響の検証を行い、目標年度を再確認すると、21年の骨太の方針のなかに明記されている」と指摘。そのうえで「方針に従って再確認を行っていく」と話した。財政規律については「経済の再生を行い、そして財政についても考えていく。これが順番だ」とも述べた。
また、首相は憲法改正についても言及した。安倍晋三政権下で自民党がまとめた「自衛隊明記」「緊急事態条項創設」「参院選の合区解消」「教育無償化」の「改憲4項目」について、「一部が国会の議論の中で進むならば、4項目同時にこだわるものではない」と述べ、実現可能性なども踏まえ議論を進めていく考えを示した。
安倍政権で起きた森友・加計学園や「桜を見る会」などの問題に対する首相の姿勢も重ねて問われた。
安倍氏の地元有権者が多数招かれていた桜を見る会について、招待者の基準である「功績・功労」の有無が政府側で事実上、チェックされていなかった可能性を記者が指摘。選定過程を調査する考えがあるか質問した。首相は「その制度自体がいま、運用されていない。未来に向けてどうあるべきか、政治の立場から説明を行っていくことは大事ではないか」などと、消極的な姿勢を示した。(星野典久)
からの記事と詳細 ( 首相、財政再建の目標の見直しも 「必要な検証行う」 - 朝日新聞デジタル )
https://ift.tt/3CxXHdK
No comments:
Post a Comment