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3日に確認された新型コロナ新規感染者は、東京で3709人、大阪で1079人でした。感染拡大が止まらないなか、政府は入院に関する方針を転換し、重症者や重症化リスクの高い人以外は原則、自宅療養とするとしました。 感染症が専門の大阪大学医学部・忽那賢志教授に話を聞きます。 (Q.政府の方針転換をどう見ていますか?) 忽那賢志教授:「正直驚きましたが、それだけ関東を中心に医療がひっ迫した状況を迎えているということ。特に関東の場合は軽症・中等症の入院例が非常に増えているため、本当に医療が必要な人に提供するために選んだ判断だと思います。酸素投与が必要な方は基本的には入院のようですが、在宅での酸素投与もあり得るということで、通常、在宅での酸素投与は安定した患者にするものなので、コロナで安定していない人に在宅で酸素投与するのは、本当に非常事態だという印象を持ちました」 発症から1週間程度はかぜのような軽い症状が続き、約8割はそのまま治っていきますが、2割弱は悪化するといわれています。 (Q.悪化するかどうかの分かれ目はどこにありますか?) 忽那賢志教授:「ポイントは、発症してから1週間前後です。重症化する事例では、発症から約1週間で肺炎の症状が強くなってくることが分かっています。さらに、10日目以降には、そこから重症化して人工呼吸器が必要になる人もいます。7~10日目が、特に慎重に経過を見ていくべきタイミングということになります」 (Q.入院させるべきかどうかの判断は、専門医でなくてもできますか?) 忽那賢志教授:「確実な判断は容易ではないと思いますが、ある程度は客観的な指標として、年齢や基礎疾患の有無、酸素飽和度、発症からの日数など判断材料があるので、専門医でなくても入院の必要性を判断することは可能ではないかと思います」 (Q.自宅療養中の体調の変化は、どうやってキャッチしていくべきですか?) 忽那賢志教授:「この辺りが非常に難しいです。重症化リスクがないような若い基礎疾患がない人でも重症化することがあるというのが、この病気の怖いところです。毎日の経過観察・健康チェックが必要ですが、保健所の人が毎日やるのは、感染者が増えると限界があります。すでに病院でコロナの診療をしている医師が確認するのも大変なので、例えば医師会の先生、在宅の先生、訪問看護師などにカバーしてもらうなど、それぞれの得意分野で分業して、手伝って頂くことが必要な状況だと思います」 (Q.適切なタイミングで入院ができない場合、治療にどんな影響が出ますか?) 忽那賢志教授:「入院していれば、中等症Iの時点でレムデシビルという抗ウイルス薬を使うことができますが、それが投与できなくなる可能性があります。さらに、中等症IIになると、例えばデキサメタゾンというステロイドを使うことで、重症化を防ぐことができると言われていますが、その治療が遅れてしまうと、本来救える命が救えなくなってしまう可能性が出てくると思います。そのためには、入院が必要な人を早く見つけて、ちゃんと入院できる体制を確保することが大事だと思います。今後、感染者が爆発的に増えてしまうと、自宅療養中に重症化する人がたくさん出て、発見も遅れて、入院先も見つからないということも起き得ます。体制を整えることも必要ですが、根本的には、感染者そのものをしっかり押さえていかないと解決しないと思います」
からの記事と詳細 ( 中等症も“自宅療養”現場に影響は?忽那医師に聞く(テレビ朝日系(ANN)) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース )
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