労働時間に罰則付きの上限規制が設けられる3年後に向け、現在、運送業界では長時間労働の削減に取り組んでいる。しかし、労働時間の改善には荷主の協力も必要で、運送事業者の自助努力だけではどうにもならないケースが少なくない。そのため、現場では、時間削減に四苦八苦する運送事業者の姿が散見される。
東京都内で食品輸送を手掛ける運送事業者は、「現状で労働時間を守ることは不可能」と吐露する。同社では、工場から倉庫、倉庫から店舗への納品業務を手掛けているが、倉庫での荷待ちが避けられず、それが長時間拘束に繋がってしまっているのだという。
ただ、「荷待ち時間は長くなるが、荷積みや荷下ろしなど、実際の労働時間は長くはない。ドライバーもそれを理解しているから文句もなく、これまでトラブルも一切ない。職場も幹部と社員が冗談を言い合えるアットホームな雰囲気」だという。
「お互いに理解し、納得しながら仕事をしているので問題はないし、これまで重大事故は皆無で、軽微な事故もほとんどない」という。
それだけに同社長は時間規制が入ることによって、そのアットホームな環境にひずみができることを懸念する。
「これまで社会に迷惑もかけず、何の問題もなくやってきたのに、わざわざ問題を持ち込まれているようでいい迷惑」だと本音を漏らす。
「事故につながるような過酷な労働環境なら規制も理解できるが、事故も起こさず、社会に迷惑もかけずに日々業務に取り組んでいるところに、波風を立てるような規制は、果たして本当に必要なのだろうか」と拭えない疑問を呈している。
からの記事と詳細 ( 労働時間規制に拭えぬ疑問 「本当に必要なのか」|物流ニュース|物流ウィークリー - 物流ウィークリー )
https://ift.tt/3htkG1k
No comments:
Post a Comment