世界650万人、日本では35万人から寄付金の支援を受ける
――国境なき医師団が人道援助活動を目的に活動されていることは広く知られています。これまでの歴史的背景を教えてください。 村田慎二郎さん(以下、村田):国境なき医師団は1971年にフランスで設立された非営利団体です。設立したメンバーは医者とジャーナリストで、医療がその活動の第一の目的ですが、現地の危機を国際社会に発信する証言活動をもう一つの大事な柱にしています。 1967年にナイジェリアで起こった「ビアフラ戦争」の時に、のちに国境なき医師団を設立することになる医師たちは、現地の危機的状況を国際社会に伝えることができないことに憤りを覚えます。医師らは政治的中立を保つには目の前で人道に反する暴力が人びとに行われていても沈黙する必要があるという状況に強い疑問を抱き、ジャーナリストらと組んで医療に加えて証言活動を軸にした団体を立ち上げ、現在までその原則を貫いています。 ――活動資金は寄付収入によるものだと聞きます。 村田:はい、私達の一番の特徴は、活動資金の95%以上を民間からの寄付金でまかなっているという点です。そのほとんどが一般個人の方からの寄付で、昨年1年間で世界で650万人、日本でも35万人の方々に支援をしていただいています。善意に基づいた寄付金により活動していることで、資金面で政治やその他の権力から独立することができているのです。 私達は約70か国で活動していますが、半分くらいは紛争地域または政情不安定な場所です。そういう場所で本当に必要な人たちに医療・人道援助をするには、どうしても政治から独立した運営の仕組みが必要ですし、医療倫理の名の下で中立であることが必要です。みなさまが寄付してくださっているお金は、単にこれで薬が買えるというだけではなくて、私達の「独立・中立・公平」という原則を実現する活動の根本を支えるものです。
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