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Thursday, September 10, 2020

少子高齢社会に消費税が必要なシンプルな理由(島澤諭) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース

菅官房長官が、昨日のTV番組で、将来的な消費増税の必要性について、言及されました。

菅氏 消費税「将来は引き上げ必要」(テレ東NEWS(9/11(金) 5:05配信))

もっとも、本日の記者会見では、安倍政権の消費税に対する姿勢を継承し、消費増税は今後10年は不要と微妙に軌道修正されたようです。

消費増税、10年は不要 菅氏「安倍首相と同じ考え」(JIJI.com(2020年09月11日12時19分))

消費税に対する嫌悪感・ヘイトが日本中に渦巻くなか、なぜ敢えて政府や一部の政治家の先生方は、消費税の必要性やあまつさえ増税に言及されるのでしょうか?「消費税は減税します!なくします!」と言えば、万雷の拍手喝さいの中、支持率も急上昇するかもしれませんのに。

ここでは、簡単な仮想的な数値例を用いて、働く人が減る社会の基幹税には消費税が適している理由を解説したいと思います。

いま、ある国で、行政サービスを維持するのに1000必要だとします。この国の総人口は100で、内訳は、勤労世代80、引退世代20です。引退世代は一切働かないものとします。

このとき、行政サービスを維持するのに必要な財源の調達手段が、所得税だけの場合を考えてみましょう。

引退世代は働かないと仮定していますから、1000÷80=12.5で、勤労世代は一人当たり12.5の負担の一方、引退世代負担は0です。

次に、この国では、少子化、高齢化が進行し、勤労世代40、引退世代60になったとします。

従来通り、所得税だけで行政サービスを維持するならば、勤労世代の負担は25(=1000÷40)に倍増してしまいますが、引退世代は相変わらず0のままです。さすがにこれでは不公平ですし、勤労世代の不満が高まってしまうでしょう。

このように、働く人が減る社会にあっては、所得税を基幹税(税制における中心的な税)に据えたままであれば、行政サービスをスリム化して歳出レベルを下げない限り、勤労世代の負担が増していく一方なのです。しかし、少子、高齢社会では、社会保障の需要が増しますから、他の支出を削ってもトータルで見た歳出レベルが増えてしまうことも十分予想されます。

そこで、所得税のように一部の国民にのみ負担を課すのではなく、全国民が一様に負担する消費税を導入した場合を考えてみます。

消費は、基本的には全国民が行いますから、全国民が負担者です。したがって、国民一人当たり1000÷100=10の負担ですみます。

所得税の場合と比較すると、勤労世代の負担は25から10に▼15軽減され、引退世代の負担は0から10へ+10増加することになります。勤労世代の負担増加は、いっそうの少子化を加速することになるのですから、所得税のままですと、勤労世代のさらなる負担増不可避で、それがまた少子化を加速するでしょう。これでは、国の存続が難しくなってしまいます。

そこで、少子化、高齢化が進行する社会では、税収が社会保障に充てられよと一般行政サービスに充てられようと、一定レベルの行政サービスを維持するには、消費税への転換が合理的となるのです。

これこそが、政府が消費税を少子化、高齢化時代にふさわしい税制と呼ぶ理由です。

もちろん、先に見た通り、勤労世代の負担は減りますが、引退世代の負担は増えます。このとき、当然、政治的な摩擦が発生するでしょう(いわゆるシルバーデモクラシーの議論)。

もう一つ、消費税の問題として強調しておかなければならないのは、逆進性の問題です。先ほどの簡単な数値例では、みな同じ所得すなわち同じ消費水準だと仮定していましたが、実際にはそんなことはありません。たくさん消費できるお金持ちもいれば、そうでない人もいます。

つまり、消費税は、累進税率を適用できる所得税と違って、年齢を問わず、所得の高低を問わず、一律の税率が適用されますから、年齢にかかわらず所得の低い方の負担は収入比で見て過重になってしまうのです。

ですから、消費税の必要性を強調するのなら、同じ口で、別途、低所得層への配慮についても言及することが必要不可欠となるのです。もっとも、逆進性への対策として、もっぱら高所得層にしか恩恵が及ばない軽減税率が導入されてしまったのは、ナンセンスでしかありませんし、こうした政策ミスへの反感もあって消費税増税への反対が根強いのかもしれません(個人的には、消費税は社会保障の目的税というのもそろそろ止めた方がよいと思いますが)。

要するに、「働く人が減る社会の基幹税としては消費税が適している」わけで、低所得世帯への配慮が適切になされれば、所得税を基幹税とするよりも、勤労世代の負担が軽減されるのですから、(基幹税が所得税の時よりも)負担が増える引退世代が反対するのであればよく理解できるのですが、負担が軽減されるはずの勤労世代までもが、口をそろえて消費税反対!を叫ぶのが、とても悩ましいところであり、一体何と戦っているんだ感がいや増します。

さらに、別の視点としては、ここでは、資産については省略しましたが、資産(ストック)があって所得(フロー)が少ない場合、所得税はほとんど負担しなくても済みますが、消費税はきっちり負担してもらえることにもなります。資産の集積度合いの違いが格差社会を生んでいることを考えると、ストック化社会において、消費税が所得税よりも優れている点と言えるでしょう。

もしかすると、消費税への反対が全国民的に根強いのは、行政サービスは受けたいけど、そのコストは、自分以外の誰かが負担しろ!って思ってるからでしょうか?

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