著:Zlatan Krizan (アイオワ州立大学、Professor of Psychology)
新型コロナウイルスのパンデミックにより、世界中の日常が崩れている。病院は飽和状態、学校は長期休業で荒涼とし、街はゴーストタウンのよう。この孤立感は往年のホラー映画を思い起こさせるが、あくまで現実だ。
企業は何千人もの従業員を解雇し、サービス業界も崩壊寸前で、社会主義の概念が突如として一般市民の耳に「それほど悪くない」響きになっている。南カリフォルニア大学が実施した最新の世論調査では、市民の約40%が「パンデミックに不安を感じる」と回答しており、半数以上が「他者との接触を控えている」と答えた。
私は心理学者で、専門は「睡眠が人の活動に果たす役割」の解明だ。主に睡眠と覚醒が日常の社会生活に与える影響について研究している。その私が思うに、今の我々、特に在宅している人ができることが一つある。それは、眠ることだ。
◆新型コロナウイルスの夜明けに、眠る
「眠り」とは世界から切り離される可逆的な「解放状態」で、人が生きる上で最も重要な「保護」と「回復」の要因の一つ。クリアな思考を保ち、どんなときも元気でいるために、睡眠は不可欠だ。さらに、新型コロナウイルスのような感染症の予防や回復の鍵となる免疫機能を維持するにも、眠りは欠かせない。睡眠不足になると人はウイルス感染症にかかりやすくなり、風邪や、それ以上に深刻な病からの回復力が弱まってしまう。今回のように命を狙って忍び寄るウイルスとの闘いにとっては、より重要だ。
残念ながら、我々は今まさに社会的な不確実性と不安に見舞われている。最も睡眠が必要な時期であり、同時に健康的な睡眠が最も乱される時期でもある。未来や愛する者の健康に対する不安が過覚醒や思考スパイラルを招き、穏やかな夜が脅かされ、睡眠にも影響が及んでしまう。これは、不眠症を悪化させることでも知られる反応だ。通常の社会リズムと自然光から隔離されれば体内時計はさらに混乱し、疲れの感じ方や元気になるタイミングが狂ってしまう。
新型コロナ危機に直面しているアメリカ人のほとんどが、休息を不足している状態だ。我々は過去数年間、数十万人のアメリカ人に関するCDCデータを使用して研究を行ってきたが、スマートフォン時代の到来により、睡眠の時間と質の双方が大きく低下したことがわかった。私のチームが先日実施した分析がその好例で、この5年間で睡眠障害を訴えるアメリカ人は数百万人単位で増えている。
今回、心理的な被害はそこまで見られていないが、感染率が低下し始めたころに最大化するだろう。パンデミックがピーク越えし、身体への物理的ダメージが減り始めた時に初めて、今回のパンデミックが我々の健康に与えた影響の全容が明らかになる。今の時点で心理的不満や自殺、薬物使用障害の不可避的な増加を予測し、緩和しなければならない。2008年から翌年にかけて大不況が起きた後、アメリカとヨーロッパの双方で、心身ともに問題を抱える人が数百万人にも増大したことを思い出してほしい。
ならば、我々はどのようにして睡眠を守っていけばよいのか?このような時期だが、実は脅威と課題だけでなく、チャンスも潜んでいるのだ。人口の大多数が目覚まし時計を使うこともなく、数日間在宅するなど、一体いつ以来だろうか。
今この時、我々ができる「最も身近な人とつながる」以外のことといえば、生物学的なリズムに合わせて眠り、生活を整えることだ。ヒバリは早く眠り、フクロウは居眠りできる。家族一緒に食事をし、ルーティンを再構築し、体内時計の声に従うことができる(時間生物学者はこれを「日周期」と呼ぶ)。これまでの歴史のなかで、人は自分自身の意思ではなく、仕事がそれを許し、かつ体も眠ろうとするタイミングで睡眠をとることがほとんどだった。今こそ「定期的にスイッチを切る」という人間の基本的なニーズを受け入れる絶好のチャンスかもしれない。
This article was originally published on The Conversation. Read the original article.
Translated by isshi via Conyac
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April 22, 2020 at 07:11AM
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新型コロナウイルス 「社会的距離」は本来必要な睡眠を取り戻すチャンスかもしれない - NewSphere
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