「Information Technology Infrastructure Library」(ITIL)は、組織がITサービスをどう管理すべきかを掲載した、実用的なベストプラクティスを集めた書籍群だ。ITILはITサービス管理のフレームワークとして利用できる。組織がITILを効率的に実行に移すためには、会社の後押しと導入計画、ITIL資格取得のための資金を必要とする。
組織のビジネス戦略や、従業員と顧客のニーズにより適したITサービスの運用が、ITILの導入で可能になる。ITILに記載されたベストプラクティスは、実在する民間企業や公共機関から引き出したもので、ITサービスと運用に関する共通の用語集にもなっている。
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ITILの発行元
ITILは、当初英国と同国の人材企業Capitaが発行していたが、現在は両社のジョイントベンチャーAXELOSが発行と管理をしている。ITILはITサービスマネジメントの国際認定規格「ISO/IEC TR 20000-11:2015」の認定基準としても利用されている。
AXELOSはITILをバージョン3からバージョン4へと移行させている。バージョン3は、中核となる
- Service Strategy(サービス戦略)
- Service Strategy(サービス設計)
- Service Transition(サービス移行)
- Service Operation(サービス運用)
- Continual Service Improvement(継続的なサービス改善)
の5巻で構成される。
これらの書籍群は、ITサービスのライフサイクルを網羅しており、インシデント対処や運用、財務、変更管理といったトピックに関する一貫したベストプラクティス集を提供する。
2019年、AXELOSはバージョン4の初巻となる「ITIL Foundation」を公開し、それに続くガイド集を2020年に順次発行する。ITILバージョン4は、製品とサービス提供のためのIT運用モデルを提供すると同時に、もっと幅広いビジネス戦略にも役立てられる内容になっている。バージョン4はそれまでのITIL書籍群の内容を拡充し、ITサービスの価値を高めることに重点を置く。これはさまざまな部門が連携して、ITサービスとサポート体制を提供する助けになる。
ITILがもたらす効果
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