不動産投資で中古物件を購入した場合、いずれかのタイミングでリフォームをすることになるでしょう。リフォームを検討するときに手持ち資金がない場合は、リフォーム専用のローンを利用することになります。本記事では不動産会社で資産コンサルタントとして活躍する髙木弘美氏に、リフォームローンの基本から選び方について解説いただきます。
リフォームローンは「無担保型」と「担保型」の2種類
リフォームローンは、その名前の通りリフォーム工事の際に利用できるローンのことです。リフォームローンは多くの金融機関で取り扱われており種類としては「無担保型」と「担保型」があります。一般的なのは無担保型です。審査が早く万が一返済ができなくなった場合でも担保を失うことがないのがメリットといえるでしょう。一方で借入金額の上限が低めかつ金利が高いうえに返済期間が短いというデメリットもあります。
逆に担保型のリフォームローンは、借入金額の上限が高めかつ金利は低く返済期間が長い点がメリットです。しかしローンが返済できない場合は最終的に担保を差し押さえられて売却されてしまう可能性があります。さらに担保型は無担保型よりも多くの手続きが必要で審査も厳しい傾向です。
いずれのリフォームローンも利用の際は、住宅ローンと同じように仮審査→本審査→契約の順に進めていきます。投資物件の購入時に利用する不動産投資ローンと同じようなイメージを持たれているかもしれませんが、両者はまったく異なる商品ですので注意が必要です。
不動産投資ローンは物件の収益性と不動産評価が主に審査され、物件を担保に購入費用のための融資が受けられます。それに対してリフォームローンはリフォームが目的であり契約者の収入状況などの属性が主に審査されるのが特徴です。
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リフォームローンの金利目安
リフォームローンの金利は、金融機関やローンの種類(無担保型か担保型か)によって異なります。リフォームローンは変動金利タイプが一般的ですので、返済期間中に金利が変わる可能性があるので注意が必要です。なお2020年3月時点の主な金融機関のリフォームローン金利は以下のようになっています。
・三菱UFJ銀行(ネットDEリフォームローン):年1.99~2.875%
・みずほ銀行(みずほ銀行リフォームローン):年3.975~4.85%
・イオン銀行(リフォームローン):年2.45%(固定のみ)
リフォームローンを比較する際のポイント5つ
リフォームローンを利用する前に複数の金融機関のリフォームローンを比較検討する人は多いのではないでしょうか。比較する際は以下の5つのポイントに注目しましょう。これらを比べることで、より自分に合った好条件のリフォームローンを見つけられるようになります。
1. 金利
最初に確認したいのは金利です。同じ金額を借り入れする場合、金利が少しでも低いリフォームローンを選べば総返済金額が少なくなるため返済負担も少なくなります。仮に、借入金額500万円で返済期間10年の場合、年利2.5%と3.0%で総返済金額を比較すると以下の通りです。
・固定金利2.5%:毎月返済額4万7,134円、総返済額565万8,080円
・固定金利3.0%:毎月返済額4万8,280円、総返済額579万5,600円
金利が0.5%違うだけで毎月の返済額は約1,000円、返済総額は約14万円も変わります。そのためリフォームローンを検討する人にとっては、0.1%でも金利が低いほうが負担は少なくなります。
2. 借入金額と返済期間
金融機関でリフォームローンの借入金額や返済期間の上限は異なります。限度が500万円のローンもあれば、1,500万円まで借りられるローンなどさまざまです。リフォームに必要な費用は物件の状況によって異なりますが、必要な資金が調達できる金融機関を選びましょう。また自分の収入状況から逆算して無理のない返済期間を設定できるローンを選ぶことが大切です。
3. 保証料などの費用
リフォームローンに限ったことではありませんが金融機関でローンを組む場合は、保証料などの諸費用がかかる場合があります。具体的には、保証料や印紙税、登記費用、事務手数料などです。これらの費用は金融機関や借入金額で異なります。リフォームローンを検討している人は、念のため費用についても比較しておくと安心です。
4. 審査基準
リフォームローンは他のローンと同様に融資にあたって審査が行われます。この審査基準はおおむね住宅ローンと同じですが金融機関によっては独自の審査基準を設けているケースもあるため、事前に金融機関へ確認するようにしましょう。なお上述の通り無担保型のリフォームローンは、担保型よりも審査が比較的通りやすい傾向です。
5. 団体信用生命保険
住宅ローンや不動産投資ローンと同様にリフォームローンでも、団体信用生命保険に申し込みできる商品があります。団体信用生命保険とは、ローン契約者が死亡したり高度障害状態になったりした場合に保険金でローン残債が返済されるものです。万が一の際、家族に負担を与えないためにも現在契約している生命保険などと照らし合わせたうえで加入するかを検討しましょう。なお保険料は金利に上乗せされていたり、別途支払う必要があったりするなど金融機関によっても異なります。
以上のとおり、リフォームローンは金融機関によって種類や金利、審査基準などが異なりますので事前の確認が重要になってきます。自分で直接金融機関に問い合わせをしたり、信頼のおける不動産会社に相談してみるのも良いでしょう。自分に合ったローンが必ず見つかるはずです。
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