デベロッパーのGraverobber Foundationは4月30日、『Dragon Ruins』をリリースした。対応プラットフォームはPC(Steam)で、定価は税込580円。日本語表示に対応している。本作は好評を集めており、7月6日には3000本の売上を達成したという。そしてその多くが日本からの購入となっているようで、開発者は驚きを隠せないようだ。
『Dragon Ruins』はダンジョンを探索するRPGだ。舞台は古龍が存在するファンタジー世界。ゲーム内に登場する架空の国家イシグェーアの首都、ファセレイで古代遺跡が発見される。イシグェーアの女王は古龍を討伐するために4人の冒険者を集め、ダンジョン探索を命じる。プレイヤーはこの冒険者たちを操作し、ダンジョンの深くまで潜っていくこととなる。
ゲームプレイとしては、「疲れた人用(for tired people)」と銘打たれており、オートバトルで繰り広げられる戦闘が特徴。そのためプレイヤーは、ダンジョン内で敵と出会った際には留まることで戦うか逃げるかを選び、戦闘判断をおこなう。そうして経験値やお金を稼いで帰り、レベルアップや装備の更新をおこなっていくのだ。
開発を手がけたGraverobber Foundationはウクライナに拠点を置くスタジオだ。本作はもともとゲーム制作イベント「Dungeon Crawler Jam 2024」向けに制作された作品で、itch.ioにて配布されていた。それがSteam向けに、追加要素が実装されつつ、4月30日にリリースされたかたち。具体的には冒険者について4つのクラスが追加。町にテレポートできる魔法陣なども追加された。ほかにもバグ修正や安定性の向上も図られている。
そんな本作はSteamでのリリース後さっそく好評を博しているようだ。Steamユーザーレビューでは、本稿執筆時点で89件中95%が好評とする「非常に好評」ステータス。「疲れた人用」の手ごろなプレイが評価されている。とはいえダンジョンクローラーとしての要点が抑えられており、シンプルながらも十分に楽しめるクオリティも好評を博している。
一定の評価を獲得した本作は、順調に売上を伸ばしたようだ。本作の制作者であるRomanus Surt氏によれば、7月6日時点で3000本を売り上げたとのこと。そしてそのうちの約35%にあたる、1134本は日本からの購入となっており、ユーザーの比率としては1位だ。アメリカ、ブラジルが続いているものの、2位のアメリカとの差は200本ほどあり、特に日本のユーザーから人気を博しているようだ。この結果にはRomanus Surt氏もX上で驚きを表明している。
日本で人気になった理由としては、まず日本語対応していることが大きいだろう。本作は5月21日のアップデートにて日本語表示に対応。翻訳は『龍が如く8』『ペルソナ5 ザ・ロイヤル』などで英語向けのローカライズを担当したIzumi Thorn氏が手がけている。同氏による高品質な翻訳により、日本ユーザーでも気兼ねなく購入できるようになった、ということも考えられる。
また日本語表示に対応したことにより、国内ゲームメディアに取り上げられたというのもありそうだ。Graverobber Foundation はSteam上では2018年からダンジョンクローラーを中心に数々の作品をリリースしてきたものの、これまで日本国内での露出は少ない方であるといえるだろう。
本作は国内ゲームメディアGame*Sparkや電ファミニコゲーマーにて日本語への対応が取り上げられていた。そのことで注目が集まり、日本ユーザーの購入に繋がったのかもしれない。加えて定価税込580円というリーズナブルさも、購入のハードルの低さに一役買っていそうだ。現在本作は現在定価の20%オフとなる税込464円で購入可能なセールもおこなわれているため、気になる人はこれを機に購入してみるのもいいだろう。
『Dragon Ruins』については、今年中にはPlayStation版も発売される予定。コンソールでも登場することにより、さらに日本ユーザーが増えることもあるかもしれない。ちなみに将来的には続編の可能性もあるとのことで、こちらも気になるところだ。
『Dragon Ruins』はPC(Steam)向けに販売中。なお現在セール中であり、7月12日午前2時まで、定価580円のところを20%オフの464円で購入が可能だ(いずれも税込)。
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