18年間Googleで働いた元社員のベン・サスマン氏が、Googleの社内事業に対する優先順位の付け方、限られた資源をどのようにやりくりするかといった体制が次第に変わっていったことを憂い、自身のブログで思いの丈をぶつけました。
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サスマン氏によると、2005年に入社した当初のGoogleには社員を何よりも大切にする文化があり、少なくとも入社後10年間はこの文化が続いていたとのこと。
サスマン氏は「例えば、一般的な会社ではプロジェクトへの優先順位が変わると別のプロジェクトを縮小または中止し、そのお金で別のもっと重要なプロジェクトに人を加えることがあります。一般的には最初のプロジェクトから人を解雇し、2番目のプロジェクトで新しい人を大量に再雇用することでこれが行われます」と指摘。一方でGoogleではこのような傾向は見られず、各従業員を新しいプロジェクトに取り組ませるために多大な労力が費やされていたそうです。
その代わり、採用プロセスが他社よりも厳しいものだったとのこと。多くの職務で活躍できる優秀な人材を見つけるためにGoogleは数カ月に及ぶ面接を実施し、その努力に見合うだけの価値があると確信した人のみを雇用していたそうです。そのため、優先順位が変わっても人材が解雇されることはなく、才能を新しい方法で活用し続けることが試みられていたようです。
ところが、新型コロナウイルス感染症によるパンデミックの間に事態は急変しました。かつては無限ともいえる豊かさを活用した文化だったものが、普通の会社と変わらない「限られた資源の文化」を活用する段階へ移行したのです。
サスマン氏は「限られた資源の文化」について、「経営幹部が他の企業と同じように財務効率を考え始めるということ」だと説明しています。例えば、豪華な社食を減らしたり、出張予算を制限したり、社内のパーティーやイベントを減らしたり、社内の託児所をなくしたりといったことが上げられ、これらはかつてGoogleで当たり前のように存在した福利厚生の一部でした。
とはいえ、こうした福利厚生を目当てに勤務する社員は多くなく、これらがなくなったとて大した影響はありません。本当に問題だったのは、採用や昇進のプロセスが変わったことでした。
サスマン氏いわく、採用プロセスは手間暇をかけるプロセスから簡易的なものに変更され、昇進プロセスは自分自身との競争から同僚との競争へと変化していったそうです。さらにAIプロジェクトなどの優先事項が現れた際に大規模な組織の再編成が行われ、Googleでも従業員のレイオフが実施されました。Googleが、普通の会社と変わらない体制に移行しつつあったのです。
サスマン氏は「Googleは悪なのでしょうか?もちろんそうではありません。Googleのリーダーたちは、財政的責任を果たし、効率的であろうとしているだけなのです。しかし、Googleでの最初の10年間を思い起こすと、従業員が何よりも大切にされている文化であることが当たり前であり、今と比べて信じられない思いがします。おそらくこれは無限に豊かな文化でのみ可能な特権なのでしょう」と指摘。
さらに「ここで重要なのは、初期のGoogleの例から学ぶべきだということです。従業員が真に評価されていると感じるとき、心理的安全性、高い士気、生産性、創造性が生まれます。初期の従業員たちはイノベーションを起こす手段として「早く失敗する」ことをよく奨励し合っていたが、失敗すればレイオフを意味するような環境では、もはやそれは容易ではありません。もしあなたが会社を作っているのなら、何よりも従業員を大切にすることに挑戦してください」と述べました。
この投稿に対し、ソーシャルサイトのHacker Newsでは「従業員が1000人以下の時代では優秀な人材も確保できたでしょうが、13万人にまで成長して毎年2万5000人も雇っている現状では、文化は悪化しないまでも変化する運命にあったのは妥当ではないでしょうか?」といったコメントや、「無謀な成長をやめれば利益が安定するのでは?」というコメントに対する「Googleは今は成長期であり、実際に生産的なことをしていることを投資家に示すために、企業文化を変える必要があるのです」といったコメントなどが寄せられていました。
からの記事と詳細 ( Googleで18年間勤務した元社員が「Googleの文化は変わってしまった」と嘆く長文を投稿して話題に - ライブドアニュース - livedoor )
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