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Monday, January 1, 2024

今年の主役は「月」。2024年の宇宙開発系イベントまとめ - GIZMODO JAPAN

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今年要注目の宇宙イベントを先取り!

2023年はNASAやESAのみならず、インドや中国など各国が宇宙開発のさまざまな分野で躍進した1年でした。

この先の12カ月も火星の衛星へのミッション、民間企業による月着陸船の数々、金星と木星への探査機、再利用型の重量物打ち上げロケットのテストなど、宇宙分野のイベントが目白押しです。

今年2024年に計画されている宇宙開発で起きることをチェックしましょう。

2024年の主役は月

今年は各国政府と民間企業による前例のない数の月へのミッションが計画されています。大トリを務めるNASAの有人月周回ミッション「アルテミス2」の前にも、心待ちにするような無人のミッションがたくさん控えていますよ。

Intuitive Machines社からは3つの月面着陸ミッション

Intuitive Machines(インテュイティブ・マシーンズ)社の1回目のミッション(IM-1)は現時点では2024年2月以降に打ち上げが予定されていて、月着陸機「Nova-C」を月の南極地方に近いマラパート・A・クレーターに着陸させます。

注目すべきは、このミッションが商用のペイロード(積載物)に加えてNASAのペイロード一式も輸送する民間が開発した月着陸機であるという点。NASAのペイロードを搭載しているのは、商業月面輸送サービス(CLPS)の一環だからです。

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Intuitive Machines社のIM-1の月着陸機のイラスト
Image: Intuitive Machines

月着陸機Nova-Cは「イーグルカム」(降下中に月着陸機から分離して、Nova-Cが地表に達する瞬間を捉える装置)といった他の顧客からのペイロードと共に、NASAが委託した5つの観測機器を運びます。同着陸機は地球時間にしておよそ14日間稼働する予定。この期間中に十分な量の調査とデータ収集を行なえるはず。

米国の企業であるIntuitive Machines社は今年3つの月ミッションを打ち上げる予定で、いずれもSpaceX(スペースX)社の「ファルコン9」ロケットで宇宙へと送り出されます。

2つ目のミッション「IM-2」は、2024年中頃に打ち上げられるもしれません。同ミッションの目的は月着陸機Nova-Cを月の南極地方にあるシャクルトン・クレーター近くに降り立たせ、現地調達における資源活用技術を実証し、TRIDENTと呼ばれる月面レゴリスと氷の掘削ドリルを使って揮発性物質を測ること。

他にも質量分析計やNokia(ノキア)の4Gインターネット実験のための装置、暗号通貨ウォレットの秘密鍵が刻まれた月面ローバーを届けます。また、月周回軌道から水を検出・マッピング・研究するNASAの周回機「Lunar trailblazer」も相乗りで打ち上げられるとか。

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月面ローバー「Vertex」のイラスト
Image: Johns Hopkins APL/Lunar Outpost/Ben Smith

Intuitive Machines社の3つ目のミッション「IM-3」は、2024年中頃に打ち上げ予定。月のライナー・ガンマ地域に月面ローバー「Lunar Vertex」を含むNASAのペイロード4つと複数の二次ペイロードを届け、科学調査を実施して未来の月探査に向けて先端技術を実証することになっています。

Astrobotic社のペレグリン月着陸機

Peregrine Mission 1(TO2-AB)もありますから、今年の早い段階で2機の民間月着陸機が月面に到着することになるかもしれません。同ミッションは現時点では1月8日に、月着陸機「ペレグリン」をユナイテッド・ローンチ・アライアンス(ULA)の「ヴァルカン・セントール」ロケットに搭載して打ち上げ予定。32日後に、Sinus Viscositatis(粘りの入江)への月面着陸に挑みます。

ペレグリンはNASAのCLPSプログラムを通して選ばれた、米国の企業Astrobotic(アストロボティック)社の月着陸機です。同探査機のペイロードには正確な距離の測定のためのレーザー・レトロリフレクター・アレイと、レゴリスの組成分析のための中性子スペクトロメータ・システムなどが含まれます。

JAXAのSLIM

2024年初旬に打ち上げを控えたミッションを紹介してきましたが、新年ひと月目から月面へタッチダウンを果たすミッションもあります。

宇宙航空研究開発機構(JAXA)による日本の探査機「SLIM(小型月着陸実証機)」は日本時間の1月20日、初めての月面軟着陸で歴史的な偉業を成し遂げる予定。X線分光撮像衛星(XRISM)と共に日本時間の2023年9月7日に打ち上げられたSLIMは、月探査において前例のない功績である目的地の100m以内のピンポイント着陸を行なうよう設計されています。成功すれば、日本は史上5番目に月面着陸を成功させた国家となるでしょう。

高度な着陸技術を披露する同ミッションは、さらに野心的なミッションへの道を切り開くことを意図したもの。横幅が約 2.7mのSLIMは、現地での写真撮影と通信のための2機の小型プローブも運んでいます。

Astrobotic社のグリフィン月着陸機

Astrobotic社は月着陸機ペレグリンに加えて、Griffin Mission 1という年内2度目の月へのミッションも計画しています。11月にSpaceXの「ファルコンヘビー」ロケットで打ち上げ予定の同ミッションはCLPS の一環として、NASAの月探査車「VIPER」を同社の月着陸機「グリフィン」に積んで月の南極域に降り立たせます。

VIPERはゴルフカートほどの大きさで、100日ほどかけてノビレ・クレーター近くの領域を探査し、氷状の水と他の揮発物質のためにドリルと質量分析計を用いてレゴリスを分析します。

このミッションの目的は、月の水の分布と将来の探査のために潜在的な資源の活用について理解すること。太陽光パネルとXバンド通信を搭載したVIPERは、16kmから24kmの距離を移動して過酷な月環境のためのテクノロジーの実証も行ないます。

中国の嫦娥6号ミッション

2024年5月に打ち上げの可能性がある中国の「嫦娥6号」ミッションの狙いは、史上初めて月の裏側からのサンプルを集めて歴史をつくること。南極エイトケン盆地にあるアポロ・クレーターを目指す同ミッションは地上との交信には中継通信衛星を用い、着陸・サンプル採取のための掘削といった複雑なオペレーションを実行します。

そのうえラドンのガス放出を調べるフランスの観測機器「DORN」、月面の陰イオンを検出するスウェーデンの「NILS」、そしてパキスタンのキューブサット「ICUBE-Q」といった国際的なペイロードも運ぶ模様。「長征5号」ロケットに積まれて打ち上げられるこの野心的なミッションは、中国初の月サンプルリターンミッション「嫦娥5号」の成功に続くものです。

Firefly Aerospaceのブルー・ゴースト月着陸船

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月着陸船「ブルー・ゴースト」のレンダリング
Image: Firefly Aerospace

テキサス州に本社を構えるFirefly Aerospace(ファイアフライ・エアロスペース)社のBlue Ghost Mission 1は、2024年後半に打ち上げ予定。CLPS構想の一環としてNASAのペイロード10個を含むさまざまなペイロードを届けます。

同社の月着陸船「ブルーゴースト」はファルコン9で打ち上げられ、月のレゴリスと月独自の地球物理学的な特性を調べるため、Mare Crisium(危難の海)に着陸します。

このミッションの目的は、レゴリスのサンプル採取や月の粉じんの軽減といった実証で月の研究を前進させ、未来の有人ミッションを後押しすること。集まったデータで月への理解が深まり、宇宙天気が地球に及ぼす影響についての知見を与えるでしょう。

NASAのアルテミス2ミッション

月に向かうのは探査機だけではありません。待ち望まれたアルテミス2ミッションは早ければ11月に実施される可能性があります。NASAのメガロケット「スペース・ローンチ・システム(SLS)」を初めて打ち上げ、無人の宇宙船「オリオン」を月周回の旅へと送った2022年のアルテミス1号に続くミッションです。

アルテミス2号にはNASAのレイド・ワイズマン、ビクター・グローバー、クリスティーナ・コック、そしてCSA(カナダ宇宙庁)のジェレミー・ハンセンの4名の宇宙飛行士が搭乗します。

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アルテミス2号の宇宙飛行士たち。左から右の順で、NASAのレイド・ワイズマン、ビクター・グローバー、クリスティーナ・コック、そしてCSAのジェレミー・ハンセン
Photo: NASA

このミッションで人類はアポロ時代以来、初めて月環境を旅することとなり、有人月面着陸を目指すアルテミス3号の準備を整えます。アルテミス2号を予定どおりに発射させるには、SLSロケットを完全に組み立て点検を済ませなくてはなりません。そのうえNASAは、アルテミス1ミッションの最後、大気圏再突入中にオリオンのヒートシールドが予想よりも剝離してしまった原因を調べているところ。

ispace社のHakuto-Rミッション2

2024年冬に予定されているHAKUTO-Rミッション2はispace社の月面着陸への再挑戦となっていて、2023年4月に軟着陸を試みるも月面に衝突したため失敗に終わったミッション1からの教訓に基づいて構築されています。

今回のミッションの主要目標は月の過酷な環境に耐えられるよう作り出されたマイクロローバー(小型月面探査車)を展開すること。このローバーはHDカメラを搭載しており、月のレゴリスを採取してアルテミス計画の一環としてNASAに譲渡します。

ミッション2はミッション1の着陸失敗を回避すべくソフトウェアの改良や着陸シミュレーション範囲の拡大、センサーのフィールド試験の追加実施が反映されています。科学機器や「GOI宇宙世紀憲章プレート」など5個のペイロードを輸送予定。日本で開発と組み立てが進められていて、ファルコン9での打ち上げを計画しています。

新型ロケットや宇宙船が続々と空へ!

人類を軌道そして以遠へと連れて行ってくれる乗り物が、ますます進歩し多様になってきています。今年は初フライトや初打ち上げを見る機会に恵まれそうです。

Sierra Space社の宇宙往還機「ドリームチェイサー」

コロラド州に本社を構えるSierra Space(シエラ・スペース)社が開発しているスペースシャトルのような見た目の宇宙往還機「ドリームチェイサー」が、2024年にようやく飛行するかもしれません。有翼リフティングボディ設計が特徴の同機はロケットに搭載されて打ち上げられますが、着陸するのは従来の滑走路になります。

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大気圏再突入中のドリームチェイサーのイラスト
Image: Sierra Space

ドリームチェイサーは主に国際宇宙ステーション(ISS)に貨物を輸送するために使われますが、人工衛星の配備や科学調査など他のミッションへのポテンシャルもあります。

NASAでの最終試験を待っている状態ですが、万事順調にいけば、ドリームチェイサーは4月にULA社のヴァルカン・セントールロケットの2度目のフライトでISSへの無人ミッションへと打ち上げられるはず。

Boeing社のCST-Starliner

年単位で遅れていますが、Boeing(ボーイング)社のカプセル型宇宙船「CST-100 スターライナー」も、実際にクルーを乗せてのフライトが4月に計画されています。

NASAのボーイング有人飛行試験(CFT)の狙いは、宇宙飛行士のバリー・ウィルモア氏とスニータ・ウィリアムズ氏を乗せたスターライナー宇宙船をISSへと送ることによって同船をテストすること。スターライナーの運用能力を実証し、将来の有人軌道ミッションへの適合性を確かめることを目的としたフライトです。

このミッションはULA社の「アトラスV」ロケットでフロリダ州にあるケープカナベラル宇宙軍施設から離昇し、ISSにはおよそ8日間ドッキングされる予定。

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先日実施されたリハーサル時にエンジンを点火したアリアン6

アリアン6の初打ち上げ

ヨーロッパの次世代型ロケット「アリアン6」の初めての打ち上げが6月15日から7月31日の間に予定されています。先日実施された打ち上げリハーサルはうまくいきましたが、初飛行の前にはいくつかの試験が待っています。

アリアン5の引退を受けて、今やアリアン6の2つの派生型はヨーロッパの宇宙開発への野望の要となっており、宇宙への独立したアクセスを維持するには欠かせない存在です。

Blue Origin社のニューグレンロケット

Amazon創業者で億万長者のジェフ・ベゾス氏が設立したBlue Origin(ブルーオリジン)社は、まだロケットを地球軌道へと送り出せていません(同社の宇宙ツーリズム用ロケット「ニューシェパード」は弾道飛行用)。しかし、それも2024年には変わりそう。というのも、同社の「ニューグレン」ロケットは早ければ8月に飛ぶかもしれないからです。

同ロケットがBlue Origin社にとって重要な理由は、主に事業内容を大幅に広げるという点にあります。ニューグレンは大型ペイロードを軌道へ送ることができる大重量物打ち上げロケットですから、Blue Origin社が競争の激しい宇宙打ち上げサービス市場に参入し、SpaceXのようなビッグネームと対決できるようになるのです。

インドのガガンヤーンとヴィクラム-1

インドの有人宇宙飛行能力の開拓を目指す「ガガンヤーン」ミッションは、2024年にいくつかのマイルストーンを達成する予定です。

インド宇宙研究機関(ISRO)が運用する同ミッションの年内に少なくとも2つあるうちの1回目は、脱出シミュレーション手順に焦点を合わせたテスト飛行となります。この後の2度目のテスト飛行は、高高度でのシステム類を検証するため女性型ヒューマノイドロボットの「Vyommitra(ヴィヨミトラ)」を配備します。

これらのテストが同ミッションのクライマックス、2024年末か2025年に実施されるかもしれないインド初の有人宇宙飛行への道を開くはず。

インドの宇宙産業も、ハイデラバードに拠点を持つ宇宙スタートアップのSkyroot Aerospace(スカイルート・エアロスペース)社が開発した「ヴィクラム-1」ロケットの初フライトで大きなマイルストーンを達成する予定です。

同ロケットは炭素繊維の構造と3Dプリント製の液体エンジンで知られていて、このミッションはインドの民間宇宙探査の急速な発展をさらに示すもの。ヴィクラム-1は地球低軌道に約300kgのペイロードを輸送できる能力を備えた多段式ロケットで、業界内でのSkyroot社の役割を高め、ISROのロケット「SSLV」に真っ向から挑む立場にあります。

深宇宙探査も楽しみの多い1年に

2024年も太陽系内の惑星や衛星への科学ミッションの数々がその後長年にわたって発見をもたらすような画像とデータを集め、人々のの好奇心をかき立てることになりそうです。

火星へのEscaPADEミッション

今年、ニューグレンが打ち上がる時には、火星の磁気圏を研究するミッションに従事する双子の探査機を輸送する予定です。

このミッションは「EscaPADE」という名称で、NASAの「惑星探査のための小さな革新的ミッション(SIMPLEx)」プログラムの一つでもあります。軌道上の探査は、火星の大気散逸の説明に役立つかもしれません。

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打ち上げられたニューグレンのイラスト
Image: Blue Origin

木星氷衛星探査計画(JUICE)ミッション

欧州宇宙機関(ESA)が主導する「木星氷衛星探査計画(JUICE)」ミッションは、2024年8月に初の地球‐月フライバイを実施予定。

これは重力アシストの効果を最大化するには不可欠なシーケンスで、JUICEがミッションのための正しい軌道、速度、方向に到達できるようになります。

水星のベピ・コロンボ

ESAの「ベピ・コロンボ」は9月5日に水星を詳しく調べるミッションにおいて重要なマヌーバである、4回目の水星フライバイを実施します。このフライバイによって探査機は軌道の調整と有益なデータの収集が可能になり、謎の多い灼熱の惑星への理解に貢献します。

日本の火星衛星探査計画(MMX)ミッション

JAXA率いる「火星衛星探査計画(MMX)」ミッションは、2024年9月に探査機の打ち上げを計画しています。

主要目標は火星最大の衛星フォボスから初のサンプルを採取し地球に帰還すること。MMXミッションは火星衛星のフォボスとダイモスの起源が捕獲された小惑星なのか、火星での巨大衝突にあるのかを解明しようするため、極めて重要です。この知見で、火星圏と太陽系の惑星形成への理解が深まるかもしれません。

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エウロパ・クリッパー
Image: NASA

NASAのエウロパ・クリッパーミッション

10月にファルコンヘビーロケットでの打ち上げが予定されているNASAの探査機「エウロパ・クリッパー」は、木星の衛星エウロパの潜在的な生命の兆候を調べます。

エウロパが興味深いのは、氷地殻の下に生命に適した内部海を持つと考えられているからです。同探査機は激しい放射線に耐えられるよう作られていて、2030年に木星周回軌道に入ります。この進路によって探査機はエウロパの近くを繰り返し通って、生命を支えている可能性をもつ同衛星の詳細なデータを集められるのです。

二重小惑星探査計画「Hera」

小惑星ディディモスとその衛星ディモルフォスを再訪するESAの「Hera」ミッションも、10月に打ち上げられる予定。これはNASAの「二重小惑星進路変更実験(DART)」の継続的なフェーズとなっており、キネティック・インパクターと呼ばれる探査機をぶつけることによる小惑星の軌道変更の実行可能性を評価することが目的です。

Heraは2022年9月26日にディモルフォスに体当たりしたDARTの影響を査定するため、2026年12月に二重小惑星に到着して現地で調査を実施します。

Rocket Lab社のビーナス・ライフ・ファインダー・ミッション

「ビーナス・ライフ・ファインダー・ミッション」はRocket Lab(ロケット・ラボ)社とMITの共同研究で、2024年12月以降に打ち上げられる、金星への草分け的な民間ミッションです。

このミッションは金星の大気中の有機分子と生命の兆候を観測するため、科学機器をたった1つだけ搭載した小型プローブを送ります。Rocket Lab社の「エレクトロン」ロケットに積載された同プローブは、月の重力アシストを使って2025年に金星に到着し、同惑星の居住可能性のある雲の層を降下していきます。

地球低軌道での宇宙イベント

2024年の活動の大半は、地表との距離が近い地球低軌道で行なわれます。

Axiom Space Mission 3 (Ax-3)

2024年1月以降に打ち上げ予定のAxiom Mission 3 (Ax-3)は、その名のとおりAxiom Space(アクシオム・スペース)社が運用するミッション。今回のミッションもまた同社と民間企業の宇宙飛行全般において重要なステップを示します。

フロリダ州にあるNASAのケネディ宇宙センターからSpaceX社のクルードラゴン宇宙船をファルコン9ロケットで打ち上げ、全員が欧州出身のクルーをISSへと運ぶとのこと。マイケル・ロペス=アレグリア船長やパイロットのウォルター・ヴィラデイ氏を含むクルーは、先進的な微重力の研究を行なうことに焦点を合わせた14日間のミッションに従事します。

Axiom社は10月にAxiom Mission 4(Ax-4)で、再び2週間ISSに戻る予定。これらのミッションは、民間の宇宙企業と政府の宇宙機関との間で増えつつある協力関係を示し、国際的な宇宙探査の分野で起きているダイナミックな変化を説明するものです。

SpaceX社の衛星「スターリンク」と「スターシップ」ロケット

SpaceX社を必要とする前述のプロジェクトに加えて、イーロン・マスク氏率いる同社はインターネット衛星「スターリンク」の地球低軌道への配備を今年いっぱい続けます。二段式の超大型ロケット「スターシップ」の開発も続けるので、2024年はいくつかの実証ミッションも期待できるでしょう。万事が順調にいけば、今後数カ月でスターシップの2段目は軌道に到達して、再突入に挑むことになるかもしれません。

Amazonの衛星「プロジェクト・カイパー」

SpaceX社の衛星「スターリンク」に似た衛星インターネット構想であるAmazon(アマゾン)社の「プロジェクト・カイパー」は、今年本格的に打ち上げられるようです。同社は2024年上半期に開始予定の衛星の大規模生産に向けた準備中で、2024年後半に顧客向けのベータテスト版を始めるのに十分な衛星を配備する計画。

何とも盛りだくさんですが、これはあくまで一部。記事で挙げた以外にも小規模なミッションが数多く計画されています。今年も宇宙開発のニュースを逐次お届けしていきます。

Source:, NASA Space Science Data Coordinated Archive(1, 2, 3, 4, 5, 6, 7, 8,), NASA (1, 2), Embry‑Riddle Aeronautical University, Johns Hopkins University Applied Physics Laboratory, NASA Science(1, 2, 3, ), JAXA(1, 2, 3,), The Planetary Society(1, 2, 3,), fireflyspace, ispace(1, 2, ), Parabolic Arc, Sierra Space, SpaceNews, Space Explored(1, 2, ), ISRO, Hindustan Times, WIONews, Times of India, SPACE.com, NASA JPL, NASA Europa Clipper, Amazon,

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