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Monday, June 6, 2022

旧MacからM1版MacBook Proに買い換えたらどれくらい快適になるのか?写真のプロが使い比べてみた - PC Watch

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 私はパソコン創世記からPC系雑誌の撮影を担当し、カメラマンの中では早くからデジタル化に対応してきた。最初に買った仕事向けのノートPCはVAIO-505で、他社よりもデザインが良かったということもあり、気に入って4台続けて買い替えてきた。

 そのうちデジタル一眼レフカメラがノートPCと直接つながるようになり、撮影した写真がすぐさまPCに転送され、PCの大きな画面上で確認できるようになった。撮った写真をその場でクライアントにチェックしてもらったり、簡単な画像補正を行なうなど、現場での重要性が高まったわけだ。

 ただ、広告企画などでメーカーが立ち会う場合に、競合先の製品を使っていると、相手にあまり良い印象を与えない。そのため、当時としてはカメラマンを含めたクリエイター=Macという風潮が強くあったことから、いつしか当たり障りのないMacを使うようになっていた。

 今回のM1 Max搭載MacBook Proに乗り換えるまでは、2016年の12月に購入した13インチのCore i7搭載MacBook Proを使っていた。とは言え、5年選手ともなると非力さが目立ち、現場での画像処理が多くなったときの効率の悪さや、動画編集で使うAdobe Premiere Proの重たさがストレスになっていた。加えて昨年あたりから、カメラとWi-Fiでつながらなくなったりとトラブルが起きがちだったので、速い速いと話題になっていたM1版MacBook Proの購入へと至ったわけだ。

 ここでは、写真撮影という仕事において、M1版MacBook Proが如何に大きな変化をもたらしているかを見せていきたい。

旧MacBook Proとディスプレイの画質を比較してみる

 Macのディスプレイは昔から綺麗だと言われており、多くの映像関係者が使っている。ただ、過去にさまざまなディスプレイの画質を評価する仕事をしていた時に、その階調性や輝度ムラなどを検証してみると、見た目は綺麗ではあるものの、正直トップレベルとは言えない品質だった。

 実際に、これまで使ってきたIntel版MacBook Proの画面上では、絶対の自信を持って画質調整はできなかったので、最終的な調整はEIZOのColorEdgeで行なっていた。

 しかし、今回購入したM1版MacBook Proをチェックしてみると、なかなか暗部や明部の階調性が良くなっていることが分かった。

 以下がその結果で、左がIntel版MacBook Pro、右がM1版MacBook Proの画面を撮影したものだ。なお、Intel版MacBook Proは使用年数が長いこともあり、購入時からのベストパフォーマンスが出ていないであろうことに注意されたい。

 写真を通してみると分かりづらいが、実際並べて直視するとM1版MacBook Proの暗部はRGBで(10.10.10)まで階調が分かるがIntel版MacBook Proは(20,20,20)がなんとか分かる程度だ。明部はどちらも最後まで階調が残っている。色のグラデーションも途中からの落ち込みがIntel版MacBook Proの方が大きいようだ。

階調性やグラデーションの比較。左がIntel版MacBook Pro、右がM1版MacBook Pro

 次に、グレーRGBで(150,150,150)を表示させてカメラはデイライト(5650K)設定で撮影した。見ての通り、M1版MacBook Pro(右)はややY寄りだが均等なグレーだ。それに比べてIntel版MacBook Pro(左)はBが強くCにも振れている。並べてみるとあまりにも色が違いすぎる。

グレーRGBで(150,150,150)での比較。左がIntel版MacBook Pro、右がM1版MacBook Pro

 上記の写真の明るさを揃えてグレースケールに変更。それをトーンカーブで極端なコントラストにしてみた。これによりわずかなムラも大きく見えるようになるのだ。その結果は見ての通りIntel版MacBook Proのムラは酷い物だ。それに比べて極端なコントラストにもM1版MacBook Proのムラはわずかな高性能ディスプレイであることが分かる。

輝度ムラの比較。左がIntel版MacBook Pro、右がM1版MacBook Pro

 M1版MacBook Proの画質はMacのホームページに書いてある「Liquid Retina XDR。ノートブック史上最高のディスプレイ」というだけあって階調性から彩度そしてムラも少なく予想以上の結果だった。輝度調整で中間ぐらいのほどよい明るさを中心に明るさを前後させても暗部や明部の階調性は保たれている。

 自宅やスタジオのPCでの画像調整はハードウェアキャリブレーションのできるEIZO「ColorEdge CS2740」なので、Photoshopでのレタッチなどは問題ないが、Premiere Proでの作業や、いろいろな作業効率を考えると、M1版MacBook Proの効果はてきめんだ。

M1版MacBook Proはカメラマンの欠かせないツールに

 M1版MacBook Proは14.2インチで、13インチのIntel版MacBook Proよりもやや重く大きくなり、携帯性は少し損なわれているが、そんなの関係ない! カメラマンにとってはストレスなく仕事ができるスピードの方が圧倒的に優先度が高いからだ。

 これからコロナ禍という状況がさらに落ち着きを見せ、日本や世界を気軽に飛び回れる日常が戻ってくることを考えれば、現地から最高の状態に整えた写真データを即座に送ることができるM1版MacBook Proは、現状で最良の選択肢と言えるだろう。今回最新のM1版MacBook Proを購入し、もはやカメラマンにとってM1版MacBook Proは、カメラの次に予算をかけるべき欠かせないツールであると確信した。

著者プロフィール

若林直樹(STUDIO海童)
雑誌、広告等の仕事の傍ら、ライフワークとして自然や癒される空間を求めて国内外を旅している。撮影対象はICチップからアフリカ象まで幅広い。デジタルカメラは1995年からコンパクトからプロ機までテストレビューに携わる。自宅ではフェレットをこよなく愛し、現在2匹と暮らしている。いつかフェレットの写真集を出そうと企み中

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