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Friday, June 3, 2022

河北春秋(6/2):たやすく想像することができない知らせに引… - 河北新報オンライン

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 たやすく想像することができない知らせに引き込まれた。巨大ブラックホール「いて座Aスター」の輪郭の撮影に、国立天文台など日本を含む国際チームが成功した。それは地球が属する天の川銀河の中心に位置する。地球からの距離は約2万7000光年。1光年は約9兆4600億キロに換算され、乗じるとまさに天文学的な数字が並ぶ▼ブラックホールであることを間接的に証明する成果は、2020年のノーベル物理学賞に選ばれている。今回は画像として直接的に捉えることに初めて成功し、その存在を裏付けた▼ブラックホールは重力が極めて強く、光さえも吸い込んでしまう完全に漆黒の天体だ。国立天文台によると、画像は太陽の400万倍の質量を持つブラックホールがつくり出した強力な重力によって曲げられた光を捉えた。世界6カ所8台の電波望遠鏡をつないで観測したという▼ブラックホールは20世紀初め、アインシュタインの一般相対性理論に基づいて別の研究者が理論的に予想した。しかし、アインシュタイン自身は存在に否定的な見方をしていたらしい▼日本の科学技術力の低下が指摘されて久しいが、かの大天才が見抜けなかった存在に迫る研究には夢がある。性質や形成過程の解明につながる新しい話題を待ちたい。(2022・6・2)

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