公立中学校卓球部顧問の先生の多くは、卓球未経験者です。
やったことのない運動部の顧問になったら、何から手をつけたら良いのでしょう。
石川県金沢市で、卓球専門店の腕利きスタッフとして働く西東輝(さいとうあきら)さん(30歳)の元には、日々、北信越一帯の卓球部顧問の先生からの相談が舞い込んできます。
西東さん自身、大学時代に全日本学生選手権ダブルス3位に入るほどのプレーヤーでしたが、それ以上に、実に幅広い層への技術指導が深いことが特徴の人です。
プロ卓球選手・吉田雅己(木下マイスター東京)のベンチコーチから、まだラケットを買っていない入部したばかりの中学生まで。
「でも僕らだって、陸上部100m走の練習のNG行為を知らないでしょう」
そう言って、西東さんは笑います。
ちなみに、陸上部顧問経験のある先生に聞いたNG行為は“走者がスタート準備に入ったら決してコースを横切ってはいけない”だそうですよ。
これまで西東さんの元に寄せられた質問と回答の中から、顧問の先生がたの役に立ちそうなものを実例を交えて紹介していきます。
部活動のあり方も問われる現在、はじめて卓球部顧問になった先生の負担が、せめて少しでも軽くなればと願っています。(編集:槌谷昭人)
写真:金沢市の卓球専門店で接客する西東輝さん/提供:本人
このページの目次
質問
写真:質問「どんなボールを購入したらいいですか?」/作成:ラリーズ編集部
今回の質問は「どんなボールを購入したらいいですか?」です。
回答
写真:西東さんの回答「1球あたり70〜110円程度のものがおすすめです」/作成:ラリーズ編集部
練習用には、1球あたり70〜110円程度のボールがおすすめです。
着任してすぐの卓球未経験の先生が、子供たちに「どんなものがほしいのか」を聞いたときに、一番要望が多いのがボールです。
子どもたちにとって、特に試合球というのは非常に貴重なものです。
でも、卓球のボールの購入には注意も必要です。
こんなことがありました。
写真:西東さんがお店で薦めることが多いというニッタクのJトップクリーントレーニングボール(写真左)とアンドロのポリ エス(写真右)/提供:本人
卓球のボールは割れやすい
新しく卓球部の顧問になったその先生はサッカーや野球部の指導経験があり、それらと比較すると卓球の試合球は安いと感じたので、試合球で練習しようということになりました。
私は「練習試合用」として購入されたのだと思って販売しましたが、まさか練習用として購入されたとは思いもよりませんでした。
その中学校の卓球部年間予算は5万円。
半分の2万5千円を、約100球程度の試合球の購入に使ってしまったのです。
卓球の場合、1日に部活動で割れる個数は、規模にもよりますが平均10球程度。
その学校は、2週間で半年分の予算を使ったことになります。
写真:卓球のボールは割れやすく、潰れやすい/提供:本人
卓球のボールの割れやすさ、潰れやすさな、なくしやすさなどはなかなか他競技出身の方からは理解されません。
そのときはさすがに私もなんとかしなくてはと、当クラブで使用していたルール改正前の「セルロイドボール」をお裾分けして部活動は成り立ちましたが、注意が必要です。
管理を徹底すべき
極端に安価なボールも存在します。子供たちでも「このボールはぶれる」とわかるレベルが、平均1球あたり60円以下のものが多いと感じています。
ボールの価格の違いは、素材の違いもありますが、球の歪みも関係しています。安くて品質が悪い場合は、子供たちの技術向上に繋がらないこともあるので、注意が必要です。
私は適度に良いボールを使用し、管理を徹底すべきと考えます。
練習場の隅に片付け忘れたボールが転がっているとき、ボールの大切さを実感してもらうために、少し極端ですが、私はこんな伝えかたをします。
それが試合球(3スター)の場合は「牛丼1杯買ってそのまま捨てたんだよ」、練習球なら「缶ジュースを自販機で買って、そのまま洗面台に流したんだよ」と。
>>【はじめて卓球部顧問になったあなたに】中学校の卓球部で多い怪我はなんですか?
からの記事と詳細 ( 【はじめて卓球部顧問になったあなたに】どんなボールを購入したらいいですか? | 卓球メディア|Rallys(ラリーズ) - 株式会社ピンポン )
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