
予想力以上に大事な文章力
意外と意識されていないのが文章力。「予想が上手ければ文章は関係ないだろ」と思われるかもしれませんが、そんな特例が許されるのはほんの一握りです。もちろん、周囲を唸らせるような名文を書く必要はありません。丁寧に、論理が破綻しないように書くことが重要です。 私は編集者の先輩に「馬券本の編集では、いかにツッコミどころをなくすかが大事」と教えられました。ともすれば独りよがりになりがちな競馬予想の世界。自分の理論の正当性を主張したいがために、「Aという馬を推す根拠が、実は消しているBという馬にも当てはまっている」なんてことも。そういう矛盾をチェックし、潰していくことが編集者の任務なのです。 逆説的になりますが、これをクリアしていると編集者の仕事が一つ減ります。先の例で言えば、「この理論だと実はBも当てはまっています。しかし~」と、先回りして消しの理由を書いてあると「この書き手は分かっているな」と思うのです。 単行本『降格ローテ』の著者、とうけいばさんがまさしくそのタイプ。特別凝った表現を使うわけではありませんが、読者の疑問に先回りする形で丁寧に説明がなされている文章に、聡明さが滲み出ていました。 また、競馬という特殊な固有名詞が数多く存在するジャンルだけに、そこで誤植しないことも重要。馬名やレース名はコピー&ペーストが基本です。ブルーメンブラッド(正しくはブルーメンブラット)、関谷記念(正しくは関屋記念)などは要注意(笑)。ちなみに、先の先輩は「誤植を3つ見つけたら、俺はもう読まない」とも言っていました。
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