そこそこ幸福に生きる40のコツ
コロナの感染拡大、経済活動自粛による困窮、他人とコミュニケーションできないことからくる孤独感や閉塞感、SNSによる誹謗中傷やバッシングなど、私たちは、いま多くの生きづらさを感じさせる事柄に取り囲まれています。そんな中にあって、毎日を心安らかに、できるだけ快適に生きていくためには、どうすればいいのでしょうか? 発達障害(ADHD)、うつ病など、生きづらさを抱えながらも精神科医として活躍するバク先生は、ツイッターでのつぶやきが共感・絶賛され、今、人気急上昇中。そんなバク先生の初の著書『発達障害、うつサバイバーのバク@精神科医が明かす生きづらいがラクになる ゆるメンタル練習帳』(ダイヤモンド社)が8月25日に発売されました。同書の中には、生きづらさを解消するための実践的なヒントが詰め込まれています。本連載では、同書の発刊を記念してそのエッセンスをお届けします。心がスーッと軽くなる珠玉のアドバイスにお付き合いください。好評のバックナンバーはこちらからどうぞ。
他人の目を意識しすぎて、
自分の「好き」をねじ曲げてしまう
他人と比較するなという話を、特に強調しないといけないのは、SNSという存在が、今の時代に不可欠と言うほどに広まってしまったからです。
それらが、他者と自分の比較をますます助長する元凶になっているのです。
「今日のランチは、今話題のオーガニックランチプレート! お店のインテリアはアンティークを中心として……云々」とあなたがSNSで投稿したとしましょう。
無添加で環境に優しく、ものすごく健康的。何より話題のお店ですからたくさんの「いいね!」が付き、「私もそれ、食べてみたい!」「良いなぁ! 行きたい!」というコメントが多く集まりそうですよね。
一方で、今日のランチは、ファストフードでした! と投稿したとしたら、「いいね!」ももらえるかもしれませんが(私は「いいね!」って押したい)、なかには「そんな体に悪いものを」などと批判する人もいるかもしれません。少なくともオーガニックフードよりは、「自分も行ってみたい!」とか「いいなぁ」など、あなたを羨むような反響は少ないことが想像できます。
そしてこうしたSNSでの反響に快感を覚えると、人は「オーガニックが普段から大好きな自分」を優先して投稿するようになりがちです。だって反応がいいほうが、SNSはやっていて楽しいですからね。
そうすると無意識に「自分を変えなきゃいけない!」と、投稿内容だけでなく、実際の行動までSNSに左右されるようになりかねません。
ここで思い切ってSNS上だけの人格をつくるぞ! と割り切れる人なら演じていることが楽しくなるかもしれませんが、大概の人はそんな器用なことができません。
そもそも、楽しみを増やすために始めたSNSで、むしろストレスを感じ、毎日が窮屈になるだけなら即SNSなんてやめたほうがいいです。
マクドナルドやロッテリアの前を通ったときに「太るから体にはよくないんだろうけど、でもポテトやハンバーガーを思いっきり食べたいなぁ……」とか思いながら素通りしていたり、食べていることを隠したり、なんて人生はあんまり楽しくありませんよね。
でも、オーガニックフードを食べているほうが体の調子も良くなるし、「やっぱり自分はこれがいいな」という人もいますし、やはり「合う」「合わない」が、人それぞれの違いとしてあるわけです。
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