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Wednesday, May 19, 2021

医療的ケア必要な子どもの手術にも影響 新型コロナ感染拡大|NHK 関西のニュース - nhk.or.jp

新型コロナウイルスの感染拡大で病院によっては、一般の手術や診療を制限せざるをえなくなり、病気や障害のために医療的なケアが必要な子どもの治療のスケジュールにも影響が出ています。

奈良県天理市に住む柴田雅人さんの長女、唯加ちゃん(3)は、出産時に脳性まひになりました。
重い障害があり、うまく体を動かしたり呼吸をしたりすることができず、気管を切開して酸素を取り入れているため定期的なたんの吸引が欠かせません。
食事は口からとれないため、現在は、鼻から入れた管から一日5回、それぞれ1時間ほどかけて栄養剤や水分をとっています。
唯加ちゃんが成長に合わせた食事をとれるようにしようと、両親は、細かくした食べ物をチューブで直接胃に送る「胃ろう」をつくる手術に向けて、去年の夏ごろから病院の主治医と検討を重ねてきました。
半年ほど悩んだ末に決断し、今月、手術が予定されていましたが、病院は第4波で急増した新型コロナの患者を受け入れるため、それ以外の一般の診療を制限。
唯加ちゃんの手術も延期になりました。
奈良県内では子どもの手術ができる病院は限られていて、主治医からは手術は秋以降になりそうだと告げられたということです。
父親の雅人さんは「胃ろうの手術は、食の幅を広げ、他の栄養を取ることも大事だと考えて悩んだ末に決めましたが、病院からはコロナで医療がひっ迫しているので今は手術は控えてほしいと言われてしまいました。今はどの家庭もコロナで大変だと思いますが、手術が受けたくても受けられない現状があることを少しでも多くの人に知ってもらえたらと思います」と訴えています。

【大学病院は手術数1割減】。
全国の大学病院の病院長などでつくる団体「全国医学部長病院長会議」は、新型コロナウイルスの感染拡大で病院の診療にどのような影響が出ているか、全国138の大学病院を対象に調べました。
それによりますと、今年1月までの10か月間に行われた手術は、115万件余りで、前の年度の同じ時期と比べて12万610件、率にして9.4%、減ったということです。
特に、▽1回目の緊急事態宣言が発出されていた、▼去年4月は20%、▼去年5月は32.5%、▽「第3波」のさなかのことし1月は10.5%と、減少幅が大きくなっています。
団体は手術数の減少について、▽新型コロナの感染拡大に伴う患者の受診控えや、▽医療体制のひっ迫で比較的、緊急度の低い手術が延期されたことなどが背景にあると分析しています。
また、いまの「第4波」のように、重症患者が増えると、ICU=集中治療室が新型コロナ対応に使われるため、術後にICUが必要となる大規模な手術も、影響が出る可能性があるとしています。
この状況について、全国医学部長病院長会議の「新型コロナウイルスに関わる課題対応委員会」の委員長で東京大学医学部附属病院の瀬戸泰之 病院長は「病院としてはこれまでの経験を踏まえ、従来の、行うべき医療を行いつつ、コロナ対応との両立ができるような体制は整えている。それでも感染が広がる中、患者に影響が出始めているのも事実だ」と指摘しています。
そのうえで、「それぞれの現場で、予定していた手術を先にしても患者にはあまり影響が出ない、といった判断をやむをえず行っている状況だと思う。患者の不利益にならないよう、病院側も努めるので、不安な気持ちは重々承知しているが、ご理解いただき、少しだけお待ちいただきたいという気持ちだ」と訴えていました。
また、患者の受診控えについては、「本来であれば、早期に発見されて適切な治療を受けるべき人が受けられていないことが懸念される」と指摘していました。

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