ここ数年で、法律的にもサービスとしても話題になっている「給与前払いサービス」。
給与前払いにすることで従業員満足度の向上はもとより、人材獲得や離職率の改善にも繋がります。
そのため、近年では給与前払いサービスを福利厚生の一環として導入する企業も増えています。
今回は、オススメの給与前払いサービスを比較紹介するとともに、導入のメリットや失敗しないサービスの選び方、導入時の注意点などを詳しく解説します。
給与前払いサービスとは?
画像出典元:O-DAN
給与前払いサービスとは、従業員が働いた分を規定された給与日まで待つことなく、事前に受け取れるサービスのことを指します。給料日の前に賃金を受け取ると聞くと、"前借り"とイメージされる方も多く混同しがちですが、前払いと前借りは異なります。
給与前払いは「従業員が実際に働いた分」だけを先に受け取るといった仕組みです。「働いた分だけの給料を給料日前に受け取る(前払い)」「働いた実績がない分の給料を給料日前に受け取る(前借り)」これが両者の大きく異なるところです。
給与前払いサービス導入のメリット
近年注目を集めている給与前払いサービスですが、導入することによってどのようなメリットが得られるのでしょうか。導入メリットについてご紹介します。
▼求人応募数の増加が期待できる
近年、仕事を探す際「日払い可能」という給与形態をひとつの条件として入れるケースが増加しています。国内大手アルバイト求人メディアの調査でも、求人募集事項に「日払い・週払い」と記載することで、求人応募者数が約3.7倍アップするという結果も出ているほど。
給与前払いサービスを導入することで他社との差別化が図れるため、求人応募数の増加に期待が持てます。
▼離職率の低下に繋がる
福利厚生が充実している企業ほど、従業員の離職率も低い傾向があります。
給与前払いサービスは福利厚生のなかでも人気が高く、従業員満足度を向上させてくれる制度の1つです。
従業員満足度が向上することにより、離職率の低下に繋がるでしょう。
▼採用コストの削減
離職率の低下に繋がると、人材定着率が向上します。
人材定着率が向上すれば、採用コストの削減にも繋がります。給与前払いサービスを導入することによるコストはかかりますが、頻繁に採用コストをかけるよりも得られるメリットは大きいと言えます。
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給与前払いサービス導入の注意点
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給与前払いサービスは福利厚生としての人気が高く、導入する企業も増えていますが、注意すべき点もいくつかあります。
サービス導入後に失敗したとならないためにも、注意すべき点は事前にしっかり抑えておくべきです。
▼運用費や手数料などコストがかかる
サービス提供会社によって費用は様々ですが、一般的にサービスを利用する従業員数に応じて月額固定費が発生するケースがほとんどです。また、前払いを利用する従業員側にも振込金額に応じた手数料がその都度かかります。
利用ハードルが高く利用しづらいと意味がないので、「初期費用・月額費用・利用手数料」これら費用面をしっかり把握することが大切です。
▼提携銀行の確認
給与前払いサービスは基本的に銀行振込で行われますが、サービス提供会社によって提携している銀行がそれぞれ異なります。
もしも対応銀行が口座を保有してない銀行だけだった場合、新たに指定の銀行口座を開設する必要があるなど、手間が発生します。
また、提携銀行がマイナーすぎると、従業員の生活圏によっては不便で使いづらくなってしまう恐れがあります。そのため、サービス提供会社がどの銀行と提携しているのかをよく確認した上で、導入を進めると良いでしょう。
給与前払いは違法ではないのか?
福利厚生の一環として従業員からの人気も高く、給与前払いサービスを導入する企業が増えています。しかしその一方で、法律の観点から「給与前払いは違法なのでは?」という懸念の声が上がっていることも事実です。
結論から言うと、給与前払い自体は違法ではありません。
ではなぜ、給与前払いサービスが法律に抵触しているのではないかと懸念されているのでしょうか。解説します。
立て替え型と企業負担型の2種類あるうち、問題視されているのは「立て替え型」です。
立て替え型は、サービス提供会社が一旦お金を立て替えます。お金を立て替えてもらうということは、実質的にお金を借りているのと同じことになりますので、これは貸金業にあたるのではないか、貸金業であれば貸金業法の登録が必要であり、未登録の状態であれば貸金業法違反となる、こうした指摘があるわけです。
なお、この問題に対して金融庁では「給与前払いサービスは貸金業に該当しない」という見解を示しています。それではなぜ貸金業に該当しないのか...その理由として主に以下3点が挙げられています。
・前払い金はあくまで賃金であり、従業員がサービス提供会社に返還する必要がない
・従業員の信用情報を調査せず、申請された金額を勤怠実績に応じた賃金相当額を上限として支払っており、給与支払日までの極めて短期間での立て替えに過ぎない
・手数料に関しても導入する企業の信用力によらず、一定に決められている
以上を踏まえ、給与前払いサービスは貸金業に該当しない、つまり、法に抵触していることにはあたらないというのが金融庁の判断です。ただし、立て替えの目的や手数料の徴収の仕方などによっては金銭の貸付けに該当し、貸金業法違反となる可能性も否定できないので、注意が必要です。
1分でわかる! 給与前払いサービスの比較と選び方
給与前払いサービスを導入する際は、提供されているサービス内容をよく確認しながら選定を進めていくことが重要です。
なお、選定の際は「月額料金・手数料」「サポート体制」「対応銀行の種類」この3つを最低限のチェックポイントとして考慮すると良いでしょう。
▼月額料金や手数料
料金形態に関してはサービス提供会社によって異なります。
初期費用や月額料金、手数料がかかるケースもあれば、初期費用と月額料金ともに0円というケースもあります。
ただ、企業負担が少ない場合は前払い手数料が高くなる傾向にあります。利用する際の手数料が高いと従業員の負担が大きくなり、不満に繋がる可能性があるので注意が必要です。
▼サポート体制
利用方法や処理の仕方など、特にサービスを導入してから間もない時期は何かしらのトラブルが発生しやすいです。そういったトラブルにもスムーズに対応できるよう、サポート体制の充実度合いも重要要素のひとつです。
なお、サポート範囲に関しては提供会社によって様々で、導入時から導入後のアフターサポートまで専用窓口を設けて電話やチャットで対応してくれる手厚いものもあれば、メール対応のみといった簡素なものまで幅広いです。
どれだけ手間をかけずに運用できるかは、サポート体制の充実さに大きく係わることなので、事前にしっかり確認しておくと良いでしょう。
▼対応銀行の種類
給与前払いサービスは、基本的に銀行振込によって行われます。
そのため、サービス提供会社が連携している銀行があまりに少ないと従業員が利用する際に不便です。
サービス提供会社が連携している銀行の種類や数も、サービス選びにおいて要確認の項目となります。
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おすすめ給与前払いサービス14選の紹介
給与前払いサービスにも様々な種類がありますが、サービス提供会社によってサービス内容や特徴が異なります。
この章では、オススメする給与前払いサービスをご紹介しきます。導入検討にお役立てください。
CRIA
画像出典元:「CRIA」公式HP
【CRIAの特徴】
初期費用、月額費用、従量料金など、導入コストがすべて無料なので負担ゼロで始められます。また、給与を即時払いする資金はCRIAが立て替えるため、キャッシュフローの圧迫もありません。さらに専用のコールセンターは24時間365日対応と非常に充実しているほか、スマホアプリやPCを使って給与支払の申請ができる便利なサービスです。
【月額料金・手数料】
※価格は全て税込
【対応銀行】
・セブン銀行ATM現金受取
・口座振替
Payme
画像出典元:「Payme」公式HP
【Paymeの特徴】
Paymeは立て替え型の給与前払いサービスで、使いやすさにこだわったシンプルでわかりやすいUI・UXデザインが特徴です。
誰でも簡単に使いこなせることなどから、約4年間で700社を超える導入数を誇ります。
また、ジョブカンやSmartHRなど、様々な勤怠管理システムとの連携が可能となっており、スムーズな運用が出来る点も特徴的です。
【月額料金・手数料】
【対応銀行】
・セブン銀行ATM現金受取
・SBJ銀行
・各種金融機関に対応
enigma pay
画像出典元:「enigma pay」公式HP
【enigma payの特徴】
導入企業ごとに1名の担当者が割り当てられ、導入から導入後の運用サポート、アフターフォローなどまで徹底したサポート体制が特徴です。
また、各種勤怠管理システムおよび給与計算システムと連携しているため、サービス導入もスムーズ。従業員から申請があれば自動で振込業務が実施されるので、経理担当者の手間がかかりません。
申請はスマートフォン、PC、ガラケーなど、各種デバイスから行うことができます。
【月額料金・手数料】
【対応銀行】
・セブン銀行ATM現金受取
・PayPay銀行(旧ジャパンネット銀行)
楽天早トク給与
画像出典元:「楽天早トク給与」公式HP
【楽天早トク給与の特徴】
様々な勤怠管理システムとのデータ連携が可能です。
導入時や運用時のトラブルにもチャットやコールセンターで対応してもらえるなど、サポート体制が手厚いので、安心して利用できます。
また給与受取を楽天銀行にした場合、申請1回につき5ポイントの楽天ポイントが付与されるため、楽天銀行をメインに利用している場合は、ぜひ検討したいサービスです。
【月額料金・手数料】
※価格はすべて税込
※受取り口座が楽天銀行の場合、手数料は無料です。
※サービス導入の際は、楽天銀行の法人口座を開設する必要があります。
【対応銀行】
・楽天銀行(従業員に関して、給与口座の変更を行う必要はありません)
・各種金融機関に対応
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THE給与
画像出典元:「THE給与」公式HP
【THE給与の特徴】
THE給与は「株式会社 昭栄」が提供する給与前払いサービスで、独自に開発された専用のATM端末を利用するのが特徴です。
金融機関を介すことなく社内ATMとして使用するため、利用の際の手数料がかかりません。
また、端末自体24時間稼働しているため、好きなタイミングで前払いを利用できるのも魅力のひとつです。
【月額料金・手数料】
※価格は全て税込
【対応銀行】
・自社設置のATMを使用するため、金融機関との連携は不要
プリポケ
画像出典元:「プリポケ」公式HP
【プリポケの特徴】
プリポケは伊藤忠商事の100%子会社「マネーコミュニケーションズ」が提供する給与前払いサービスです。
プリポケには「立て替え型プラン」と「直接払い型プラン」の2種類のプランが用意されており、立て替え型はほぼ即日入金が可能なので、急な出費時でも安心です。また、直接払い型でも金融機関の指定がないので、既存の銀行口座をそのまま使用することができます。
プリポケは、業界最低水準の手数料で利用することができます。
【月額料金・手数料】
※価格は全て税込
【対応銀行】
導入企業側
・ゆうちょ銀行など、一部の金融機関以外(直払い型)
・GMOあおぞらネット銀行「即時振込(リアルタイム入金)を利用する場合」
・各種金融機関に対応
従業員側
・受取口座の指定なし。給与口座をそのまま利用することが可能
Will Pay(ウィルペイ)
画像出典元:「Will Pay」公式HP
【Will Payの特徴】
Will Payは、最短即日で賃金を支払うことができる立て替え型のサービスです。
スマートフォンやPCなどから24時間365日いつでもどこでも前払い申請が可能です。申請時は会社や上長への承認など、面倒な手続きは一切不要で「申請→金額入力→振込実行」の3ステップで完了します。
また、管理画面も非常に分かりやすい設計で、手厚いサポート体制が備えられているため、導入後は安心して使うことができます。
【月額料金・手数料】
導入企業側
利用従業員側
振込手数料
※価格は全て税込
【対応銀行】
・PayPay銀行(旧ジャパンネット銀行)
・各種金融機関に対応
Advanced pay SAISON(アドバンストペイセゾン)
画像出典元:「Advanced pay SAISON」公式HP
【Advanced pay SAISONの特徴】
Advanced pay SAISONは、信販会社で有名で東証1部上場企業でもある「クレディセゾン」が提供する立て替え型の給与前払いサービスです。
前払いに必要な資金は一旦クレディセゾンが立て替えるので、導入企業側のキャッシュフローを圧迫することがありません。様々な勤怠管理システムとの自動連携が可能なので、給与前払いサービスの運営も簡単です。
また、振込先口座をセブン銀行・ゆうちょ銀行に指定した場合は、24時間365日即時受け取りが可能となります。
【月額料金・手数料】
【対応銀行】
・セブン銀行ATM現金受取(24時間365日即時受け取りが可能)
・ゆうちょ銀行(24時間365日即時受け取りが可能)
・各種金融機関に対応
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CYURICA(キュリカ)
画像出典元:「CYURICA」公式HP
【CYURICAの特徴】
給与の受け渡しに銀行振込を使わず、ATMから前払い分を直接引き出せる日本唯一の給与即時払いサービスがCYURICAです。
CYURICAカードを取得すれば、全国10万台以上あるATMから24時間365日いつでも給料を受け取ることができます。
銀行振込を行わずATMから前払い分を引き出せるシステムは特許登録済み。
CYURICAを導入することで求人広告に「日払いOK」と表記できるので、応募数の向上が期待できます。
【月額料金・手数料】
※価格は全て税込
【対応銀行】
・セブン銀行
・三菱UFJ銀行ATM
・イーネットATM
・ローソンATM
・イオン銀行
・ゆうちょ銀行
・みずほ銀行
・PatSat
・VIEW ALTTE
前払いできるくん
画像出典元:「前払いできるくん」公式HP
【前払いできるくんの特徴】
前払いできるくんは立て替え型の給与前払いサービスなので、準備資金がなくても導入可能です。
導入費用や運用費用も一切かからないので企業負担ゼロで始められます。また、小規模・個人事業主向けに利用できる「前払いできるくん LITE」では、クレジットカード決済も使用可能となっています。
様々な勤怠管理システムとの自動連携やCSVを用いたデータ連携を行っており、企業独自のシステムとの連携も可能です。
【月額料金・手数料】
※価格は全て税込
【対応銀行】
・企業側・従業員側ともに各種金融機関に対応
速払いサービス
画像出典元:「速払いサービス」公式HP
【速払いサービスの特徴】
速払いサービスは、マイナビグループ「株式会社エーピーシーズ」が運営する給与前払いサービスです。
提供開始から12年業界最古参の圧倒的な実績とノウハウを持ち、従業員データ・勤怠データの取り込みや、従業員ごとの情報メンテナンスなど日々の細かい処理も全て任せて運用することができます。
また、指定金融機関も国内主要メガバンクをはじめ、普段使用している口座をそのまま利用することができます。豊富な実績とノウハウで、労働基準法第24条(賃金支払いの原則)を遵守した安全・安心なサービス運用が可能です。
【月額料金・手数料】
・利用料金に関しては、各自問い合わせが必要です。
【対応銀行】
・国内主要メガバンク(三菱UFJ銀行・三井住友銀行・みずほ銀行・PayPay銀行)
・各種金融機関
アド給
画像出典元:「アド給」公式HP
【アド給の特徴】
導入時の初期費用をはじめ、ランニングコストは一切不要の給与前払いサービスです。
前払いの資金もアド給が用意するので、導入企業は準備資金を用意する必要がありません。
また、前払いの申請もスマホやパソコンなどを使って24時間365日いつでもどこでも簡単に申請できるほか、前払い申請を午前10時までに行えば、当日中の指定口座入金も可能です。
【月額料金・手数料】
【振込手数料】
3営業日後の振込の場合、全ての金融機関宛で0円です。
当日、翌日の振込の場合は下記のとおりです。
※価格は全て税込
【対応銀行】
・各種金融機関
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PrePay(プリペイ)
画像出典元:「PrePay」公式HP
【PrePayの特徴】
PrePayは初期導入費用、月額費用ともに0円のサービスです。
使用している勤怠管理ソフトとCSVでシームレスな連携が可能なので、煩わしい金銭管理やヒューマンエラーもありません。
さらに、前払いの申請も「電話(コールセンター)」と「WEB(専用WEBサイト)」の2種類から申請でき、WEBからであれば24時間365日いつでもどこでも簡単に申請が可能。セキュリティも高度な暗号化通信技術が用いられているので、安心して利用できます。
【月額料金・手数料】
※価格は全て税込
※通常、初期費用20万円のところ、キャンペーン中につき0円となっています。
【対応銀行】
・各種金融機関
※契約内容により、指定銀行に口座を新規開設する必要が出てくる場合があります。
Hayakyu(早給)
画像出典元:「Hayakyu」公式HP
【Hayakyuの特徴】
前払い用の資金はHayakyuが立て替えるので準備資金も不要。企業負担ゼロで前払いサービスを導入することができます。
HayakyuはPayPay銀行(旧ジャパンネット銀行)と連携しており、PayPay銀行を指定口座にすると24時間365日の即時入金やVisaデビットカードが無償で発行できるなど優遇サービスが受けられます。
【月額料金・手数料】
振込手数料については利用する金融機関や申請額によって異なるため、手数料の詳細については公式HPからお問い合わせください。
【対応銀行】
・PayPay銀行(旧ジャパンネット銀行)
・各種金融機関
まとめ
給与前払いサービスは、すでに働いた分の給料を支給日よりも早く受け取れる福利厚生サービスです。求人の際、「日払い」や「週払い」など福利厚生の充実さをアピールすることで応募数の増加が見込め、優秀な人材も集まりやすくなります。
より良い人材を確保し続けることは企業にとって重要なテーマであり、そのためには福利厚生の充実さが欠かせません。給与前払いサービスは福利厚生としての人気が高く、人材獲得や離職率の改善、従業員満足度の向上などに大きく貢献してくれます。
この記事を参考に自社に合ったサービスを選定し、従業員が働きやすい職場環境へと整えていきましょう。
料金などのサービスについてより詳しく知りたい方は資料を参照ください。
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