2021/04/29 05:54 ウェザーニュース
今年のゴールデンウィーク(GW)は昨年に続いて新型コロナウイルスの猛威が衰えず、終わりの見えない自粛生活が続いています。毎年GW明けに患者が増加するといわれる「五月病」、とくに新型コロナ対策を踏まえた対処法について、横浜鶴見リハビリテーション病院(横浜市鶴見区)の吉田勝明院長に伺いました。
「五月病は新年度を迎えて生活環境が大きく変化する中、新しい生活や環境に適応できないまま、GW中に疲れが一気に噴き出すことで起こります。五月病がきっかけとなって引きこもりを発症する危険性も高く、注意が必要です。
とくに昨年同様、今年も新型コロナの影響に伴う職場環境の変化も見逃せません。新入社員にもテレワーク、在宅勤務など、これまでの経験則を基にした『研修マニュアル』には記されていない働き方が要求されています。
指導する側の先輩社員でさえ手探り状態ですから、双方の“負の連鎖”によるストレスは例年以上のものがあり、それでいて昼間のストレスを夜の“飲みニケーション”で発散することも、飲食店の時短営業や自主休業などで難しい状況です。
今年のGW明けには、とりわけ新入社員が例年以上の不安感もあって『すっかりやる気を失ってしまう』という五月病の症状が、より現れやすくなると考えられます。
大学・専門学校などのリモート授業も同様です。さらに子どもの休園・休校などによる育児環境の変化によって、子育て世代への五月病の影響は大きくなっています」(吉田院長)
「自転車の運転を例に挙げてみましょう。自転車はペダルを踏んでいれば、まっすぐ進みます。しかし、踏むのを止めてしまったら、フラフラしてやがて倒れてしまいます。次に動き出すためには、自転車を起こしてペダルを踏み込む必要がありますが、ここが一番力の必要なところになります。
私たちの生活も自転車と同じで、休みだからといって何もしない、寝てばかりでは自転車が倒れているのと同じです。活動を再開するにはより一層の力が必要になります。これはGWに限ったことではありません。私が産業医を務める会社でも、休息が取れて一番元気なはずの月曜日に会社を休む人が一番多くなります。
コロナ感染の不安が拭えないままの長い休みであっても、少なくとも規則正しい生活、そしてある程度は身体を動かしていた方が、休み明けにはずっと行動しやすくなるのです。ふだんできないことをする機会でもあるので、『溜まった本を読んだり映画を見る』『部屋の模様替えや掃除をする』など、連休中の目標を作ると五月病の対策に良いでしょう。
さらに、太陽光を浴びると『幸せホルモン』と呼ばれる脳内物質のセロトニンの合成が盛んになるので、太陽の光を浴びることで五月病に効果的です」(吉田院長)
また、GW後の生活でも注意すべき点があるといいます。
「休み明けだからこそ心と身体をゆっくりならしながら動き出すべきです。五月病にならないためにもいろいろと頭で考えず、まずは行動本位になりましょう。テレワークやリモート授業の繰り返しの中でも同様です。
とりあえず起きて、洗顔し、歯磨きをするなど、行動を主体にしてみましょう。そうしていると、最初はいやだと思っていたこともコロナ禍の不安感も薄れて、いつの間にか身体がなじんでいくものです。」(吉田院長)
今年のGWは旅行や会食の自粛要請によって行動が制限されますが、むしろ規則正しい生活と身体を動かすことに努め、GW明けの準備期間として活用していきましょう。
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