フロム・ソフトウェアより2019年3月22日に発売された『SEKIRO: SHADOWS DIE TWICE』（以下、『SEKIRO』）。囚われの身となった御子を救い出すため、御子の忍びである“狼”を操作し、行く手を阻む強敵たちを打ち倒していく骨太なアクション・アドベンチャーだ。
その高い難易度と完成度の高いアクションが話題を集め、“日本ゲーム大賞2019”で優秀賞、“PlayStation Awards 2019”でGold Prizeを受賞したほか、全世界のゲームメディアが選ぶゲームアワード“The Game Awards 2019”では、最優秀賞となるゲーム・オブ・ザ・イヤー（GOTY）を受賞するなど、世界各国で高い評価を受けた、まさに2019年度を代表するタイトルと言えるだろう。
発売から1年以上が経過した『SEKIRO』だが、まさかの機能追加アップデートが実施されるということは、以前から告知されていたこと。その無料アップデートが、いよいよ2020年10月29日に行われる。そんな追加機能を事前に体験できる機会を得たので、そのプレイレビューをお届けしよう。
追加衣装“姿変え”
新機能の“姿変え”は、“別の記憶”というアイテムを入手すると、狼の見た目を変更できる機能。“別の記憶”を入手するには、ゲームをクリアーするか、後述する“連戦”モードのクリアーで入手できる（“葦名の古忍び”、“修羅”、“天狗”の全3種）。ちなみに、姿変えは“鬼仏”（チェックポイントのこと）でいつでも使用可能だ。
狼の姿がガラリと変わるので、周回プレイでも新鮮な気持ちでゲームを楽しめるのはうれしいポイント。なお、見た目を変えたからといって、敵に見つかりにくくなる……などの追加効果はない。
なお、“葦名の古忍び”は、シンプルな忍者スタイルの衣装。“天狗”は天狗面を被ったうえに上半身裸の姿になるので、狼の貴重な裸体を拝めることがうれしい人もいるのではないだろうか……。“修羅”はロングヘアー（というより、髪を下したというべきか）になり、布の眼帯をつけた荒々しい服装に。しかも身体の一部が赤く発光するので、狼がかなりワイルドな風貌に変化する。
ネットワーク要素“残影”
既報の通り、アップデートでオンライン要素も追加される。それが、“残影”だ。
残影は、自分の行動を最大30秒間記録し、ほかのプレイヤーに発信することが可能となるもの。たとえば、どこに行けばいいのかわからなくなったときに、フィールドにある残影を再生することでその答えがわかるかもしれない。プレイヤー間で作る手助け要素となっており、フロム・ソフトウェアならではの“共闘感”が楽しめるはず。もちろん、残影にはメッセージを添えることができる。
残影をプレイヤーが評価することも可能で、評価されると残影を残したプレイヤーは傷薬瓢箪1個分を回復するという効果が発動する。もちろんタイミングは選べないので、ピンチのときに評価されれば、偶然ではあるが大きな手助けになるかもしれない。
『DARK SOULS（ダークソウル）』シリーズや『Bloodborne（ブラッドボーン）』をプレイしたことがある人なら、“血痕”や“遺影”システムをイメージしてもらうとわかりやすいだろう。プレイヤーがどう死んだのかが見れるのではなく、任意の行動で道しるべを作れる、というわけだ。
なお、オプション機能にネットワーク設定が追加されている。オンライン要素を使いたくなければ、オフを選べばオーケーだ。
強敵たちともう1度戦える“再戦”
鬼仏にも、追加機能が登場する。そのひとつで、今回のアップデートでもっとも注目すべき機能が、“類稀な強者との再戦”だ。“類稀な強者”とは、鬼庭刑部雅孝やまぼろしお蝶、獅子猿など、いわゆるエリアの最後に登場する“大ボス”と言われる存在たちのこと。
そのボスたちの“戦いの記憶”を入手すると、“再戦”が解放される。メニューから再戦したい相手を選べば、どの鬼仏にいてもそのボスと戦った場所までワープし、戦いが始まる直前の場所からスタートする。勝利できれば、出現する鬼仏から元の場所に戻ったり、さらなる強敵たちとの再戦も可能となるのだ。なお、敗北すると元の場所に強制的に戻される。
再戦は狼の心の中で戦うというイメージで、シャドーボクシングまたはイメージトレーニングのような位置付けのものなので、使用したアイテムは、元の世界に戻ると元通りの数に戻る。また、攻め力（攻撃力）は固定されており、身体力は本編から引き継かれているので、ちょっと攻撃力の低い狼で戦うことになる点には注意。
周回プレイで強敵たちの元まで行かずとも、心ゆくまで再戦できるのは、なんともうれしいところ。葦名弦一郎戦など、その楽しさ（と強さ）からプレイヤーのあいだでも人気の高いボス戦を、何度も遊んで腕を磨いてみよう。
新たな挑戦要素“連戦”
鬼仏に追加されるもうひとつの機能が、“類稀な強者との連戦”機能。こちらは、決められたお題に沿ってボスと連戦していくものだ。そのお題に沿ったボスを全員倒していくごとに、つぎのお題が解放されていく。
お題は4つ存在し、御子を救い出すまでの鬼刑部、まぼろしお蝶、葦名弦一郎と連戦する“御子奪還”から始まり、修羅ルートと不死断ちルートに分かれた後のボスと連戦していく“修羅”、“不死断ち”といったお題が用意されている。残るひとつが、すべてのボスと連戦する“死闘踏破”だ。
連戦でボスを倒すと、再戦と同じく鬼仏が出現するので、そこからつぎのボスに進んでいく。なお、休息＆形代を購入可能となっており、体力やアイテムの使用状況が引き継がれて連戦する……というわけではない。攻め力が固定、身体力は引き継ぎというのは、再戦と同じ。
死闘踏破は見返りのないチャレンジルートだが、それ以外のルートでは、勝利すれば前述した姿変えの衣装など、何かしらの報酬がもらえるのもうれしいポイント。また、死闘踏破以外の各連戦ルートの最後には、"心中の"と名の付いた、攻撃パターンなどが大きく異なる新たなボスが登場するのも魅力だろう。“心中の弦一郎”などが登場することになり、パターンに沿った戦いでは勝てない、強敵との新鮮な戦いが楽しめるというわけだ。
2019年度もっとも優れたゲームをこの機会に！
以上が、今回の無料アップデートで追加される要素となる。『SEKIRO』はただでさえ遊び応えが満載なのに、今回のアップデートでそのプレイにさらなる磨きがかけられた、と言っていいだろう。再戦・連戦モードは熟練したプレイヤーたちにとっても喜ばしい要素で、ネットワーク要素はこれから遊ぶ初心者にはうってつけの機能だ。
なお、アップデートと同日である2020年10月29日には、プレイステーション4で『SEKIRO: SHADOWS DIE TWICE GAME OF THE YEAR EDITION』が発売される。特装パッケージと『SEKIRO: SHADOWS DIE TWICE 公式ガイドブック』の一部を再編集して収録した『序盤攻略本』が同梱されており、4800円［税抜］というお得なプライスとなっているため、いまから『SEKIRO』を遊ぶ人は、この『GAME OF THE YEAR EDITION』を購入するといい。
ファミ通.comでは基礎知識から全ボス攻略なども掲載しているので、こちらの記事を参照して、『SEKIRO』が世界を魅了した理由をその手で体感してほしい。
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