ヘッドライトの黄ばみは、長く乗っている車にありがちな悩みのひとつです。ヘッドライトは、紫外線などをはじめとしたさまざまな要因によって劣化してしまいます。放置すると、黄ばみやくすみなどにより光量が弱まって視界が悪くなるばかりか、車検に通りにくくなったり、最悪の場合は交換したりしなくてはなりません。
手遅れにならないよう、ヘッドライトの黄ばみを自分で落とす手順や、プロの業者へ依頼する方法を、黄ばむ原因や予防策などと併せて知っておきましょう。
【この記事のポイント】
✔ヘッドライトの黄ばみはポリカーボネートという樹脂素材が紫外線のダメージで劣化することが原因
✔黄ばみは程度によって3,000~18,000円ほどで業者にクリーニングを依頼できるが、軽度の黄ばみならセルフで落とすことも可能
✔ヘッドライトの黄ばみを放置すると、ヘッドライトごと交換する必要性が生じることも
ヘッドライトが黄ばむ原因は?
ヘッドライトの黄ばみとは、ライトの表面や内側の傷や劣化が原因となって、頑固な汚れやくすみ、曇りなどが生じている状態をいいます。
まずは、ヘッドライトが黄ばんでしまうおもな原因について見ていきましょう。
ヘッドライトが黄ばむ原因
ヘッドライトの黄ばみは、おもに樹脂の劣化や、紫外線や熱によるダメージ、小さな傷の積み重ねなどが原因となって生じます。
・黄ばみの最大の原因は樹脂の劣化
車のヘッドライトは、かつてはガラス製が主流でした。しかし耐久性や透明性、破損時の破片の飛び散り防止といった観点から、現在はポリカーボネートという樹脂素材が使われている車がほとんどです。
ポリカーボネートのライトはガラス製のライトよりもメリットが多い一方で、劣化によって黄ばみやすいというデメリットもあります。
・紫外線によるダメージ
ガラス素材と比べて耐久性や透明性に優れたポリカーボネートですが、紫外線を吸収しやすく、そのダメージによって劣化しやすいという側面も。ポリカーボネートが紫外線を吸収すると茶褐色の物質が生成され、透明度が低下して黄ばみを引き起こします。多くの車種では紫外線予防のためのコーティングが施されていますが、経年劣化によってコーティングが徐々にはがれていくと、ヘッドライトが黄ばみやすくなります。屋外駐車の車は特に紫外線のダメージを受けやすい傾向があります。
・バルブの熱によるダメージ
ヘッドライトのバルブ部分はかなりの高温になりやすく、ライトカバーまで熱によるダメージが伝わってしまいがちです。特に、通常時よりもエンジンルーム内に熱がこもりがちな渋滞時などは、ヘッドライトに熱が伝わりダメージを負いやすくなります。
・走行時の小石や洗車機による傷
ヘッドライトは、走行時の小石やゴミなどを正面から受ける位置にあるため、どうしても細かい傷がついてしまいやすい部分でもあります。また、普段何気なく利用している洗車機も、ブラシが高速でヘッドライトにあたり、実は細かな傷をつけてしまうので注意が必要です。
このような小さな傷の積み重ねによってもヘッドライトは劣化し、黄ばみの原因となります。
ヘッドライトの内側に黄ばみの原因がある場合も
ヘッドライトは表面だけでなく、内側に黄ばみの原因が隠れていることもあります。
例えば、車体とヘッドライトのあいだにわずかな隙間があると、そこから水や汚れなどが入り込み、ヘッドライトの内側に付着しやすくなります。こうしたトラブルによっても、ヘッドライトの劣化や黄ばみ、曇りなどが生じてしまうのです。
ヘッドライトの黄ばみの落とし方
ヘッドライトの黄ばみは、プロの業者に依頼することでクリーニングできます。
ここでは、黄ばみやくすみの除去を依頼できる業者と、所要時間や費用相場などについて確認しておきましょう。
黄ばみ除去を依頼できる業者
ヘッドライトのクリーニングは、ガソリンスタンドやカー用品店、車のボディケア専門店などで依頼することができます。カーディーラーのピットメニューで用意されていることもあるので、普段利用している業者に相談してみると、より具体的な費用や所要時間を知ることができるでしょう。
黄ばみの程度 | 費用相場(左右セット) | 所要時間 |
---|---|---|
黄ばみが軽度の場合 | 3,000~9,000円 | 30分~2時間程度 |
黄ばみが進行している場合 | 8,000円~18,000円 | 30分~2時間程度 |
ヘッドライト交換が必要な場合 | 数万~数十万円 | 作業内容より長時間 |
費用相場と所要時間
黄ばみがそれほどひどくないのであれば、ヘッドライトの研磨回数も少なく済みます。その場合の費用相場は左右セットで3,000~9,000円ほどです。
しかし、黄ばみが進行しており曇りもあるような状態の場合は、研磨を何段階か重ねなくてはなりません。左右セットで8,000円~18,000円程度かかると想定しておきましょう。
いずれの場合も、所要時間は30分~2時間程度です。
また、ヘッドライトの研磨後はコーティングが必要ですが、左右で5,000円から請け負う業者もあれば、20,000~30,000円ほどかかるところもあります。
スタッフの技術レベルやコーティング剤の種類などが価格に反映されるため、価格も幅広くなっているのです。施行内容や仕上がり、効果の持続期間などに納得した上で依頼するようにしましょう。
・ヘッドライトを交換する場合は
ヘッドライトの黄ばみがひどく進行している場合は、ヘッドライトの交換が必要です。ヘッドライトは一部を除いて表面のカバーだけを交換するということができず、ヘッドライト全体を交換しなくてはなりません。
料金は車種によって変わってきますが、安くて数万円、高価なものだと数十万円かかるケースもあります。
また、ヘッドライトを交換する際は、バンパーなどの外装部品を取り外したり、交換後にライトの向きを調整したりする作業も必要となるため、その分所要時間もかかってしまいます。
ヘッドライトを交換しなくても済むよう、日頃からお手入れやメンテナンスを欠かさないことが大切です。
ヘッドライトの黄ばみを自分で落とす方法
ヘッドライトの黄ばみのクリーニングは、プロに依頼する方法が仕上がりも良く、最も安全です。
しかし、ヘッドライト表面の黄ばみであれば、ヘッドライトを取り外す必要もないため、市販のアイテムを使って自分でクリーニングすることもできます。
ここでは、ヘッドライトを自分でクリーニングする方法をご紹介します。
ヘッドライトの表面の黄ばみ落としに必要なアイテム
ヘッドライトのセルフクリーニングに必要なアイテムは、次の4つです。
いずれもカー用品店やホームセンターで簡単に入手できます。
- マスキングテープ
- 耐水ペーパー(1,000番、1,500番、2,000番、3,000番など何種類か用意します)
- コンパウンド(研磨剤)
- コーティング剤
セルフクリーニングの手順
1. 水洗いでヘッドライトの表面についたほこりや汚れを落とす
研磨作業に入る前に、まずは水洗いでヘッドライトの表面についたほこりや汚れを落としましょう。
汚れが付着した状態で研磨作業を行うと、小さなゴミや砂で、ヘッドライトを余計に傷つけてしまうおそれがあるためです。
2. 周囲のボディを傷つけないようにマスキングテープで養生する
汚れやほこりを除去したら、マスキングテープを使って、ヘッドライトの周囲を囲いましょう。研磨する際に、車のボディを傷つけないためです。
3.耐水ペーパーでヘッドライトを磨く
マスキングテープで保護したら、研磨作業に入ります。
防水タイプの紙やすりである耐水ペーパーを使って表面を磨いていきましょう。
耐水ペーパーに水をつけて、目の粗いやすりから磨き始めます。徐々に、目の細かいやすりに変えていきましょう。
黄ばみが濃い部分には1,000番、1,500番の耐水ペーパーを使い、黄ばみが薄い部分には2,000番あたりを使うと良いでしょう。
研磨作業は、適時水をかけながら行います。力強くこすらず、表面全体をやさしく磨きましょう。
表面を磨いていると次第に黄色い水が出てきますが、さらに磨き続けると白っぽい水に変化します。これが、黄ばみが落ちている証拠です。
黄ばみが落ちたら、目の細かい耐水ペーパーに変えて磨いていきますが、ここでも強くこすらないように注意します。前段階で磨いた部分をならすようにして、表面を整えていきましょう。
4.コンパウンドでさらに細かく磨くと仕上がりもきれいに
耐水ペーパーで表面を磨き終えたら、コンパウンドでさらに細かく研磨していきます。
コンパウンドは、耐水ペーパーでは除去しきれない小さな傷を滑らかに磨くことができます。ヘッドライトの表面の傷をできる限りなくすことで傷から入り込む汚れを防止できるため、表面の劣化を遅らせることにつながります。
コンパウンドは耐水ペーパーよりも目が細かいため、さらに輝きのあるヘッドライトに仕上がります。
5.表面にコーティング剤を塗る
ヘッドライトを磨き終えたら、仕上げとしてコーティング剤を塗ります。
研磨作業によって表面が削られたヘッドライトは、元々施されていたコーティングがはがされた状態です。そのため、そのままでは紫外線や熱などのダメージを非常に受けやすくなってしまいます。
研磨後は改めてコーティング剤を塗って、紫外線などのダメージからヘッドライトを守ることで、再び黄ばみが発生することを防ぎます。
セルフクリーニングの注意点
ヘッドライトのセルフクリーニングを行う際は、耐水ペーパーやコンパウンドで研磨するときにうっかりボディの塗装部分を傷つけてしまわないよう注意が必要です。必ずマスキングテープでヘッドライト周りを養生してから、研磨作業を行いましょう。
また、もし自分でヘッドライトの内側もクリーニングしたいときは、ヘッドライトを取り外し、さらにヘッドライトレンズも外すという作業が必要になるため、十分な注意が必要です。内部をクリーニングした後も、緩みや隙間がないようしっかりと取り付けましょう。
せっかく内部をきれいにしても、隙間があるとそこから水やゴミが侵入し、黄ばみや曇りの原因となってしまいます。
ヘッドライトの黄ばみを放置するとどうなる?
ヘッドライトの黄ばみを放置し続けると、さまざまなリスクが生じます。最悪ヘッドライトごと交換する必要があるため、黄ばみは早めにクリーニングすることが大切です。
点灯しても光量が少なく、視界が悪くなる
ヘッドライトが黄ばんでいると、ライトの光量が下がり曇ったような色合いとなり、走行時の視界が悪くなってしまいます。特に、ライトを点灯する夜間の運転時の事故リスクが高くなってしまうため要注意です。
細かいひび割れや隙間が発生する
ヘッドライトの表面の劣化が進行すると、細かいひび割れや、ヘッドライトのふちの隙間が生じてしまいます。隙間ができるとそこから水やゴミが入り込み、ヘッドライトの内側にも黄ばみや汚れが発生します。
車検に通りにくくなる
ヘッドライトは、車検で引っ掛かってしまいやすい項目のひとつです。車検の際は、ロービームの明るさが6,400カンデラ以上必要です。黄ばみによって光量が不足していると十分な明るさが確保できていないと判断され、車検に通らない可能性があります。
ヘッドライトの光量が足りないと、夜間の運転時の事故リスクも高くなってしまうため、車検においてもきびしく検査されているのです。
ヘッドライトの交換が必要になる
ヘッドライトの黄ばみがひどく、汚れが除去しきれない場合やひび割れを起こしている場合は、ヘッドライト全体を交換しなくてはなりません。交換費用はクリーニング代よりもはるかに高額になる上、所要時間も長くなります。大がかりなメンテナンスと出費を避けるためにも、定期的にヘッドライトのメンテナンスを行っておくことが大切です。
ヘッドライトの黄ばみを防ぐ方法
ヘッドライトの黄ばみを放置すると、走行時の視界が悪くなったり、最悪のケースではヘッドライトの交換が必要になったりと、リスクも大きくなります。手遅れにならないよう、ヘッドライトの黄ばみの予防方法についても知っておきましょう。
紫外線からヘッドライトを守る
ヘッドライトが黄ばむ原因でも解説したように、ヘッドライトは紫外線によって黄ばみやすく、劣化も早まってしまいます。
そのため、黄ばみを予防するためには、紫外線のあたりにくい駐車スペースを確保する必要があります。屋内に駐車できるスペースを確保できることが望ましいですが、屋外に駐車する場合は、カバーなどで直接紫外線があたらないような工夫をしておきましょう。
保護フィルムを貼る
紫外線によるヘッドライトへのダメージを防ぐには、紫外線をカットする保護フィルムの活用もおすすめです。保護フィルムを貼れば、飛び石などによるダメージからもヘッドライトを守ることができます。
お手入れ時は薬品類に注意する
愛車を市販のクリーナーやワックスでお手入れしている場合、それが原因となってヘッドライトが黄ばんでしまっている可能性もあります。
ヘッドライトの素材であるポリカーボネートは薬品類への耐久性が低く、洗車時に使われるクリーナーやワックスなどの薬品が、黄ばみの原因となっているケースもあります。
ヘッドライトのクリーニングにはヘッドライト専用のものを使い、洗車時はボディ用の薬品が付着しないように注意しましょう。
紫外線防止コーティングやガラス系コーティングもおすすめ
ヘッドライトのコーティングを行う際は、紫外線防止効果のあるコーティング剤がおすすめです。ヘッドライトのクリーニングで黄ばみを除去した後に再びコーティングすることで、つやや輝きを維持しつつ、黄ばみを防いでくれます。
また、ガラス系のコーティング剤は、強固な被膜でクリアな輝きとつやを長期間キープしてくれます。黄ばみ防止効果も高いため、コーティング剤選びの際は検討してみてはいかがでしょうか。
カーリースのメンテナンスプランならヘッドライトのクリーニングも気軽に依頼できる
カーリースは、月々の定額制で、好きな車にマイカーのように乗れる車のサブスクリプションサービスです。
カーリースでは車の整備・点検費用もリース料金に含めることができるメンテナンスプランを用意している業者も多く、リース車のヘッドライトのメンテナンスが必要なときも、メンテナンスプランに加入していれば追加費用不要で整備を受けられます。また、返却時の原状回復費用も補償されます。
カーリースの定額カルモくんなら、メンテナンス費用もオプションのメンテナンスプランで月々のリース料金に含めることができます。
「おトクにマイカー 定額カルモくん」のメンテナンスプランでは、30,000店舗を超える全国の提携先のカー用品店などで、一部消耗部品の交換や法定12ヵ月点検などのメンテナンスが定額で受けられます。日頃から気軽に車のメンテナンスを行えるため、ヘッドライトの黄ばみについての相談もしやすく、常にきれいで安全な車の状態を維持できるでしょう。
日頃のお手入れがヘッドライトの黄ばみ予防につながる!
ヘッドライトの黄ばみを、ちょっとした汚れだと放置してしまうことは非常に危険です。ライトの光量が少なくなると視界が悪くなり事故のリスクが増してしまう上、車検にも通りづらくなってしまいます。また、ライトの交換には高額な費用もかかってしまうため、黄ばみや汚れはなるべく早めに除去することが大切です。
定期的にヘッドライトのお手入れを行い、気になる点があればプロの業者に相談することも大切です。ヘッドライトのメンテナンスは、見た目の美しさを保つことはもちろん、日々の安全な運転のためにも欠かせません。
よくある質問
Q1:ヘッドライトが黄ばむ原因は?
A:ヘッドライトの素材であるポリカーボネートは、紫外線を吸収しやいという特徴があります。経年劣化で紫外線予防のコーティングがはがれると、紫外線によるダメージでヘッドライトが黄ばみやすくなります。また、ヘッドライトのバルブの熱や、走行時の小石や洗車機による傷なども黄ばみの原因になります。
Q2:ヘッドライトの黄ばみを落とす方法は?
A:ディーラーやカー用品店、整備工場などで落としてもらうほか、ヘッドライト表面の薄い黄ばみであれば、セルフクリーニングで落とすことも可能です。
Q3:ヘッドライトの黄ばみを放置したらどうなる?
A:ヘッドライトの光量が下がり、視界が悪くなります。光量不足は夜間の事故リスクが高まるだけでなく、車検に通らない可能性も高くなります。また、ヘッドライトの表面の劣化が進むとひび割れたり隙間が生じたりして、ヘッドライトの内側にも黄ばみが発生することがあります。黄ばみがひどくなるとヘッドライト自体を交換しなければならないケースもあります。
※記事の内容は2020年10月時点の情報で制作しています。
"が必要です" - Google ニュース
October 11, 2020 at 08:02AM
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ヘッドライトの黄ばみを落とす方法は?黄ばみやくすみの原因と予防法 | カルモマガジン - カルモマガジン
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