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Tuesday, September 1, 2020

「変化には希望が、希望には行動が必要です」──マンロー・バーグドルフが願う新しい世界。 - VOGUE JAPAN

2020年は、それだけで1冊の本ができそうな1年になってしまいました。日を追うごとに、事態は収束どころかますます異様な様相を呈し、困難さを増しています。世界は、2020年というクレイジーで未知なる世界の深みにどんどんはまっているように思えます。けれど、この半年間がどんなに困難で、どんなに不安に思えたとしても、まだ希望があります。希望は常にあるのです。ただ、それがどこにあるのかを知る必要があります。

最近の状況は確かに大変ですが、かつてないほど多くの情報に囲まれているのは喜ばしいことだと思います。もし、ソーシャルメディアへのアクセスなしにこのパンデミックを生き抜かなければならないとしたら? 人と交流し、ニュースフィードへ自分の意見を書き込んで政府や企業の行動を追及することができないとしたら? 

ソーシャルメディアのおかげで、私たちは主流メディアの偏見を問いただし、パターンを見出し、汚職を糾弾し、過去であれば疑うことなく「真実」として受け入れられていた主張の誤りを是正することができるのです。私たちの社会が、今ほど目覚めているときはありません。権力を手にする人々が一般大衆の目を覆い隠すことは、もはやできないのです。どうしようもなく不安定で混乱している時代は、特にそうです。ですから、そのことを喜び、前へ進んでいくべきではないでしょうか。

批判より成長を推奨できる文化を。

責任追及の文化は健在です。権力の座にある人々は深刻さに気づいていないかもしれませんが、私たちは、無責任に権力を振りかざす人々がその行動に対する報いを受けるべき時代に生きています。今の民主主義の時代、言論の自由は何としてでも守られなければなりません。けれど勘違いしてはならないのは、言論の自由の権利を行使することと、ヘイトスピーチの権利を擁護することはイコールではないということです。ヘイトスピーチを煽ったり奨励することでもありません。言論の自由を主張するならば、人々に対して、自らの行動に対する責任を常に問う必要があります。

私たちは解決を目指し、変化を促したいのであって、ただ復讐したり公にその人を辱めることがないよう注意する必要があります。人々が、責任を追及されることを恐れることなく、自分の意見を変えてもいいのだと思える文化を奨励する必要があります。公になった最悪の瞬間をいつまでも批判するのではなく、成長を奨励できる文化を醸成しなければいけません。私たちは、そこへたどり着くことができるはずです。

逆境はチャンス。


ロックダウンは、すべての人の生活に影響を与えました。けれど、それによって私たち全員が、これまで生きるために「必要なもの」として受け入れていたものを見直す機会を得ました。そして、それがこれからどんな役割を果たすのか、果たすべきなのかを問うようになりました。

パンデミックの前、私はランニングマシーンに乗っているような気分でした。スケジュールはぎっしり詰まっていましたが、忙しさを個人的な充足感の指標にすることでごまかしていました。「忙しいことは素晴らしいこと」と言われることもありますが、閉ざされたドアの向こうで、私の心の健康は損なわれつつあったんです。業界のペースについていくことや、注目、要望、期待に応えるのがやっとという状態でした。でも、スローダウンしたことで、自分の生産性に自尊心を重ねるのは持続可能な戦略ではないと気づきました。困難な時期ではありますが、私にとっては目覚ましのアラームような役割を果たしてくれたんです。軌道修正というか、自分のどの部分をニューノーマルに変えていきたいのかを自問し、認識させてくれる時間でもありました。そして、何が自分にとって重要か、何がもはや必要ではないのか、自分が成長するために何を置いていくべきか、といったことを見極める視点を得ることができました。

クィアとして、黒人として、トランスジェンダーとして、そして女性として、私は希望を持っています。なぜなら、逆境から文化が生まれるということを、社会から排除された者たちとしての私たちの歴史が示しているからです。

ブラック・ライヴズ・マター(Black Lives Matter)からLGBTQ+プライドMeTooまで、社会から排除された人々の声が今ほど大きく世界に響き、私たちの物語がこれほどまでの真実味をもって広く伝えられたことはありません。過去何十年も覆い隠され、無視され、避けられ、軽んじられてきた対話が、世界中で交わされています。ブラック・ライヴズ・マターは、歴史上最も大きな公民権運動となるでしょう。これほどの変化を直接目にする時代に生きていること自体、よりインクルーシブでより公正な未来への希望と言えるのではないでしょうか。


若い世代の声が未来への希望を生む。

大胆で勇敢で、革新的なアイデアを持った若い世代の声も、よりよい未来への希望を運んでくれます。気候変動や人種差別ジェンダーやセクシャリティといった実存的問題へ恐れることなく取り組む彼らが、私にインスピレーションを与えてくれます。現在や過去の堅苦しい制約やレッテルに定義されることを嫌う彼らは、まさに希望です。

一部の人々のためだけではなく、すべての人のために機能する世界を再建しようと奮闘する若者たちを見るのが楽しみです。私や私の前の世代が経験してきた抑圧に、彼らは抵抗しています。けれど同時に、私たちは自分たちが変えられなかったことを全て若い世代に委ねてはいけません。持続可能性や道徳的な消費のように、私たち自身も生き方を変えなければ世界を変えることは困難です。人の住めない地球を未来の子どもたちに残すわけにはいきません。

この変化の時代において、それぞれの違いを理解することが極めて重要です。人々の共通点だけでなく、異なることを尊重するのです。私たちが進歩し、変化を起こす唯一の方法は、私たち一人ひとりが自分とは違う誰かの助けになることです。教養があり、謙虚で共感力のある心の中でヘイトは生きることができません。私のこの記事を読んでくれた人も、ぜひ、まずは自らが責任を持つよう心がけてくれることを願っています。この世界をよりよい場所とするためには、すべての人が役割を果たす必要があるからです。そのために、私たちは協力しなければなりません。そうできると希望を持っています。変化には希望が必要。そして、希望には行動が必要です。

Text: Munroe Bergdorf

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August 31, 2020 at 10:06AM
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