従来モデルから約500gの軽量化にも関わらずバッテリ容量2倍!
DAIV 5Pの2019年モデルは、15.6型フルHD液晶、CPUはCore i7-9750H、GPUにGeForce GTX 1650を搭載し、メモリ8GB、ストレージSSD 256GB+HDD 1TB。サイズ約360×243.5×20.3mm(幅×奥行き×高さ)、重量約2.1kg、バッテリ駆動時間は約7.4時間というスペックだった。
iGPUのみのノートパソコンより1ランク上の位置づけで、ゲーミング用ほどは高性能でないものの、GPUパワーが必要なクリエイター用の製品だ。
今回ご紹介する2020年モデルは、プロセッサを第10世代にした上で、マグネシウム合金製筐体とリチウムポリマーバッテリ採用し、従来モデルから約500gの軽量化。厚さも20.3mmから17.9mmへと約11%薄型化している。ノートパソコンで500g違えば、かなり印象が異なるのは言うまでもない。軽くなってもバッテリ容量を2倍とし、DAIVブランド最長の約18.5時間駆動を実現した。
つまり2020年モデルは、プロセッサの世代替わり+α的なものでなく、完全に設計が異なるマシンに生まれ変わっている。おもな仕様は以下のとおり。
マウスコンピューター「DAIV 5P」の仕様 | |
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プロセッサ | Core i7-10750H(6コア12スレッド/2.6GHz~5.0GHz/キャッシュ 12MB/TDP 45W) |
メモリ | 16GB(16GB×1/PC4-21300、1スロット最大32GB) |
ストレージ | NVMe SSD 512GB |
OS | Windows 10 Home(64bit) |
ディスプレイ | 15.6型フルHD(1,920×1,080ドット)、非光沢、NTSC比約72% |
グラフィックス | Intel UHD Graphics /GeForce GTX 1650(4GB) |
ネットワーク | Gigabit Ethernet、Wi-Fi 6、Bluetooth 5 |
インターフェイス | USB 3.0×3(1基はType-C)、USB 2.0、100万画素Webカメラ、microSDカードスロット、HDMI、音声入出力 |
バッテリ駆動時間 | 約18.5時間 |
サイズ/重量 | 356×233×17.9mm(幅×奥行き×高さ)/約1.53kg |
税別価格 | 139,800円(Office Home & Business 2019搭載モデル164,800円) |
プロセッサは第10世代Comet LakeのCore i7-10750H。6コア12スレッドで、クロックは2.6GHzから最大5.0GHz。キャッシュは12MB、TDPは45W。一般的なノートパソコンに使われている末尾がUのTDP 15Wタイプより高性能SKUだ。
メモリはPC4-21300の16GB。1スロットで最大32GBまで対応するが、シングルチャンネル動作となる。はじめから16GBはうれしいが、シングルチャンネルなのは残念なところ。ストレージはNVMe SSD 512GB。OSは64bit版Windows 10 Homeを搭載。
グラフィックスは、プロセッサ内蔵UHD Graphicsと、TuringアーキテクチャのGeForce GTX 1650(4GB)。外部出力用にHDMIを装備している。ディスプレイは、非光沢の15.6型フルHD(1,920×1,080ドット)。仕様によるとNTSC比約72%(参考値sRGB比換算約102%)の色域とのこと。
ネットワーク機能は、Gigabit Ethernet、Wi-Fi 6、Bluetooth 5。そのほかのインターフェイスは、USB 3.0×3(1基はType-C)、USB 2.0、100万画素Webカメラ(Windows Hello対応)、microSDカードスロット、音声入出力。Type-CはDisplayport Alternate ModeやPDには非対応だ。
バッテリ駆動時間は約18.5時間。サイズ356×233×17.9mm(幅×奥行き×高さ)、重量約1.53kg。内容のわりに意外と軽めか。税別価格は139,800円。構成を考慮するとコストパフォーマンスは高いと言えよう。
カスタマイズにも対応し、Windows 10 Pro、メモリ32GB、SSD 512GB(高速版)、1TBなどへ変更が可能だ。
筐体はマグネシウム合金製でシルバー。なかなかメタリックな感じでカッコいい。このクラスのわりに厚み17.9mm。そして重量は実測で1,525gということもあり、持ったときに見た目と合わずズッシり重く感じず、逆に少し軽い気がする。
前面はパネル中央上にWebカメラ。その分上だけ少し太めだが狭額縁なのがわかる。左側面にロックポート、Gigabit Ethernet、USB 2.0、USB 3.0、音声入出力、microSDカードスロット。右側面に電源入力、HDMI、USB 3.0、Type-Cを配置。裏は手前左右にスピーカー用のスリットと前後に1本バーのゴム足。付属のACアダプタは、サイズ約138×63×25cm(幅×奥行き×高さ)、重量338g、出力19V/4.74A。
15.6型のディスプレイは非光沢で眼に優しく、明るさ、コントラスト、発色、視野角すべて良好。パネルの傾きは左側面(もしくは右側面)の写真が最大となる。
i1 Display Proを使い特性を測定したところ最大輝度は267cd/平方m。標準の明るさ120cd/平方mは、最大から-5が134cd/平方m、-6が108cd/平方m。したがって前者で計測している。黒色輝度は0.166cd/平方m。つまり、(目視可能かは別として)若干黒が浮く。リニアリティは、R・G・B各色いいものの、Bだけ結構外れている。この関係で補正前はかなり白っぽかった。
キーボードは88キー日本語。オフ+2段階バックライトつきだ。ただし15.6型でテンキーなしのわりにキーピッチは18mmと若干狭い。その分、いびつな並びやキーピッチが狭くなると言った不都合はない。また[Enter]キーの外側にキーがあるのは好みの分かれるところだろう。個人的にはこのキートップがシルバーで刻印が半透明っぽいのはバックライトオフ(もしくは日中でオン)時に刻印が見づらくなるので苦手だ。
タッチパッドは1枚プレート式。左上にオン/オフのエリアがある。パームレストも含め面積はかなり広く確保されており扱いやすい。
振動やノイズは、負荷をかけると後ろ側面から空気が出て、結構ファンの音がする。このとき、発熱はキーボード上のスペースがおもに熱くなるものの、キーボードやパームレストまでは降りて来ないので問題はない。
サウンドは、スピーカーが裏(少し側面が斜めだが)にあるため、机などに反射して(ほぼ)間接音として耳に届く。パワーはあと倍はほしいだろうか。幅があるのでステレオ感はあるものの、レンジが狭く、迫力不足、抜けもよくない。音楽や映像の再生だと欲求不満になるだろう。
PCMark 10/BATTERY/Modern Officeで13時間17分駆動!
初回起動時、スタート画面(タブレットモード)は1画面。ユーザーサポートグループがプリインストールとなる。デスクトップは壁紙の変更のみとシンプルだ。構成が構成なだけに何をしても快適に作業できる。
ストレージはNVMe SSD 512GBの「ADATA SX6000PNP」。仕様によると、読み取り2,100MB/s、書き込み1,500MB/s。CrystalDiskMarkのスコアもほぼそのまま出ている。C:ドライブのみの1パーティションで約475.7GB割り当てられ空き440GB。
Wi-FiとBluetoothはIntel製。Gigabit EthernetはRealtek製だ。GeForce GTX 1650は、CUDAコア896、4,096MB/GDDR6。
おもなプリインストールのソフトウェアは、「Control Center」と、同社おなじみ「Windows 10ユーザーガイド」(PDF)、「ハードウェアマニュアル」(PDF)など。
Control Centerは、画面キャプチャからもわかるように。「EZスイッチ」と「動作モード」に分かれ、前者はバックライトLED/ディスプレイ/その他設定。後者は標準/省エネ/パフォーマンスなどへの設定が可能だ。なお後述するベンチマークテストはすべて標準で行なっている。
ベンチマークテストは、PCMark 10、PCMark 8、3DMark、CINEBENCH R20、CrystalDiskMark、PCMark 10/BATTERY/Modern Office。
GeForce GTX 1650なので、今年(2020年)何台かレビューしたGeForce RTX 2060 / 2070搭載機にはおよばないものの(3DMarkでざっくり2~3倍差)、それでもiGPUとは比較にならないスコアとなっている。ゲーミング用ではなくクリエイターー用であればかなりいい線ではないだろうか。
PCMark 10/BATTERY/Modern Officeは13時間17分(キーボードバックライトオフ。明るさ、バッテリモードなどはシステム標準)。仕様上は最大約18.5時間だが、テスト内容を考えると妥当なところだろう。
ベンチマーク結果 | |
---|---|
PCMark 10 v2.1.2506 | |
PCMark 10 Score | 4,673 |
Essentials | 8,348 |
App Start-up Score | 11,899 |
Video Conferencing Score | 6,620 |
Web Browsing Score | 7,387 |
Productivity | 7,082 |
Spreadsheets Score | 8,112 |
Writing Score | 6,184 |
Digital Content Creation | 4,684 |
Photo Editing Score | 6,290 |
Rendering and Visualization Score | 5,810 |
Video Editting Score | 2,813 |
PCMark 8 v2.8.704 | |
Home Accelarated 3.0 | 3,563 |
Creative Accelarated 3.0 | 4,300 |
Work Accelarated 2.0 | 4,979 |
Storage | 5,028 |
3DMark v2.12.6964 | |
Time Spy | 2,399 |
Fire Strike Ultra | 1,289 |
Fire Strike Extreme | 2,678 |
Fire Strike | 5,556 |
Sky Diver | 18,062 |
Cloud Gate | 24,733 |
Ice Storm Extreme | 74,795 |
Ice Storm | 71,813 |
CINEBENCH R20 | |
CPU | 2,629 pts(7位) |
CPU(Single Core) | 492 pts(1位) |
CrystalDiskMark | 6.0.0 |
Q32T1 シーケンシャルリード | 1920.654 MB/s |
Q32T1 シーケンシャルライト | 1566.916 MB/s |
4K Q8T8 ランダムリード | 661.584 MB/s |
4K Q8T8 ランダムライト | 959.504 MB/s |
4K Q32T1 ランダムリード | 349.255 MB/s |
4K Q32T1 ランダムライト | 409.054 MB/s |
4K Q1T1 ランダムリード | 31.182 MB/s |
4K Q1T1 ランダムライト | 120.458 MB/s |
最後にクリエイター向けということもあり、動画のエンコードとRAW現像のパッチ処理を少し試した。
まず動画のエンコードだが、1080p MP4、3分の動画を「WinX HD Video Converter Deluxe」を使い、4K MP4へコンバートしてみた。このアプリはハードウェアエンコーダとして、iGPU/NVIDIA/AMDに対応しているが、NVIDIAで約54秒。チェックなしだと3分44秒と大差となった。
次にRAW現像。GPU対応のこの手のアプリでは「Adobe Photoshop Lightroom」が一般的だが、手持ちのカメラの1つが、SIGMA sd Quattroということもあり、「SIGMA Photo Pro」を使いバッチ処理を行なった。環境設定を見るとわかるように、“GPUによる高速化”にも対応している。5枚でのバッチ処理はGPUオンで15秒、オフで30秒と、倍の差だ。
参考までに筆者が今年購入したNUC@Core i5-10210U(iGPU)で試したところ、GPUオン(iGPUにも対応している)で32秒、オフで37秒と、オンとオフでの差があまりなく、オンで本機のオフとほぼ同レベルとなった。
このようにdGPUの有無による処理時間は、動画のエンコードでもRAW現像でもかなりの差があり、この手の処理が中心であれば、本機のような強力なdGPU搭載機は魅力的だろう。
以上のようにマウスコンピューターの「DAIV 5P」は、15.6型フルHD、Core i7-10750H、GeForce GTX 1650、16GB、SSD 512GBを搭載し、重量約1.5kgのノートパソコンだ。バッテリ駆動時間も12時間超えでスタミナたっぷり。
唯一シングルチャネル動作が残念なところだが、全体的な完成度は高く、iGPUノートパソコンでは物足らない、おもにクリエイター系のユーザーに使ってほしい1台だ。
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