ファーウェイは6月2日、日本国内向けにスマートフォン3モデルを発表しました。ライカカメラ搭載の「P40 Pro 5G」、税別4万円を切る5Gスマートフォン「P40 lite 5G」、さらに2万円台の格安モデル「P40 lite E」と魅力的なラインナップです。日本の5Gはまだ始まったばかり、新型コロナウィルスの影響もあり消費者がこぞって5Gに乗り換えようという意識にはなっていません。
しかし、これまでも優れた性能のカメラを搭載したファーウェイ「Pシリーズ」の最新モデルが登場し、また低価格な5G端末が投入されたことで、5G契約が気になる人も増えそうです。
ですが、この3モデルには大きな弱点があります。すでに製品レビューなどで言われていることですが、グーグルサービスGMS(Google Mobile Service)に対応していません。
OSはAndroidベースで、ファーウェイ独自のユーザーインターフェース「EMUI」を搭載するところまでは過去のモデルと変わりませんが、その上で動くモバイルサービスはGMSに変わる独自のHMS(Huawei Mobile Services)です。メール、地図、検索など見慣れたアイコンは見当たりませんし、アプリストアは「AppGallery」となっています。これは今年3月に発売した「Mate 30 Pro 5G」でも同様でした。
ファーウェイはAppGalleryに対応するアプリの数が多いことを謳ってはいるものの、メジャーアプリがこぞって対応していないため一般的な消費者には使いにくい状況です。日本のユーザーにとって明るい話題はLINEへの対応です。しかしほかのAndroidスマートフォンからLINEのデータを移行するにはグーグルアカウントが必要となります。現時点ではLINE側がHMSのクラウドサービスへのデータバックアップに対応していないため、引継ぎができないわけです。
ファーウェイのスマートフォンの性能が取るに足らないものであれば、消費者はほかのスマートフォンを選べば済むだけのことです。しかしP40 ProのカメラはDOXmardのスコアで1位を獲得するなど、高い性能を誇ります。また手軽に5Gを使いたい人にとってP40 lite 5Gの価格は魅力です。しかしどちらの端末も日々メイン機として使うには困難が伴います。せっかくの優れたハードウェアも、現状では宝の持ち腐れになってしまいそうです。
ファーウェイのスマートフォンが日本に上陸したのは9年前のこと。当初は手探り状態が続いていましたが、2014年からSIMフリー市場で単体販売を開始し、海外で発表したフラッグシップモデルを次々と投入しました。性能はいいもののSIMフリーのため価格は高く、ブランド力も今と比べれば弱小だったにも関わらず、一貫して「優れた製品を日本の消費者に届ける」という戦略を進めていったのです。
2016年にはライカのカメラを搭載した「P9シリーズ」を発表。その後、気が付けばスマートフォンのカメラ性能で常に上位に位置する製品を送り出すまでになりました。日本でも2019年に「P30」がSIMフリーで発表されると「P30 ProもSIMフリーでは出ないのか」という声が聞かれたほど。またコストパフォーマンスに優れた「lite」シリーズもSIMフリー市場、MVNO向け端末として人気です。
しかしファーウェイがここ数年送り出してきた優れたスマートフォンの最新モデルと考えP40シリーズを購入すると、GMSが無くHMSだけという問題にぶち当たってしまうわけです。
ファーウェイとしてはアメリカの制裁問題が解決しない限り、これからもGMSの搭載はできません。しかしGMS非搭載のスマートフォンはいくらカメラ性能が高く、あるいは価格が安くとも日本で売り続けることは難しくなります。せっかく築き上げてきた「高性能なスマートフォンを送り出すファーウェイ」というイメージがこのままでは崩れてしまう可能性は大いにあります。
ならばファーウェイがやるべきことは、ソフトウェアの弱点をカバーしうるほどの優れたハードウェアを搭載した製品を出すしかないでしょう。
P40 Proの上位モデルとなる「P40 Pro+」は光学10倍のペリスコープと光学3倍の望遠という、デュアルズームカメラを搭載しています。望遠性能ではおそらく他社の最上位モデルの性能を大きく上回るでしょう。ここまでカメラに特化したスマートフォンを出せば、「撮影はP40 Pro+、普段利用はiPhone」という使い分けをするユーザーも出てくるでしょう。
また、2月に発表され世界各国で販売されている折りたたみスマートフォン「Mate Xs」も日本で出すべきです。折りたたみスマートフォンは数社が製品化していますが、Mate Xsは開くと8インチ、閉じても6.6インチの大型ディスプレイを搭載し、カメラも4000万画素。何といってもぴったりと閉じれる山折り式のボディーは外観も美しい仕上がりです。
価格は20万円を超えるでしょうが、先進的はハードウェアを求めるユーザーは世界各国、どの国にも存在します。そしてそんなユーザーが日常的にMate Xsを使えば、ファーウェイの技術力の高さのアピールにもなります。
今回発表された3製品はいずれも価格と性能を考えれば日本市場で十分受け入れられるでしょう。しかしそれはGMSに対応していればのことです。ファーウェイの先進性をハイエンド製品嗜好の強い日本でアピールし続けるためには、他社製品の性能や品質を大きく上回る、真のフラッグシップモデルが必要です。
サムスンは20万円を超える折りたたみスマートフォン「Galaxy Fold」を日本市場で完売させました。またブランドコラボとなる「Galaxy Z Flip」のトムブラウンモデルも27万円(税別)ながら予約と同時に完売させています。
価格が高くとも性能やブランドの力があれば一定の販売数は確保できるのです。さらにフラッグシップスマートフォンの最上位モデル「Galaxy S20 Ultra」も日本の消費者の声を受けてか、あとから日本の認証を受けており、日本で発売される模様です。
かたくなにSIMフリー市場へ参入せず、キャリアビジネスを中心にしてきたサムスンですら、優れた製品を日本市場に投入しています。SIMフリー市場で自在に動けるファーウェイは、世界一の製品を日本に出せるはずなのです。Mate XsやP40 Pro+の日本投入は「検討」ではなく「必須」、そう筆者は考えます。
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June 07, 2020 at 06:06AM
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ファーウェイが折りたたみスマホ「Mate Xs」を日本で出すべき理由(山根博士) - Engadget日本版
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