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Sunday, April 19, 2020

コンテンツマーケを本気で進めてわかった、本当に必要なワークフロー構築と切実な教訓(前編) - Web担当者Forum

筆者の見解はすべて筆者自身のものであり(ありそうもないことだが、筆者が催眠状態にある場合を除く)、Mozの見解を反映しているとは限らない。

1か月で10万ワード分の質の高いコンテンツをつくること ―― そんな指示からはじまった、コンテンツマーケティングのチーム作り・ワークフロー構築と、そこから得た陥りがちな落とし穴や教訓をお届けする。

2018年秋、僕が勤務するJotFormのアイテキンCEOが、マーケティングとグロースのチームに対して出した要求は、シンプルだけど驚くようなものだった。それは、次のようなものだ:

10万ワード分の質の高い文章コンテンツを1か月で作成すること。

この目標には、あらゆる種類のコンテンツが含まれることになる。たとえば次のようなものだ:

  • 会社の公式ブログへの投稿
  • ヘルプガイド
  • テンプレートの説明
  • ゲスト投稿
  • 外部サイトに掲載するスポンサー記事

10万ワードがイメージできない人のために説明すると、10万ワードというのは400ページの本に相当する分量だ。それをわずか1か月で作成するのだ。作業するのはJotFormのチームだが、メンバーは8人もいない。

アイテキンは一体なぜ、僕たちにそんなことをやらせようというのだろう?

10万ワードを達成するには、ブログ記事が何本必要になるかを計算している僕と同僚。

こういう場合に重要なのは、CEOがこうした指示をだした意図を理解しておくことだ。

アイテキンCEOは、狂っているわけではない。僕たちを忙しくさせておくためだけにミッションを課したわけでもない。

ちなみに、僕たちはそれまで何か月もの間コンテンツに手を出してみて、それはうまくいっていた。アイテキンがEntrepreneur誌Mediumに寄稿した記事は大きな反響を呼んだ。デザインを刷新した僕たちのブログは、すでにあったコンテンツへのアクセスが上昇傾向にあり、僕たちはSEOをはるかに深く理解するようになりつつあった。

とはいえ、僕たちのようなソフトウェア企業が、なぜそれほど多くのコンテンツを作成する必要があるのだろうか?

答えは簡単で、インフラとするためだ。高品質のコンテンツを大量に生み出すコンテンツエンジンを構築できれば、何がうまくいくかを学習し、優れたコンテンツの作成をさらに推し進めることもできる。ただし、コンテンツでの成功を維持するには、肝心のコンテンツを用意する必要があった。

アイテキンは十分な予算を割り当ててくれたほか、目標達成に必要なスタッフを自由に採用できるようにしてくれた。いずれ必要になるものだ。

それから丸1年が経ち、わずか1か月で10万ワードの目標を正式に達成したとお伝えできることを心から誇りに思う(お褒めの言葉をいただき、どうもありがとう)。

※Web担編注: 「1年が経って1か月で10万ワードの目標を達成」とあるため、本件は「1か月あたり10万ワードのコンテンツをつくる」ということなのかもしれないが、原文では「毎月10万ワード」という表現は使っていないため、そこは定かではない。

ここでは、コンテンツ文字数の詳細よりも、コンテンツをつくる体制をどう作っていったかを参考にしてほしい。

ただし、その過程で痛みを伴う教訓やミスがなかったわけではない。

以下では、このプロセスを通じたコンテンツの規模拡張について僕が発見したことを紹介しよう。

早期に仕組みをつくる

以前から僕たちは、Googleスプレッドシートを使って編集カレンダーをつくっていた。ブログ記事を1週間に1本か2本ほど公開していた頃、記事を整理する方法が必要だったために使い始めたものだ。これは使えるツールだった。

その頃、この編集カレンダーを見る必要があったのは、マーケティングスタッフ3人とデザイナー数人だけだった。

Googleスプレッドシートで管理していた時代の編集カレンダー

しかし、10万ワードを投入するとなると、どのようなスプレッドシートも役に立たないだろう。10万ワードは複雑すぎる。僕たちはすぐにそのことを理解した。

議論を重ねた後、僕たちは編集ワークフローをAsana(アサナ)に移行した。Asanaは、僕たちが必要としていたものに最も近いように思えたからだ。たとえば、次のような点だ:

  • カレンダー表示は見やすい
  • タグ付け機能は内容を整理するのに役立つ
  • ボード表示にすると全員のプロジェクトを概観できた

これが、現在マーケティングチームが利用しているプロジェクト管理ツールAsanaだ

直観に反してはいたが、僕たちはプロジェクト管理ツールとしてTrello(トレロ)も利用している。というのも、Trelloはグロースチームがすでに利用していたツールだったからだ。マーケティングチームが投稿記事を書き終えたら、バナー作成をグロースチームのデザイナーたちにTrello内のフォームでリクエストを送る。

このシステムは複雑だが、うまくいっている。時間をかけて構築していなかったら、途方に暮れていただろう。

スタイルガイドが友達

実際にコンテンツマシンを生み出す前に作成するべきものについて話しておこう。一貫性を保つうえで最も重要なのがスタイルガイドだ。スタイルガイドは、コンテンツの目標達成に向けて協力を求める書き手が増えるほど、ますます複雑で扱いにくいものになる。

スタイルガイドに含める基本的な要素としては、たとえば次のようなものがある:

  • 文体やトーン&マナーの概要
  • 文法や技法
  • 句読点の詳細
  • 製品の表現方法に関する説明
  • 書式
  • など

ただし、その内容は絶えず変化・追加している。僕たちはスタイルガイドを「絶えず変化する生き物のようなドキュメント」だと考えているからだ。

また、ゲスト投稿者か、有償で仕事を請け負うフリーランスか、あるいは社内のコンテンツライターかに関係なく、正規のライターなら、サイトに寄稿するにあたってまず確認したいと思うのがスタイルガイドだ。

コンテンツは「安物買いの銭失い」になる

コンテンツの執筆を安価に済ませたければ、簡単だ。書き手はどこにでもいる。Upwork、Express Writers、WriterAccessなど、僕たちはあらゆる場所を試した。

ブログ記事を1本60ドル未満で書いてもらえる ―― 自尊心の強いマーケティングマネージャーは少なくとも試してみようと思うだろう。

コンテンツを安くあげようと考えるのは間違いだということは、ここでしっかりと言いたい。

安価に発注したコンテンツの原稿があがってきたとき、僕は興奮した。しかし、エディターの心情は違った。それらの原稿を良いものにするまで、いや、最低限読めるレベルのものにするまでに、あまりにも時間がかかりすぎていたのだ。

これは僕が見落としていた点で、大きなボトルネックとなった。このように安価なコンテンツをため込んだことで(安価だったために、一度にたくさんの原稿を発注できたのだ)、その後工程に時間がかかりすぎ、コンテンツをタイムリーに公開できなくなってしまったのだ。

そうならないためには、フリーランスやコンテンツエージェンシーをパートナーとして扱い、時間をかけて優れた書き手を見つけよう。相手と電話で直接話し、過去の実績を徹底的に精査し、君が実現しようとしていることを相手が本当に理解しているかどうかを確認しよう。短期的には高くつくが、大きな見返りが得られる

ただし、優れた文章でもテーマへの無知は隠せない

一緒に仕事をするコンテンツエージェンシーやフリーランサーについて確認しておくべきことの1つは、相手の情報調査プロセスだ。

優れたライターは、記事にするテーマのオーソリティ(権威)を獲得するために、その分野の専門家に協力してもらう。これは君にとってもライターにとっても面倒なステップだが、重要なステップでもある。

あまり良くないライターたちは、手っ取り早くネットで見つかるものを探す。それでなんとかなる場合もある。しかし、そうして作られた記事を読んだ人から、次のような手厳しい意見を寄せる場合もある(写真がテーマの記事だった):

残念ながら、この記事はとにかく長ったらしくて要領を得ない。いくつかの記事を寄せ集めて作られているのがわかるからだ。写真家ではなく、「コンテンツ制作者」が書いたもののように感じる。そこには個性も実体験もない ;-)

このコメントは、核心を突いている。問題の記事はよく書けていたが、写真について詳しい人が書いたものではなかった。

ここでの教訓は、ライターに誰を雇おうとも、書く内容について必ず時間をかけて調査してもらうのが大切だということだ。

この記事は、前後編の2回に分けてお届けする。後編となる次回も、今回に引き続いて筆者の経験から得られた貴重な知見を紹介する。(後編は4月27日公開予定)

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April 20, 2020 at 05:00AM
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