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Friday, March 27, 2020

東京都 受け入れ病床確保に課題|NHK 首都圏のニュース NHK NEWS WEB 03/27(金) - NHK NEWS WEB

新型コロナウイルスに感染する人が急増し、小池知事が「感染爆発の重大局面」として強い危機感を示している東京都では、患者を受けいれることができる病床の確保や、空いている病床の把握が課題となっています。

厚生労働省は新型コロナウイルスの感染が今後、ピークを迎えたときに備えて医療体制を整備するよう自治体に要請していて、患者が入院する病床の確保が喫緊の課題となっています。
東京都は、患者が入院する病床として、これまでに感染症指定医療機関にある感染症に対応した病室などであわせて140床を確保していましたが、26日の時点で入院が必要な患者はすでに223人に上っていて、一般の医療機関にも協力を求めて確保しています。
厚生労働省が示した計算式では、感染がピークを迎えると、東京都では1日あたり、集中治療や人工呼吸器が必要な重症の患者がおよそ700人、肺炎の治療など入院が必要な患者がおよそ2万500人に上るとされ、東京都では、最大で4000人分の病床を段階的に確保していく方針をまとめました。
しかし、東京都の吉田道彦感染症危機管理担当部長は「重症者の700人という数だけでも、非常に大きな数字で、現行の運用では確保するのが大変難しい」としています。
さらに、東京都では、一般の病院を含めた都内の283の医療機関を対象に患者の受け入れが可能な病床数をインターネットの入力システムを使って毎日報告するよう求めましたが、回答した医療機関はおよそ70%にとどまり、空いている病床を把握することも難しい状態になっています。
吉田部長は、「一般の医療機関にも協力してもらい、患者が出た場合に迅速に対応していくことが重要だ。多くの医療機関に回答してもらえるよう、説明会などを設けてお願いするなど、可及的速やかに病床を確保したい」と話しています。

厚生労働省は、新型コロナウイルスの感染が拡大し、患者が急増した場合に備え、一般の医療機関でも対応できるようにするとしていますが、患者を受け入れる側の医療機関からは、対応には限界があるといった声が出ています。
東京・品川区にある昭和大学病院は感染症の指定医療機関ではありませんが、今後、患者が増えた場合、東京都から受け入れるための病床を確保するよう求められています。
病院には、室内の空気が外に流れ出さないようにした「陰圧室」と呼ばれる感染症に対応した病床があわせて35床ありますが、通常は、別の病気の患者が入院していて、現在空いているのは4床のみだということです。
さらに、結核やはしかといった感染症の患者が救急で訪れる可能性もあることから東京都には、新型コロナウイルスの患者の受け入れが可能なのは1床だと報告しているということです。
昭和大学病院で感染症の治療を行っている二木芳人教授は、「地域の中核病院として高度な医療が必要なさまざまな病気の患者を診ていて、そうした患者に対する医療も崩壊させてはいけない。新型コロナウイルスの患者さんだけのために病床を空けておくということはなかなかできない」と話しています。
また、新型コロナウイルスの患者を受け入れるためには、院内感染の防止など、さまざまな対応も必要だとして、「スタッフはある程度、新型コロナウイルスの患者さんにかかりきりにならざるをえない。手厚い医療を行おうとすれば何人もの医師が必要になるので大学病院といっても、患者が2人、3人と増えれば人手が足りないという問題も出てくる。医療資源や人材を補てんしてもらうなどのサポートが必要だ」と指摘しています。

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