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Friday, March 13, 2020

【インタビュー】小堀おう一郎(訪問診療医・82歳)「その人らしい死を迎えるため、医師と患者が共に考えることが必要です」(サライ.jp) - Yahoo!ニュース

【サライ・インタビュー】
小堀おう一郎さん
(こぼり・おういちろう 訪問診療医 おうは森おう外のおう)
――国立病院の外科医を定年退職後、在宅医療に携わって15年――
「その人らしい死を迎えるため、医師と患者が共に考えることが必要です」

訪問診療で88歳のKさんと笑顔で対話。「こないだ代診の若い先生に、僕の知らない話をしてる。短時間睡眠で大丈夫だと」「ぐっすり眠るんです」「その格好で寒くない?」「平気です。ハルピン(中国東北部)で育って外で遊んでたら零下42度でした」「スーパーウーマンだね」
※この記事は『サライ』本誌2020年3月号より転載しました。年齢・肩書き等は掲載当時のものです。(取材・文/矢島裕紀彦 撮影/齋藤亮一)

──訪問診療に同行させていただきました。

「今日は午前中、看護師と一緒に4軒のお宅を回りました。家族やケアマネージャーを含め、いろんな話をしながら診察しています」

──皆、来診を心待ちにしている様子でした。

「退屈してるからでしょう(笑)。ひとり目の88歳の女性は独り暮らし。長く広告会社で働いていたそうです。心臓がかなり悪いので、薬の飲み忘れがないよう気をつけてもらっています。次の方は重症の糖尿病。3か月に1回採血して薬を出しています。3人目の方は105歳。何の病気もなく、いわゆる老衰ですね。最後の方は95歳だったかな。肺炎を起こし、入院して危機的な状況で、本人が髪振り乱して悪鬼の如き表情で家へ帰りたいと言うので、息子さんと相談して家で死なせてあげようと退院させた。ところが、帰宅したら奇跡的に復活して。今日は息子さんが“歩きたいっていうから杖を買ってきた”なんて言ってました。まあ、歩くのは無理としても、とてもいい顔してましたね」

──著書『死を生きた人びと』が好評です。

「僕の初めての本です。はじめ、この堀ノ内病院(埼玉県新座市)での10年余りの在宅医療の看取りの経験を基にして、啓蒙書の形で原稿を書き始めたのですが、途中で挫折してしまい、しばらく放っておいたんです」

──そこから筆を執り直した。

「たまたま書きかけの原稿を読んだ同僚から、事例の描写がひとりひとりの人物を蘇えらせるようで、平凡な市井の人々の死が意味のあるものに思えてくる、と言われましてね。そのとき、そうした記録を残すことは、彼らへの挽歌として意味があるのではないかと気づかされたのです。高齢化社会が進む中で、在宅での看取りへの関心も年々高まっている。みすず書房の創業者のひとり、故小尾俊人さんが古くからの知り合いだったので、その編集部に相談して出版にこぎ着けました」

──映画も各地で上映が続いています。

「『人生をしまう時間』ですね。NHKエンタープライズの女性ディレクターが、堀ノ内病院の看護師寮に8か月余り泊まり込んで在宅医療の現場を取材し、テレビ番組をつくった。それを映画化した作品です」

──祖父は、かの森おう外です。

「祖父は母の小堀杏奴が14歳のときに亡くなっているから、直接は知らないんです。だけど『鴎外全集』に囲まれて育ったようなものだから、作品はたくさん読んでるし、子供の頃から“おじいちゃんはああだった、こうだった”といろいろな話を聞かされてました。母の『晩年の父』をはじめ、一族がさまざまな随想を書き残してもいるし、当然、意識はしますよね。母は著書に《父ほど利他そのものの人物を感じさせた人は他にない》なんて綴ってます」

──医師になったのもおう外の影響ですか。

「中学の同級生に、医者の息子で天才的に優秀な塚原己成くんという友人がいて、中学卒業を前に、いかに医者がすぐれた職業かを説き聞かされ、君も医者になるべきだと助言半分の命令を下された(笑)。それがきっかけです。

祖父とは関係ないし、両親と相談したわけでもない。父は画家でしたし、母も絵が好きで、仲人は洋画家の藤島武二。たぶん両親は、僕が芸術関係の仕事につくのを望んでいたんでしょうね。だから、成城学園小学校という自由教育の学校に入れた」

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March 13, 2020 at 01:02PM
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